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優秀な人の特徴「逆算思考」は、子育てでは逆効果?〜「肩の力を抜いて」と言われないために〜

こんにちは。日向夏(ひゅうがなつ)と申します。

私は現在とある地方で公務員をしており、そのなかでこどもに関する相談を受ける業務を行っています。

今回の記事は、そんな私がふだん相談を受けている中で、保護者の方にあまり積極的には言わないように気をつけていることについてお話しします。

言わないように気をつけていること,それは「もっと肩の力抜いていいんじゃない?」です。

じっさい相談を聞いていると「お母さんとっても頑張っているけれど,そんなふうにしていたらそりゃ疲れちゃうよ」と思うことがあります。

いわゆる「完璧主義」を思わせる真面目さ、丁寧さで、人格的にはとても尊重できるのですが、こと子育てに関しては「こどもはそんなにうまくいかないから、もっと肩の力抜いてみて!」と言いたくなります。

でも、きっとそんなアドバイスは一般の方でも言えますし、実際ちょっと的外れになることもあるため、相談者が「結局ここでも同じか」と信頼を失わないよう、私はなるべくですが直接的にそういったアドバイスはしないようにしています。

ここではそこから一歩踏み込んで、多数の相談を受けてきた私の見地からその解決方法を考察していきます。

私の経験としては,「肩の力を抜いて」と言われてしまう人は、実際には「細かいことを気にしすぎる人」というわけではなく、むしろ「仕事を効率的に処理できる脳をもっている人」が多いように感じています。

具体的なことを、以下で解説していきます。

※今回の記事は、小学校低学年くらいまでのお子さんがいる家庭を想定して作成しております。


まず、アドバイスする側の立場としては、相談者に対し「こどもを完璧にコントロールすることはできないよ」「気にしすぎても疲れるだけだよ」ということを伝えたいのだろうと思います。

それは、相談者からの話の内容が例えば「寝てくれない」とか、「ご飯を食べるのが遅い」とか、一部の状態を切り取って話をされるから、それに対する回答として、「こどもってそういうもんだよ」とお話しされるということだと思います。

一方、相談した人の立場として、そのように返されたときに思うのは「そんなこと分かってる」とか、「つらさを分かってくれない」になるのではないでしょうか。

相談している方はまさに今子育ての大変さに直面していて、こどもが思いどおりにはならないことは、身をもって理解しています。

また、現代ではスマホ1つで簡単に情報を手に入れられるため、みなさん色々と調べて対策を講じてきています。

それでもそのような悩みを持つのは、私の経験上、その人が「逆算思考が得意な人」の場合が多いと感じています。

逆算思考とは、必ずやらなければいけないタスクを洗い出して、それを頭の中で順番を組み立てていくこと。つまり、その日のタイムスケジュールを組み立てることです。

仕事ができる人などはこの逆算思考が得意な傾向にあり、特に意識しなくても当たり前のように予定を組み立てることができるようです。

そして、「完璧主義」と言われる人の多くは、立てた予定に追われてしまい、その予定が崩れてしまったときやうまくいかないときに追い込まれていくような感覚になり、気持ちの面でストレスを感じてしまっているのではないでしょうか。

逆算思考が得意で頭の回転が速い人ほど、息をするかのように当たり前にやってきた「予定をたてる」ということが、自分自身を苦しめてしまうことになるのです。

しかし、やらなければいけないことは、当たり前ですがやらなければなりません。

そこで私がオススメしたいのは、次の2つです。

  1. タスクを少なめに設定し、あまった時間があれば優先度の高い順番から片付ける

  2. こなせなかったタスクを挽回しようとせず、次のスケジュール組み立ての時に改めて組み込む

子育てをしていると、「あれもこれもしたいのにできない!」という経験はだれしもあるかと思います。

しかし、現実には時間が足りず、なかなか手をつけることができません。

さらに予定外のことで思いどおりにいかないと、この先の見通しが立たず、追い詰められていくような感覚になってしまうかもしれません。

そのため、追い詰められないために、「やらなければならないこと」の優先順位の下位にくるものは、思い切って先にスケジュールから外しておいてみましょう。

自分の都合でスケジュールが立てられない仕事のことを私たちの業界では「他律的業務」というのですが、子育てはまさに他律的業務です。

他律的業務が多い職場の場合、基本予定外の対応が入ることを想定して,ある程度余裕をもったスケジュールを作成します。

他律的業務が重なると基本の業務が滞ってしまうのですが、それを防ぐことはできないので、あきらめて受け入れるしかないのです。

しかし逆に、スケジュール的に余裕が生まれるタイミングもありますので、いざそのときになったときに,やりたかったことを優先度の高い順からこなしていきましょう。

また、同じ理由から、予定が狂ったときにそれをすぐに取り戻そうとすると、かなりの身体的、精神的なストレスがかかってしまいます。

子育ては何年にもわたって続くもの。短期的な問題解決よりも、長期的な継続能力の方が重要です。

どちらかを選ぶしかないというときは,これもストレスがかかることではありますが、一度スケジュールを完全に分解し、その上で改めて組み立てていく方が、総合的にみると心身へのダメージは少なくなるのではないでしょうか。


おわりに

すでに述べたとおり、「完璧主義」と言われてしまう人の多くは、実際には「細かいことを気にしすぎる人」というわけではなく、「先を見通す力があり、逆算思考ができる人だからこそ,その時々で譲れない事情に対応している人」だと私は感じています。

私目線で見ると、話の全体をゆっくりと聞いていくことでこういった事情が明らかになっていくため、安易に「肩の力を抜いて」と言わないようにしているのは,そういった側面もあります。

この記事を読んであてはまると感じる人がもしいらっしゃいましたら、ぜひ参考にしてくだされば幸いです。


最後まで御覧いただき、ありがとうございました。

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