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容器の再利用を促す販売プラットフォーム「Loop」とは

近年注目されている廃棄容器の削減。

SDGsへの取り組みが叫ばれる中、容器の再利用はまだまだ進んでいない現状です。しかし、「捨てるという概念を捨てよう」という理念でその課題に切り込むソーシャルエンタープライズ「テラサイクル」が、Loopというショッピングプラットフォームを新たに展開したことで、そんな状況に変化が見られるかもしれません。

「食品表示のミカタ」「ミカタ倶楽部」事務局では、そんなLoopについてご紹介を行います。


Loopとは

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画像引用:https://news.nissyoku.co.jp/news/original2020012403

Loopとは、再利用可能な「耐久性のある機能満載なデザイン」の容器を使った循環型ショッピングプラットフォームです。

テラサイクルが提供するこのプラットフォームでは、商品は全てガラスやステンレスなどの耐久性の高い容器を使っており、通い箱で容器を配送・回収する仕組みを採用する。牛乳瓶などの仕組みを思い浮かべていただければイメージしやすいと思います。

業者側にとっては、軽量化というメリットを捨てることで容器製造にかかるコストは上がりつつも、容器の再利用を重ねることでその累計コストは割安になるという仕組みです。

ユーザー側にとっては、「使い捨てをしてしまっている」という罪悪感を感じずに消費を行えるだけでなく、温度維持・鮮度維持などの機能面での品質向上・リッチで重厚感のあるデザインなど、消費行動の付加価値向上にも一役買っています。

東京都が初の行政パートナーとなったり、イオンが2021年からパートナーシップ契約をスタートさせたりと、まだまだ拡大段階ではありつつも、いずれ一般的な仕組みとなる日も近いかもしれません。


Loopの事例

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画像引用:https://loopjapan.jp/

ハーゲンダッツ:
「通常の容器は中身が冷たすぎる」「中身が溶ける」という問題を新たな容器で解決。再利用可能な2重構造のステンレス容器を使うことで、容器コストの削減だけでなく、「持ちやすく・溶けにくい」の知覚価値を向上させることにつながっています。

イオン:
イオンは、メーカー各社からLoopのプロジェクトへの自主参画を募り、リユース容器を活用した商品の販売をイオン・イオンスタイルの中で販売し、Loopプロジェクトの拡大に寄与しているとのことです。


Loopが示す可能性

Loopは、あくまで容器の再利用を促すプラットフォームであり、メインはコスト削減・世界全体での廃棄量削減などを目的としています。

しかし、プラットフォームが構築・流通が増えたことで、「軽量化以上の付加価値を与えるために、容器の機能性やデザイン性を向上させる」「容器再利用が不可能だと思われていた商品の形態変化」など、新たなイノベーション・新たな可能性が生まれる場所となっています。

我々も、これからの食品メーカーとして、「使い捨て容器を使う物流」を当たり前として商品を企画製造するだけでなく、「使い捨てしない物流」を前提として新たな視点で付加価値を向上させる商品を企画してみるべきかもしれません。


参考記事:
https://loopjapan.jp/
https://news.nissyoku.co.jp/news/original2020012403
https://sustainablejapan.jp/2019/12/14/aeon-loop-10x20x30/44637

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