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火災現場に「泣く少年」の絵
『世界の何だコレ!?ミステリー』という番組は、オカルト的な映像・エピソードを扱うものだ。
この種の企画に付きまとう荒唐無稽さは不思議と感じない。
科学者の知見に頼りつつ、正体が解らないものは解らないとして保留する、健全な科学精神・合理主義に基づいているからだろう。
昨日の「泣く少年」の絵の話は特に興味深かった。
これは、正体が科学的に説明できたケースだ。
1985年頃からイギリスの火災現場に「泣く少年」の油絵が焼けずに残っている事例が複数、報告された。
どれも同じ作者による同一作品の複製だったため、呪われた絵画として騒がれたという。
しかし焼けずに残った要因は、使われていた素材にあった。
油絵は燃えやすいはず、という先入観が背景に存在したわけだ。
また、その絵と火災発生に因果関係を人々が見出したのは錯覚に過ぎず、単純に流通枚数の多さと「泣く少年」の印象の強さによって説明できるようだ。
コナン・ドイルも参加した降霊会や、アレイスター・クロウリーを輩出したこともあって、イギリスはオカルトの本場というイメージがある。
やはり、イギリス人はオカルトに左右されやすいのだろうか。
また、可愛らしい作品とは思ったが、少年が泣いている絵をわざわざ買って家に飾るというのはどういう心性からなのか、とても気になった。
↑↑↑「呪われた絵画」の燃焼実験