新三の目付き
八月納涼歌舞伎座第二部『髪結新三』『紅翫』を観た。歌舞伎友の伝手で「とちり」席、しかも花道横の席をゲットできた。花道での見どころが少ない舞台ではあったけど、舞台も見やすかったので堪能した。
勘九郎さんが新三を初役で演じると聞いた途端に悪い勘九郎さんが観られると思ってワクワクして待った、今日の舞台。勘三郎さんの襲名披露公演を録画で何度も見て予習していたのだけど、空間も台詞も間合いも含めて、生の舞台は五感で味わうものだけに圧倒的に違う。まして贔屓の役者が長年待ち構えていた演目を初役で演じてくれることの嬉しさ増し増し。脳内麻薬が放出されまくって、多幸感に浸れた。
勘九郎さんの新三が懐手で柱にもたれかかって、解放したお熊を見送る場面、飛び抜けてギラついた目つきがポスター以上にエロかった。
もっと語りたいけど、今日はまだ興奮してて言葉が整理できない。。
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勘三郎ゆかりの演目+仁左衛門さんの持ち役が勘九郎さんの行き着く形のように思う。
今の年齢だと『女殺油地獄』の若旦那もできそう、殺されるのは扇雀さんで見たいかな。あと愛之助さんが最近やることの多い『夏祭浪花鑑』も勘三郎さん譲りで見たいなぁ。
勘九郎さん、勘三郎さんよりくっきりした悪になれる。仁左衛門さんの持ち役であるところの『桜姫』の釣鐘権助と悪に墜ちていく僧清玄、ぜひ七之助さんの桜姫で見たい。同じく『摂州合邦辻』の悪役の演じ分け。