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「冒険」~~卒業式の日に

●冒険


         北山修(きたやまおさむ)作詞作曲・牧葉(まきば)ユミ歌
 
 みだれたこの世を何とかしようと
 家を飛び出したのは5年前
 わずかなお金をポケットに押し込み
 リュックサック入れ 乗り込む貨物列車
    広い地球のこの上で何かできるさボクだって
 貨物列車に揺(ゆ)られ空を見上げたとき星も輝いていたキラキラと

 都会に出たけど落ち着くとこもなく
 うろうろしていたら彼女に会った
 きれいな瞳(ひとみ)の長い髪の娘
 二人過ごした夜にボクは言った
    広い地球のこの上で何かできるさボクだって

 結局できたのは5人の子どもだけ
 でもまだ終わらないこれからさ これからさ

―― ボクの<冒険>は大学卒業から始まった。
就職して両親から離れて一人暮らし。
あれから45年近くたっている。
「中学校のせんせい」というお仕事は,初めはつらいことが多かったけれど,今ではけっこう毎日楽しくやっている。
「広い地球のこの上で何かできる」シアワセを感じていられる。

一人でいる時につらいことがあったときは,何度もくじけそうになった。
その時に不思議と思い出されたのがこの歌だ。
「でも,まだ終わらない。これからさ」
繰り返し繰り返し自分に言い聞かせて,踏みとどまった。 

あなたは,
これから大人になるにつれて,楽しいことにいっぱい出会えるだろう。
だけど,力が十分につくまでにはつらいことや投げ出したくなるときが,
きっと,たくさんたくさんあるはずだ。
そんなときにこの歌を思い出して欲しい。
そして,「でも,まだ終わらない。これからさ」と呟(つぶや)いて,
踏ん張って欲しい。

人間どんなときでも決して「これで終わり。もうダメ」なんてことはない。「始めよう」「やり直そう」と心に誓(ちか)ったその時から,
「いまから・ここから」新しいスタートを切ることができる。
ボクは,そうだった。あなただって,きっと。

          明日2019年3月12日
       あなたの新しい〈冒険〉が始まります。
      あなたの笑顔が輝くような何かを発見する旅に
         胸を張って踏み出してください。

● 保護者のみなさまへ
お子さまのご卒業おめでとうございます。
至らない所がまだまだ多い担任だったかもしれませんが,
子どもたちは立派に成長してくれました。
保護者のみなさまのご理解とご協力に感謝します。
また,「紙風船」のご愛読ありがとうございました。
―― 以上です。

ボクは卒業式の日に発行する「定番」です。
式を終えて教室に戻ってきた生徒たちとの,最後の「授業」。
ボクが読み上げます。
そして…『冒険』を歌います。
日頃,そんなことをしない人なので,子どもたちはビックリ。
みんな笑顔で手拍子を送ってくれます。

ボクは「卒業式」を涙で終わりたくない。
この日を「終わりの日」にしたくない。
子どもたちが,新しい人生に向かって旅立つ「門出の日」にしたいのです。

そんな思いを込めて書いています。


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