陸のさかな 3
いろんな魚と話をしたせいか、少し疲れたわたしはもりのなかへ泳いでいった。
すると、なんとわたしが会いたかった大きな魚が目の前にいるではないか。
わたし「なんでここにいるの?ここはガラスのなかのはず。あなたはいつもガラスの外にいるでしょう?」
大きな魚「ガラス?なんのことだい?ガラスなんてここにはないんだよ」
わたし「どういうこと?わたしはいつもあなたに会いたいと思っていたのよ。でも、ガラスの壁がジャマをするの」
大きな魚「だから、ガラスなんてないさ。だって、僕はここにいるんだもの」
わたし「じゃあ、わたしは一体何を見ていたんだろう」
それからわたしは大きな魚とたくさんのお話をした。陸の話、海の話、家族の話、夢の話…
楽しい時間はあっという間に流れていく。大きな魚とまた会う約束をしたわたしは自分の貝へと帰っていく。
とても楽しい気分だった。そして、ガラスの壁はいつのまにかなくなっていた。
完