「ノスタル爺」考
藤子・F・不二雄の短編漫画、「ノスタル爺」(1974)。
おそらく、横井さん帰国(1972)と小野田さん帰国(1974)に触発された作品だ。
なかなかの衝撃作である。
と同時に疑問も残る。
なぜ主人公は、あんな数奇な人生を送ることになったのか?
まず、戦後数十年ジャングルに取り残されるという横井・小野田的な体験をする。
さらに日本に帰国後、戦前の故郷の村へとタイムリープしてしまい幽閉されるという憂き目に(半ば自主的に)遭っている。
名字が浦島だから、そうなる運命だった…と言われても納得しかねる。
もちろん、明確な理由など無いのだろうが。
ちなみに現実の日本では、私宅監置は1950年に違法となっているので、それ以降に誰かを幽閉した場合は犯罪である。