読書メーター〜2024年3月に読んだ本〜
3月は、自分としては、結構頑張って6冊読みました。
というか、どれも読み始めると止められないような、引き摺り込まれた感のある本でした。
1. 神と黒蟹県|絲山 秋子
全然、この作家さんのことなど予備知識もなくて、なんだろう、どこかで拾い読みした書評で見つけたのかな?
こういう、架空の話、大好きです。
ちょっと恥ずかしい話ですけど、子供の頃から架空の野球チームとか、電車とか、考えるのが好きでした。野球チームは、架空のリーグ考えて、6つぐらいのチーム考えて、ユニフォームのデザインも考えて、選手名鑑も作ったり。
最終的に、当時持っていたMSXの「野球狂」ってゲーム、これに入力したりして、誰に見せることもなく、一人遊んでいたんですよね。
この本の話に戻りますが、面白いのがそれぞれのお話の最後にある「黒蟹辞典」。実在するものは「実」、架空のものは「架」となっていて、読んでいるうちに「ああこれは多分架空の固有名詞だろうなあ」とか予想しながら。
表紙のマーク、これは多分県のシンボルマーク、だと思うけど、これまた「微妙」なデザインで、最高。
2. うるさいこの音の全部 | 高瀬隼子
こちらも全く、作家さんのことなど予備知識なく、芥川賞受賞作家ってところくらいは知ってましたが。
フォントの違い面白い。途中で気づく。
よくある2つのストーリーが並行して後でガッチャンコ?みたいなもんだと思ってたら、ああそういうことか、と。
モヤモヤした感覚を代弁してくれたようで、気持ちの良い読了感でした。
3. ここはとても速い川 | 井戸川 射子
表題作と「膨張」の2篇で、それぞれ児童施設とアドレスホッパーのお話。
アドレスホッパーって単語、初めて知りました。
この人の本、正直いうと読みにくい。けど、なんとか頑張って読み切ってやろうという気持ちになる。
頑張る必要はないのに、そういく気持ちになって、いつの間にか引きずり込まれてます。
4. おいしいごはんが食べられますように | 高瀬隼子
絶対に、どこにでもあるような職場と人間関係のなんかモヤっとしたところを、食べ物を通じて面白く描いています。
比べると、こちらの方がもっと「モヤモヤした感覚を代弁」してくれました。
個人的には、押尾さん応援したい。
5. 共に明るい | 井戸川 射子
台風で足止めをくらった修学旅行の話「風雨」が良かった。
修学旅行のお話で言うと、「それは誠」を思い出したけど、こちら特に目立ったトピックスもなく、ひたすら淡々とした印象、ただなんとなく身近に高校生男子がいる身としては、やけにリアリティを感じたストーリーでした。
6. オリンポスの果実 | 田中 英光
西村賢太繋がりで。
こっちまで赤面してしまうような、小っ恥ずかしい話。
でも、こんな船旅、してみたいなあと思うのは今もう自分がある程度歳を重ねて余裕があるからであって、若い時なんかそんなことよりあっちの方で頭いっぱいだと思うし、ああなんてもったいないことを・・・とか思うんだけど、まあそんなもんなのかな。
多くの人が言ってるけど、本当にほぼまるまる1冊、大好きですで溢れていて、本当に小っ恥ずかしくなるんですけど、その清々しさというか、本当に太宰だよなあ。
ちなみに僕が太宰を避けてるのは、その情けなさが自分に重なってみじめになるから、なのかなあと考えてます。
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