不良が減ったのはなぜ?令和のヤンキーどこに行った?
皆さん、最近、不良やヤンキーが減ったと思いませんか?
「不良が減ったのはなぜ?」「不良はどこにいったのか?」と思っている中高年の皆さんも多いでしょう。
ちなみに東京都内では明らかに不良っぽい若者を見かけることはなくなりました。北関東の田舎や沖縄ではまだ生息しているようですが、衰退していくことは明らかでしょう。
しかし、不良が減ったのはなぜなのでしょうか?令和現在、不良はどこにいったのでしょうか?
不良が減ったのはなぜ?3つの理由
●理由①:ダサいから
一番大きな理由は、「暴力=カッコ悪い」「ヤンキー=ダサい・モテない」というイメージが世の中に広く広まったのが良かったのでしょう。
つまり、社会の価値観が変化したのです。もう「悪いのがカッコイイ」という時代ではありません。
社会の自由化・リベラル化が進むにつれて、暴力や反社会的な行動に対する社会の評価が大きく変化してきました。特に2000年代以降、若者の間で「暴力的な振る舞いはカッコ悪い」という認識が急速に広まっていきました。これは単なる道徳的な価値判断の変化というだけでなく、社会全体の価値観の転換を反映したものだといえます。
この変化の背景には、いくつかの社会的要因が存在します。まず、情報化社会の進展により、若者たちが自己表現や社会との関わり方について、より多様な選択肢を持つようになったことが挙げられます。SNSやインターネットの普及により、物理的な力や威圧的な態度ではなく、知識やコミュニケーション能力が重視される文化が形成されていきました。
また、教育現場や家庭における暴力への意識も大きく変化しました。かつては「男らしさ」の象徴として一定の理解を示されていた暴力的な振る舞いが、次第に「教養のなさ」や「コミュニケーション能力の欠如」の表れとして否定的に捉えられるようになっていきました。
特に注目すべきは、恋愛や結婚における価値観の変化です。若い女性たちの間で、暴力的な性格や反社会的な態度を示す男性は「モテない」「付き合いたくない」という認識が定着していきました。これは従来のヤンキー文化が持っていた「男らしさ」や「カッコよさ」というイメージを大きく損なう要因となりました。
かつては暴力的なヤンキーを主人公とした漫画や映画が人気を集めていましたが、現代では知的な魅力や優しさを持つキャラクターが主流となっています。この変化は、社会の価値観の変化を反映すると同時に、さらなる価値観の変化を促進する要因ともなりました。
従来の不良の価値観や行動様式は、もはや時代遅れのものとして認識されています。代わりに、知性や教養、コミュニケーション能力、社会への適応力といった要素が、若者の間で重視されるようになっています。
物理的な暴力や反社会的な行動を美化する風潮が減少したことは、社会の発展における重要な一歩だと評価することができます。
●理由②:取り締まりの強化
2013年頃からヤンキーや暴走族の取り締まりが強化されたことも大きいでしょう。
この時期に取り締まりが強化された主な要因として、「社会のホワイト化」が進んだことにより、地域住民からの苦情の増加が挙げられます。
特に深夜の暴走行為や路上での集会による騒音被害、さらには一般市民への威圧的な行為などが社会問題として認識されるようになりました。警察庁は、これらの問題に対する市民の不安や不満の声に応える形で、段階的に取り締まりを強化していきました。
取り締まりの強化は、まず道路交通法の厳格な執行から始まりました。特に暴走族に対しては、違法な改造車両の取り締まりを徹底的に行うようになりました。マフラーの違法改造や車両の過度な低床化など、保安基準に適合しない改造を施した車両への取り締まりが強化され、摘発件数が顕著に増加しました。
同時に、集団での暴走行為に対する警察の対応も変化しました。従来は事後的な対応が中心でしたが、この時期からは事前の情報収集と予防的な警戒活動に重点が置かれるようになりました。SNSなどのソーシャルメディアを通じて集会の情報を事前に把握し、警察が要所に配置につくことで、暴走行為を未然に防ぐ取り組みが強化されました。
さらに、暴力団対策の一環としても取り締まりが強化されました。若年層の暴力団への加入を防ぐため、ヤンキーグループと暴力団との接点を断つことに重点が置かれました。警察は、暴力団関係者とヤンキーグループとの接触を監視し、未然に防止する活動を積極的に展開するようになりました。
地方自治体レベルでも、様々な対策が実施されるようになりました。青少年育成条例の改正や、深夜のたまり場となっていた公園や駐車場などへの監視カメラの設置、街灯の増設など、環境面での対策も進められました。また、コンビニエンスストアやファストフード店などとの協力体制を構築し、若者の深夜徘徊を防ぐ取り組みも強化されました。
また、この時期には取り締まりの手法も進化しました。防犯カメラの高性能化やナンバー自動認識システムの導入により、違法行為の証拠収集が容易になりました。これにより、検挙率が向上し、より効果的な取り締まりが可能となりました。
さらに、地域コミュニティとの連携も強化されました。住民ボランティアによる防犯パトロールの実施や、地域の防犯ネットワークの構築など、地域全体で非行防止に取り組む体制が整備されました。これにより、警察だけでなく、地域社会全体で問題に取り組む体制が確立されていきました。
この一連の取り締まり強化は、着実な成果を上げていきました。その結果、現在では暴走族やヤンキーの存在感は大きく低下し、より安全で平穏な社会の実現に寄与しているといえます。
●理由③:少子化
少子化でそもそも若者自体が減っていることも理由に挙げられます。
刑法犯少年の検挙状況を見ると、比率ベースで昭和58年頃と比べると1/2以下になっていることがわかります。しかし、実数ベースで見ると1/3以下まで減っているのです。これは若者自体が減っていることが大きいです。
日本における少子化の進行は、1970年代以降、着実に進んでいます。合計特殊出生率は長期的な低下傾向を示し、若年人口の絶対数は大幅に減少しています。この人口構造の変化は、必然的に少年犯罪の発生件数にも影響を与えることとなりました。
具体的な数値で見ると、14歳から19歳までの年齢層の人口は、1990年代と比較して現在では約半数近くにまで減少しています。この人口減少は、単純な統計上の犯罪件数の減少に直接的な影響を与えています。つまり、仮に若者の犯罪性向が変化していなくても、母数となる若年人口の減少により、犯罪の絶対数は必然的に減少することになります。
また、少子化による社会構造の変化も、間接的に犯罪発生に影響を与えています。核家族化の進行と少子化により、一人の子どもに対する親の関心や教育投資が増加する傾向にあります。これは子どもたちへの監督や指導が以前より密になることを意味し、結果として非行や犯罪に走るリスクを低下させる要因となっています。
不良はどこにいったのか?安心してはいけない!さらなる取り締まりを
日本は着実に綺麗で安全な国になってきています。これは大変喜ばしいことであり、文明の勝利と言えるでしょう。
実際に日本では犯罪が激減しており、現在は直近100年で最も安全な社会になっています。世の中は確実にホワイトでクリーンになってきていますし、犯罪も激減しています。
しかし、僕はここで安心してはいけないと思います。
未だに犯罪を行う者は存在します。不良やヤンキーがいなくなっても、「不良気質の悪人」はいまだに世に存在するのです。
かつて暴力団が淘汰されて不良やヤンキーが相対的に勢力を増したのと同じように、今不良やヤンキーが淘汰されて別の形に変わっているのです。「ヤンキーはどこにいったのか?」の答えがここにあります。
その一例が以下のような存在でしょう。
●SNSの反知性主義
●反グレ
●トー横キッズ
●闇バイト
人の文明は高度に発展し続けていますが、その世の中の流れについていくには知性や知能が必要になります。現代では「普通」の基準がどんどん上がっていっているのです。つまり、頭が悪い人は置いてけぼりになってしまうのです。
ヤンキー文化や不良やツッパリは頭の悪い人の受け皿になっていた面もあるのです。頭が悪くて世の中の高度な話についていけなくても、ヤンキーという文化に所属することで、居場所と人との関わりと尊厳を得られていたのでしょう。
不良が街から消えても、頭の悪い人が消えるわけではありません。頭の悪い人達は、また別の形で社会に現れ、社会に迷惑をかけるのです。
居場所がない彼らには同情すべき面もありますが、それは犯罪行為や迷惑行為により他人に迷惑をかけ社会の治安を乱して良い理由にはなりません。
近年、社会問題として深刻化している「半グレ」と呼ばれる反社会的集団や、違法な「闇バイト」への若者の参加は、社会の安全と秩序を著しく脅かしています。これらのグループは、伝統的な反社会的勢力とは異なる形で、巧妙な手口を用いて様々な犯罪を展開しています。
特に特殊詐欺の分野では、高齢者を標的にした還付金詐欺や架空請求詐欺、オレオレ詐欺などを通じて、被害者の人生設計を根底から覆すような深刻な金銭的被害を引き起こしています。詐欺グループは、若者を実行犯として巧みに取り込み、「簡単に稼げる」という甘い言葉で誘い込んでいます。
これらの犯罪組織は、SNSやインターネットを活用して匿名性を確保し、証拠を残さないよう周到な準備を行っています。また、未成年者を実行犯として利用することで、刑事責任を回避しようとする悪質な手口も見られます。被害者の多くは高齢者であり、一度被害に遭うと生活基盤を失うほどの深刻な影響を受けることも少なくありません。
闇バイトに関しては、SNSを通じた違法な仕事の斡旋や、危険ドラッグの売買、不正な個人情報の取引など、様々な違法行為が横行しています。特に若年層を対象とした勧誘が活発で、「簡単に稼げる」「リスクは少ない」などと誘い込まれた若者が、知らず知らずのうちに重大な犯罪に加担してしまうケースが後を絶ちません。
このような問題に対処するためには、まず警察による取り締まりの強化が不可欠です。サイバー犯罪対策部門の拡充や、特殊詐欺に特化した捜査チームの編成、そして若年層の更生支援プログラムの充実などが求められます。特に、犯罪組織の中枢にいる首謀者の検挙と、その資金源の遮断に重点を置く必要があります。
また、予防的な観点からは、教育現場での防犯教育の強化も重要です。特に、若者が安易に闇バイトに手を出すことを防ぐため、その危険性や法的責任について、具体的な事例を交えながら啓発活動を行う必要があります。同時に、正規の就労支援や職業訓練の機会を充実させ、若者が健全な形で社会参加できる環境を整備することも重要です。
法制度面では、これらの犯罪に対する罰則の強化や、犯罪収益の没収・追徴に関する規定の整備も必要です。特に、組織的な犯罪に対する厳罰化や、犯罪による利益を確実に剥奪する仕組みの構築が重要となります。また、若年層の更生支援と再犯防止のための制度整備も急務です。
犯罪が激減し治安が良くなっているのは事実です。不良やヤンキーを街で見なくなったのも良いことです。
しかし、僕らは安心してはいけないのです。社会の秩序と知性を守るために、戦い続ける必要があります。
反社会的行為は、社会の健全な発展を阻害する重大な脅威であり、その撲滅に向けては社会全体での断固とした対応が求められます。