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朝靄

冷蔵庫を開けた時のようなあの冷たい匂いがする
やわらかくてひんやりしたあの匂い

それが僕の鼻を通ると僕の目が開くようになっている
僕の目が開くと僕の手が窓を開けるようになっている
窓が開くとその匂いが僕の体を透して僕の部屋に挨拶をしに降りてくる

挨拶を交わすと僕達は手を振り合ってお互いに次やる事を言い合う
言い合う頃には僕達の距離はうんと離れている

そうやって一日を始めるのが日課なのだ、

僕の毎朝だ。




【泳ぐ水蓮と歩く金魚の鉢から】――――朝靄

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