【どろんこ村日記_Day13】
今日はさやちゃんと友達の4人で養豚場でスタディツアー。
かなり学びが多かったので、レポート風の日記。
ぶたのえさ
まずぶたにあげているエサについて。
エサは1日に1回~2回与えている。魚屋さんからもらう魚のあら、ご飯、野菜(全て有機)を大鍋でぐつぐつ煮たものと、大量廃棄される菓子類を混ぜている。
なぜエサの全てを有機食にしないのか。有機ぶたの認証が取れる条件があるにも関わらず、なぜ菓子類もエサの一部に入れるのか。
それは、子どもに食の現状を知ってもらいたいという、どろんこ村の思いが込められている。
子どもたちがみりんかすを見ても、身近なものじゃないから自分ごとに捉えられない。だったら、身近なお菓子を通して、世の中にこれだけ食べ物が大量に廃棄されていることを知るきっかけにしてほしい、と思い今に至る。
大鍋でぐつぐつ煮てたものとお菓子を混ぜるのは、手。これまでスタディツアーに参加した子どもたちは、「嫌だ」「汚い」といって拒むことがよくあるそう。おそらく大人もそうかもしれない。
どうしてそう思ってしまうのか。その意識を見つめること、見つめる大切さを、えさ作りの過程で伝えているんだとか。これは深い。
どろんこ村の養豚
通常の養豚では半年で大ぶたに。一方どろんこ村のぶたは1年かけて大ぶたにしているそう。
母豚を買って、赤ちゃんをたくさん産ませて出荷する養豚場は全体の9割くらい。
豚の赤ちゃんは小さくて一度にたくさん生まれてくる(その分お母さんぶたのおっぱいがたくさんある)。
どろんこ村はこれまで年間12匹のぶたを飼っていて、3ヶ月に一回3匹の子豚をもらって月に1頭ずつ出荷という零細養豚をしていた。
子豚は弱いから、別の小屋で暖かくして、離乳食のような餌を与えて育てるそう。
どろんこ村の養豚場の掃除はあまりしていない。しなくても、糞尿と土が分解してくれる。通常の養豚場では、この清掃にかなりの労力と時間がかかるらしい。
日本の養豚場の現状はかなり過酷。ヨーロッパでは禁止されている飼育方法らしいんだけど、多くの養豚場はコンクリートの上のストール(檻)に入れられる。一歩も動けない状態で、全く動けないから、肉がすごく付く。結果、体にストールがめり込んでしまうくらい。そうして、半年で出荷されていく。一方、どろんこ村のぶたは一般的な養豚場に比べたらすごく動いているみたい。全ては効率化なんだなぁ。
ぶたの生態
ぶたは、実は人間がイノシシを改良したもの。目が悪くて光を感知しないため、手の代わりに鼻で掘ったりエサを探したりする。だからぶたの鼻はとても硬くて頑丈。柵を鼻で押し上げることもあるそう。
普段は座って過ごしていることが多い。
毛並みもイノシシから引き継いでいて、硬い毛なのが特徴。
面白いのは、一番大きい豚が養豚場からいなくなると、下剋上が起こりやすいそう。エサの取り合いで喧嘩してしまって、弱い子が餌をあんまり食べれないケースも。
豚の尻尾は、よくアニメで見るようなくるくるしているイメージがあるけど、養豚場にいる豚の尻尾は短い。赤ちゃんの時に切ってしまうそう。理由は、前に尻尾があると噛みちぎってしまう習性があるらしく、傷口から菌が入ってしまい病気になってしまうリスクが高まるため、切っているとのこと。
ぶたは綺麗好き。泥で体を洗う習性がある。人間からすると泥で体を洗うって汚いって思っちゃうけど、豚にとっては体を綺麗にする方法。改めて、人間にとっての当たり前が、動物にとっての当たり前ではないことに気付かされる。
豚の解体
日本は駆逐法で、四つ足動物はやってはいけない決まり。必ず獣医師さんの元でやってもらうようになっている。
どろんこ村の養豚場には猫がいる。追い払わずにここにいさせてあげているのは、猫がいることでねずみが寄ってこないメリットがあるからだそう。ねずみは穀類を食べてしまうし、一番厄介なのが疫病を運ぶこと。
過去に豚コレラが流行った時、周りの養豚場ではかかっていても、どろんこ村では一匹もかからなかったそう(すごい)。
最後に
養豚についてあまり知らなかったから、どの話も興味深かった。どろんこ村の養豚の取り組みはもちろん、日本の養豚の現状や、豚の生態など知れて面白かったなあ。
ただ、養豚で生活している人たちのことも考えると、確かに大量生産してたくさん売らないとやっていけない現状もわからなくない。ただ、飼育環境が劣悪なところは養豚場に限らず牛や鶏も同じ。人間の都合の良いように、飼育されてしまう。綺麗事かも知れないけど、動物ひとつひとつの命と向き合うことができたら、もしかしたら人間、そんなにたくさん肉を食べなくてもいいんじゃないかな、といろんな思いが溢れてきた時間だった。
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