寒々しい映画
世の中には、気温の低さや底冷えする孤立感が伝わってくる映画があります。
今回は三つ紹介しましょう。
是枝裕和の『三度目の殺人』(2017)は、福山雅治と広瀬すずの人気者二人が出演していますが、笑えるシーンはゼロです。犯罪と社会の関係を単純化しすぎな気もしますが、張りつめた空気感が印象的。
『白いカラス』(2003)は、アンソニー・ホプキンスとニコール・キッドマンが主演。人種差別が主なテーマです。原題は"The Human Stain"(人間の染み)。スティグマのような意味合いでしょうか。
アンゲロプロスの『シテール島への船出』(1984)は現実と虚構が交錯し、とある老人の帰郷の様子が描かれます。ラストがとくに寒々しいですが、なぜかハッピーエンドにも見えてしまう不思議。
冬の終わりに、是非ご鑑賞ください!