ブラック・ジャックが、高額請求をする理由。
手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』において、主人公の天才無免許医師ブラック・ジャック(間 黒男)は、高額な手術代を請求することで有名だ。
しかし、何故?
その理由は、作中で何度か本人が語っている。
単純に「金が好きだから」と言う場合もある。
また、ある時は「患者の家族は、患者本人ほど苦しんでいないから」と説明したこともある。
患者のことが本当に大切ならば、家族は身銭を切って同じくらい苦しまねばならない、というのがB・Jの理屈だ。
だったら患者本人が依頼者の場合は安くしているのだろうか?と思ってしまうが、実際どうだっただろうか…。
いずれにせよ、高額請求の理由づけに、作者は失敗しているように見える。
いまいち説得力を感じないのだ。
おそらく、なんとなくカッコいいから、法外な額を要求する設定にしたのだろう。
そして連載が長期化したため、そもそも何でそんなことをするのかという疑問に対し、もっともらしい理由を提示する必要に迫られたものと想像する。
だが、大金を払わなきゃ手術しないという設定は、手塚のモットーである命の尊さを描くこととは、どう頑張っても辻褄が合わない。
あるいは、命とお金が天秤に掛けられるシビアな現実をデフォルメしていると捉えればよいのだろうか…?
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