地政学という「タブー」
十数年前、私は初めて地政学という学問分野を知った。
地理的条件に主眼を置いた、政治学の一分野である。
その当時は、帝国主義国が他国を侵略するために生み出した道具といった評判しか目にしなかった。
なので、地政学は侵略戦争をする予定がある人だけが学ぶものなのだと思っていた。
しかし近年、テレビで「地政学」という言葉をよく耳にするし、実際どの国でも外交・安全保障において地政学的な情勢分析は欠かせないようだ。
自国の現状を地政学的に捉えるとともに、他国とりわけ好戦的な国がどのような地政学的発想に基づいて行動しているかを知ることは、たしかに重要である。
どうやら、思ったほどタブー視する必要はない気がしてきた。
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