本宮大輔は果たして本当に単純明快なわかりやすい熱血主人公なのか?をMBTIの観点から考えてみる!NFP型の恐ろしいポイントとは?
本日は最新号『新テニスの王子様』の最新号感想を書く予定でしたが、最近はどうもスーパー戦隊とデジモンの間を行ったり来たりということが多くて、正直この辺りNFPは大変気まぐれです。
というか、気まぐれな自分に対してすら無自覚であるのがNFPの実に恐ろしいところだなあと思ってしまうし、同時にだからこそ一度その魅力にハマると抜け出せないのでしょう。
いわゆる「沼る」「沼らせる」という言葉に一番相応しいのがNF型、INFPとENFPは一度虜になってしまうと簡単には逃れられないという恐ろしさがあります。
しかし、NFPに分類される本人たちはそれに対して無自覚だから、周りから「何故?」と問い詰められても「?」にしかならない訳ですよ。
それを改めて実感しているのが最近「02」の主人公・本宮大輔なんですが、彼って見れば見るほど本当に不思議な人物に映ってきて、彼をXで「単純熱血なバカ」と評する人があまりにも多すぎるというか、誤解されているんじゃいなと。
まあ思考の抽象度や感性が研ぎ澄まされていない人には彼の魅力なんて一生かかってもわからないでしょうが、私やアズマケイさん、さき姫さんみたいに感度が高い人になると本当に大輔の魅力にやられてしまいます。
太一が典型的なESTP(起業家)でわかりやすく「考えるよりも先に体が動く」を地で行く人だからというのもあるでしょうけど、それに比べると大輔って本当に「玉虫色」であり、本質は「奇跡」なのもわかるのです。
一言でこうだと魅力を定義できる人物じゃないのは確かであり、もし彼が単純熱血しているだけの通称「バカレッド」みたいな奴だったら私はここまでドツボにはハマっていないでしょう。
だからネットの掲示板とかで大輔をスーパー戦隊の「バカレッド(00年代に跋扈していた私が基本苦手・大嫌いなレッド)」に分類しているのを見ると腹が立ってきます。
「お前ら大輔の魅力何にも分かってねえくせに!」という潜在意識レベルでの怒りが込み上げてきますが、それも含めて思うのはINFP(仲介者)とENFP(運動家)って見た目と中身が意外と違うということです。
よく、無印を見た時に「太一が熱血に見えて冷静、ヤマトが冷静に見えて熱血」という評価が上がりますが、それは単に「見た目と中身が正反対でギャップがある」という程度だと思います。
大輔のギャップってその2人とは全く違うというか、意外とああ見えて怒りの導線や行動・言動の基準がわかりにくいので、年間を通しても「熱血漢」なんて陳腐かつ粗末な言葉ではその魅力は語れません。
ここでも語られていますが、NFPが怒る時って決して「理論・理屈」なんかではなく「負の感情の蓄積」で怒るため、滅多にその怒りが表出しない分溜まりに溜まった挙句に爆発したら最終段階です。
NT型のように徹底的に理詰めで論破して追い詰めてやろうだとか、SJ型のように相手をルールに従わせようとか、またSP型のように一発殴って相手の心を屈服させようとかいうのとは違います。
太一と大輔の大きな違いはまずここであり、太一って納得いかないことでブチギレるとすぐ手が出ますけど(冷静とか言いながら意外とこういうとこガキっぽくて脳筋)、相手が屈服したらすぐに拳を引っ込めます。
それはヤマトも同じで感情面でしっかり納得できたら元に戻りますが、大輔の場合は普段滅多なことでは怒らないし大抵のことは笑って許してるとこありますが、いざ自分の拘ってる部分に触れたらそこだけは絶対譲りません。
これは同じNFP型のINFPの松田啓人もそうで、啓人も大輔と同じで滅多なことでは怒らないし大抵のことを笑って許してますが、いざ自分のこだわってるところや自分の思う正義を傷つけられたら絶対許さないのです。
NFJ型の天使組や賢と違うのはJの場合は判断基準が明確だからまだ一貫性があって感情の起伏が見えやすいですが、Pの場合はその基準すら気まぐれだし外からは見えないので周りからすると変人に見えてしまうのでしょう。
この動画では更にNFP型の特徴・魅力を深掘りしてくれている訳ですが、個人的に特に強く共感できたのが「NFPは人に優しいのではなく、人に優しくしている自分が気持ちいい。でもその「気持ちいい」ことに対する自覚すらない」というところです。
例えば賢を説得する下りとかドラマCDのなっちゃんに寄り添うくだりとかを見ればわかりますけど、彼が賢を説得するシーンに対して心から共感できる人って全MBTIの中でも同じNFP型しかいないんじゃないでしょうか。
普通に考えたら大輔がそんなに深くない関係値の相手に対してあんなにグイグイ説得しにかかる方がおかしい訳です、同じような悩みを抱えている天使組や伊織には全く寄り添うところを見せないのに。
けど、これがNFP特有の「自分に対してきちんと向き合っている時限定で優しくしてくれる」という心理機能というか潜在意識の表れだったとするなら全てに説明がつくのです。
それこそ松田啓人は更なる力を求めて怒りを増幅させてメギドラモンへ暗黒進化させていましたが、あれも大元は想い人・樹莉のパートナーであるレオモンを弄ぶベルゼブモンに対する怒りでした。
そしてその怒りが理性的な怒りではなく「加藤樹莉を想い続けている自分が気持ちよくて、その心地良い感覚を不当に傷つけられ脅かされたから」という非常に抽象的で曖昧ながらも強い怒りだったらとするなら納得です。
単純に樹莉やレオモンという身近な人を傷つけられたというだけではなく、自分のコンフォートゾーンを侵された不条理から来る怒りでああなったということになります。
だから、INFPにしろENFPにしろ、NFP型って決してその心理機能が他の種類の人たちからすると理解されることはなく、表面上はシンプルで寛容に「見えるだけ」ではないでしょうか。
43話の冒頭で突然大輔がみんなを励まして驚かれ、挙句にそれを太一に褒められて照れた時に京が「単純バカ」と言っていましたけど、本当に単純バカだったらもっとその喜びを全身で表現してもいいはずです。
しかし、大輔はただ照れただけですからSJ型の京には大輔の内面は単純なように「見えていただけ」であり、あれも結局は「褒められる自分がどこかで気持ちがいいから」というのがあるのでしょう。
以前に私はENFPを「承認欲求の塊」と評したことがありますが、その承認欲求とは安易な「強くなった自分を認めてもらいたい」ではなく「他人に優しくしている自分が気持ちよくて、それを他人に認めてほしい」ということだと言えます。
アズマケイさんはそんな大輔を自身の小説で「ご都合主義のような理想主義」「ナルシスト」とも評していましたが、大輔本人はその感覚すらなく無意識のうちにやってしまっているのが恐ろしいところです。
これは私もそうで、私もよくネットでは「なんかあいつの言い分って一貫性がありそうでない」とか「命の扱いが厳しい「鬼滅」は批判する癖に命の扱いが軽い「ドラゴンボール」を褒めるダブスタ」とか言われます。
確かに世間一般の価値観・常識・道徳・倫理とかいう観点で見ていればそのように見えるのでしょうけど、私の場合は単純に作品を見て「心地いいかどうか」が判断基準になっているのです。
逆に言えば「心地いい」という感覚に浸れないような作品はたとえどれだけ客観的評価や知名度が高かろうが無用の長物であって、しかしながら作品を実際に評価する時にはそういう感覚すらないありません。
大輔もきっと同じような感覚で「自分にとって心地良いと感じているかどうか」が大事なのであって、そこに光とか闇とかは全く関係ないし、誰に対しても無条件で寄り添うわけではないことを覚えておくといいでしょう。
実際に私が今お世話になってるメンターが正にENFPで大輔みたいな人なんですけど、側から見たら物凄く優しくて温和・寛容に映ってる反面物凄い気分屋で好き嫌いが私と同じくらい激しいです。
寛容に見えて身近に関わる人は厳選されていてものすごく人を見る目がシビアだし、間違っても博愛主義だとか平等公平とかではないので、関わるとついていくのは結構大変です。
太一よりもある意味で大変というか、太一の場合はちゃんと自分に従ってついてきてくれるようなスキルと実績を持った人を仲間だと思うのですけど、大輔の思う「仲間」はそれとは全く違います。
大輔が思う「仲間」と言える人はおそらく自分が心の底から気持ちいいと思える人で、実績じゃなく好感度で全部が決まってくるのが周りからしたら不安定であやふやに見えてしまうのでしょう。
少なくとも「同じ組織にいるから無条件で仲間」という感覚はNFP型の人にはありませんし、むしろ私なんかはそういう「同じ組織にいるから」論が物凄く大嫌いです。
だって、小学生の頃に毎週水曜日の昼休みにやっていた「クラスのみんなで親睦を深めよう」というどうでもいい名目のドッジボールやサッカー、野球などのイベントすら全く参加しなかったほどですから。
自分が心地いいと感じられない集団や組織っていたって無駄だし、それだったら一人であれこれ思索を深めたり趣味に没頭したりする時間の方がよっぽど有意義だと思ってしまいます。
そしてそれを周囲には押し付けません、ただ自分の好きにやった結果としてまるで「押し付けている」ように見えるだけなのです。
だからそう考えると「02」って実に恐ろしいところで、大輔にとって本当の「味方」「仲間」と言えるのは精々一乗寺賢か「Vテイマー」で共演した同じ古代種戦闘種族ブイモン系列のタイチくらいでしょうね。
逆に言えば同じ「選ばれし子供」でありながら大輔自身は表面化しない孤独を抱えていて、だから「奇跡のデジメンタル」を操れる「神メンタル」の子なのだろうなと思うのです。
そんなデジタルワールドからしたらイレギュラーの塊みたいなチート、デーモンら暗黒が狙わないわけがないしベリアルヴァンデモンの精神攻撃程度では倒せないでしょうね。
何せアーマゲモンやウッコモンレベルの危険なデジモンですら大輔とブイモンは倒せなかったのですから、そりゃあ誰も敵うわけがないと納得してしまいます。
ということで、またもやMBTIを題材としたデジモン考察ですが、自分で言うのもなんですけど全16種類あるMBTIの中でもINFPとENFPは理論的な見地からの考察が一番難しいでしょう。
あらゆることを無自覚にやってしまっていて他の人にはそれが理解できないから、敵も無自覚に多くなるし掻き乱しているようにも取れてしまいます。
しかし、動画で言われているように「悪人」と呼ばれるような人がいないのは事実であり、少なくとも大輔はバカレッドのような「結局バカが許される」とは違うのではないでしょうか。
そこに対する理解がきちんとあるかどうかで「02」というか本宮大輔の評価は異なってくるのではないかと思います、沼ったらどこまでも危険な男です。