パン生地を仕込むタイミング(日中発酵と夜間発酵について)
発酵時間と温度の関係について
パン生地の発酵時間(特に1次発酵)は以下の温度によって大きく左右されます。
こね上げたときの生地の温度(28℃前後)
発酵環境の温度(28℃前後)
その為、これらの温度をしっかり管理することが、パン生地の安定した発酵に欠かせないと言えます。
しかしながら、気温が下がりやすい冬の時期、また逆に気温が高い夏の時期では、思った通りに発酵が進まなかったり、逆に過発酵となる場合があります。
寒い時期などではパン生地専用の発酵器など、温度管理がしっかり行える機器もあります。ただし、それらの機器は大変高価なものになります。
私が気温の低い時期にパン生地を発酵させる場合は、オーブンレンジの発酵機能を使用しています。日中であれば、この方法で特に問題はないのですが、夜から朝方にかけて生地を発酵させる場合、夜間は気温が下がりすぎるため、オーブンレンジの発酵機能を使っても、十分に安定して発酵が進まないことがあります。
室温が極端に低下すると、私が使用しているオーブンでは温度環境が安定的に維持できなくなるためだと思います。そのため、冬の気温が低い時期は、朝早めの時間に生地を仕込み、オーブンレンジの発酵機能を使い、夜に焼きあげるという方法をとっています。
冬季は夜間は気温が大きく低下しますが、日中に家にいるときは暖房をしているため、比較的室温は低くならずに、比較的安定して発酵が進みます。
夏の時期は気温が逆に高くなり、発酵が速く進みます。あまりにも気温が高い環境下では、生地が過発酵してしまい、おいしいパンが焼けなくなります。
その為、夏の時期は、冬とは逆で、夜に生地を仕込み、朝焼き上げる方法にしています。この方法は「オーバーナイト法」と言いいます。
夏の時期でも、夜間は比較的気温が落ち着くので、この方法で過発酵を防ぐことができます。あまりにも暑い場合は、野菜室などで低温発酵させることもあります。
タイミングを間違えると…
今までパンを焼いてきて、生地の発酵が遅れたり、逆に早かったりすることで
夜中遅くまで発酵がかかり、パンの焼き上げが夜中になった
夜に生地をこねて、朝焼こうとしたら、起きたら発酵しすぎてた
など、いろいろと発酵時間を見誤ると、辛かったり、失敗したりしました。
特に私自身、睡眠を生活の中で重要視する身としては、夜遅く(深夜1時など)まで起きておくことは非常に辛いので。
発酵時間が長い天然酵母パンについては、季節によって日中に生地を発酵させるか、夜から朝方に生地を発酵させるかをうまく切り替える必要があります。
特に寒い時期は生地のこね上げ温度と発酵環境温度の管理が大切となってきます。
まとめ
パン生地の発酵は「こね上げ温度」と「発酵環境の温度」が重要。
冬の寒い時期は、日中に生地を発酵させる(生地を朝仕込み、夜に焼く)
夏の暑い時期は、オーバーナイト法で発酵させる。
気温の変化によって、パンの仕込み時間を変えていく