京大短歌30号

京大短歌30号、発売となりました。
文芸フリマや書店にてお買い求めいただけます。

お堅いのはここまでにして、改めまして、早瀬はづきです。無事に目標としていた12月の東京文フリまでの発行を果たすことができて一安心です。今回の会誌も盛りだくさんの内容になっています。わたしが関わっているものを紹介しておきます。

15首連作『ましろき指』

 会誌連作に着手したのは7月末でした。そのときは口語新かなの連作の予定で、表題歌まで決めていたのですが(『火を見れば』という仮タイトルでした)、その作業中に『花冠を』の表題歌を思いついてしまったため、急遽、歌壇賞のための30首連作の作業を始めました。今回の歌壇賞には出さないつもりをしていたんですが。その流れで会誌連作も文語旧仮名で書いちゃいました。作中に一つ香水が出てきますが、文芸フリマでわたしが売り子をしているタイミングでご購入された場合、その香水を試せるようにしておきます。ずっと短歌にしたかった香水なので、やっと一つ使命を果たせた気がします。

記念座談会『韻律のゆらぎー学生短歌のいま』

 京大短歌も30号で、キリ番ということで何か大きい企画をすることになりました。そこで企画案として上がったのが、京大短歌OPでかつ歌人として活躍していらっしゃる方々と、いまの学生短歌がどう見えているのかについてお話をしたい、というものでした。そこから流れで企画・司会・書き起こしを担当することになり、自分のキャパに自分で驚いている次第です。座談会では大きく分けて、韻律の話・結社とSNSの話・賞の話の3つの話をしています。わたしは韻律のセクションがお気に入りなんですが、他もなかなか聞くことのできないお話を聞けると思いますので、ぜひ。

題詠しりとり

 京大短歌会誌名物(?)、神がかった企画力の賜物です。去年のMIMIC歌会、ゼロ語摘み・改に引き続き、今年は題詠しりとりという企画を行いました。絵しりとりの短歌版を想像していただけるとわかりやすいと思います。短歌があって、その題を予想して、予想した題のおしりの文字からはじまる題を設定し、短歌を作るのを繰り返します。会誌の校正で初めて答え合わせができたんですが、それは無理だろ!というのもいくつかあって実際やっているときと答え合わせのときとで二段階におもしろかったです。みなさんもぜひやってみてください!

実景なくして幻想なし/川野芽生『Lilith』評

 今年も歌集評を書きました。ほんとうは句またがり論を書く予定だったんですが、9月10月とわたしのメンタルが不調だったため、歌集評に変更させていただきました。強いタイトルですが、一言でまとめると、幻想を立ち上げるためにはその基盤として実景や実世界が必要だよね、という話です。実作にも効いてくる内容だと思うので、気が向いたらこちらにも目を通していただけると幸いです。(本文中に『Lilith』の評であることが明記されていないとの報告を受けていますので、こちらのnoteをもって補足とさせていただきます。)

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