オギスという名の画家
フランスで活躍した、オギス(Oguiss)という画家がいる。
荻須高徳(おぎす・たかのり)。
日本人である。
パリを愛し、パリを描き続けた男だ。
昨年亡くなったシラク元大統領は、パリ市長時代に彼のことを「最もフランス的な日本人」と評した。
私が荻須を知ったのは、長谷川町子の『いじわるばあさん』だった。
いじわるばあさんが絵画展に訪れる話で、壁にその名が掲げられている。
作品を調べてみると、家々や街並みが端正に描かれていて美しかった。
シラクの賛辞は、フランスのエリートから見たオギス。
『いじわるばあさん』の場合は、日本の庶民から見た荻須。
オギスと荻須、どちらも、おぎす。
ちなみに、ローマ字表記の'Ogisu'だと、フランス人は「オジズュ」と読んでしまう。
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