映画『台風クラブ』(1985)
『台風クラブ』という映画を観た。
相米慎二監督作品だ。
作中では、中学生の少年少女が奇行・非行を繰り返す。
80年代の'恐るべき子供たち'といったところか。
リアリティやストーリー性は、あまり重視されていないようだ。
『セーラー服と機関銃』(1981)よりも後の作品だが、より若気の至り的でカオスな仕上がりなのが凄い。
また、バービー・ボーイズの曲が使われており、背徳的・耽美的な雰囲気を高めている。
途中出てくる、種と個の話は京都学派の田邊元を思わせる。
彼は戦時中、学徒動員を理論的に正当化したイデオローグだったので、少年と死を結びつけるという意味では終盤のシーンの伏線となっている。