ウィリアム・アイリッシュの哀愁
W. アイリッシュの作品は、二つだけ読みました。
『幻の女』と「裏窓」です。
着想の面白さも然ることながら、なんとも言えない哀愁が心に残っています。
どちらの登場人物も、社会から取り残されたような雰囲気がありました。
必ずしも孤立している訳ではないのですが。
アイリッシュは晩年、スランプに陥ったりと不遇だったようです。
長くホテル暮らしをしていたという話も、なんだか切ないですね。
今で言うアドレスホッパー的な風情もあったかとは思いますが。
ヒッチコックによる映画版の『裏窓』も観ました。
やはり寂しげな人物が出てきますが、最後には救いもあって感動的です。