繊細なひと
最近話題になっている「HSP(Highly Sensitive Person)=ハイリー・センシティブ・パーソン」という言葉。生まれつき「非常に感受性が強く敏感な気質もった人」という意味で、統計的には人口の15%~20%。5人に1人があてはまるそう。(わりといるんだね。)病気ではなく、あくまで「気質」「性質」とのこと。
最初に耳にしたときは特に気にしていなかったが、たまたま見た朝のワイドショーで10項目くらいのセルフチェックをやっていて、へえ、と思って見ていたら、あれよあれよ、ほとんど当てはまるではないか…!おかげさまでびっくり目が覚めた。
「自分はなんてグズでのろまでまぬけなんだ」とマンガのセリフみたいに繰り返し思っていたことを、それは生まれつきなんですよ、と言われたとて、だからどうなんだい、というのが本音だけど、こう感じているのは自分だけではないんだと知ること、「性質なんだ」と認知することで少しは前向きになれるのかもしれない。
HSPのセルフチェックには「外部からの刺激に敏感」という項目がある。人前に立つことを自らやっているが、プレッシャーに弱い。できれば他人の視線はあまり浴びたくない。さらには、まぶしい光や大きな音が苦手だ。幼いころは花火の音が怖かったし、運動会のピストルは今でも怖い。ジェットコースターも乗れない。痛いことは嫌いだし、暴力的な映像は極力見たくない。拳銃を突き付けられるシーンで目をつむるほどだ。とにかく、スリルはいらない、心の安定・安心を常に求めている。
2年程前に、地元の500人キャパのホールでコンサートをさせてもらったことがある。バンドのお客さんはもちろん、親族から実家の近所のおじちゃんおばちゃん、保育園や小学校の同級生や先生、「自分の周り」の皆さん総出で見に来てくれた。公演が終わって、何十年ぶりかに再会した小学校の養護の先生に「なっちゃん、こんなことできる子やったっけ?むしろ(人前に出るの)苦手やったのになあ。」と驚かれたのをすごく覚えている。小学校なんて何も考えずに毎日楽しく過ごしていたと思っていたから、そう言われて、小学校の頃の自分はそんな風見えていたんだと驚いた。
そういえば、小学生のころ、実家の液晶テレビが、レコーダー電源とテレビ画面の電源の2つを付けないと映らないようになっていて、うっかりレコーダーだけ切って、画面はつけっぱなしになっているということがよくあった。画面に何も映ってないし、音声も出ていないが、きっと電化製品特有の電磁波みたいのが出ていて、「ただいまー」と玄関を開けたときに、「テレビつけっぱなしだな」とわかる能力があったのを思い出した。
あれ、もしかしてもしかして。自分は蕎麦と豆腐が苦手なのだが、人にそれを話すとよく驚かれる。「蕎麦も豆腐も味や舌ざわりが苦手で…」と話すと、「蕎麦と豆腐に味なんてある?考えたことなかった。」と返ってくることがとても多い。みんな豆腐の味は感じないものなの?(関係なかったらすみません。)
ただ、刺激というのは悪いことだけではない。田舎でのっぺりしていた脳みそを刺激するべく上京してきたのだから、籠ってばかりではいけない。
音楽や映画、芸術、エンターテインメントの分野に大いに惹かれるのは、それらに良い刺激を受けていると感じるからであり、そしていつまでもそれを感じ取れるようにありたいから、人生を通して何かしら関わっていきたいと思っている。
先日友人とランチで2,000円の海鮮丼を食べた。それはそれは美味しかったので、これはどこ産のイクラなんだろうとか、そもそも酢飯の米が美味しいなとか、ちなみに人が美味しいと感じるのは味覚全体が刺激されたときなんだよとか、食べながら考えていることをあれこれ話したら、「いろいろ考えすぎじゃない?美味しいは美味しいでいいじゃん!ちょっと心配になるわ。」と言われた。
言われてみれば考えすぎなのかもしれないけど、わたしは考えることが好きなのだ。好きだから考える。だからnoteも書く。無理はしない。休む。そうやって自分とうまく付き合っていけたらいいなと思う。
「仙台の心療内科・精神科・美容内科マドレクリニック」さんのHPを参考にさせて頂きました。
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