#130 経済論争だけでなく論文スタイルも二派に分かれる
学術論文の書き方は学会によって指定されます。
いろいろな学会があるのでその数だけあることになります。
中でも特徴が出るのは引用や参考文献の書き方です。
『レポート・論文作成のための引用・参考文献の書き方』によれば、「現在行われている引用のしかたは、大きく2つの種類に分けられる。ひとつはハーバード方式、もうひとつはシカゴ方式などと呼ばれている」とあります。すなわち、「ハーバード方式では、本文中の引用した部分に著者名と出版年、ページを示し、文章の最後に、著者名の順に(同じ著者名の場合は出版年順に)リストする」。他方、「シカゴ方式は、引用した部分に、はじめから順番に番号を付けて、各章末や文章末に番号を順にリストする方法である」。『レポート・論文作成のための引用・参考文献の書き方』
日本の学会は次のどちらかです。
1.ハーバード方式(著者名順方式)
「×××」(山田,2021,p.58)
山田××(2021),論文の書き方,ABC出版,p.58
記述の直後に「(出典文献の著者名 出版年:該当ページ)」を記載する方法
2.シカゴ方式(注番号順方式)
「×××。」1)
1)山田××,論文の書き方,ABC出版,2021,p.58
通し番号付きの括弧を用いて、その通し番号順(参考文献の引用順)に参考文献を列挙します。これをバンクーバースタイルとも呼びます。
海外の論文の書き方のような本をみると、一般的に使われているスタイルは、APA、MLA、バンクーバー、シカゴの4種類ということです。
APAスタイル: 米国心理学会 第7版 社会科学、行動科学、ビジネス、看護分野
MLAスタイル: 米国現代語学文学協会 第8版 人文科学分野
シカゴスタイル: シカゴ大学出版局出版 第17版 芸術学科、人文学科、社会科学分野
バンクーバースタイル: 著者-番号システム 科学ジャーナル
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経済学の学派には、塩水派(ハーバードなどボストン系)と真水派(シカゴ)の2つがあって激論を交わします。
塩水派はケインジアンで政府の介入をよしとします。真水は、マネタリスト、新自由主義で市場を信じていて政府の介入が嫌いです。
政府関係は塩水派が、ノーベル賞は真水派がたくさん受賞しています。
ファイナンスは真水派が強いですね。日本のシンパも多いような気がします。
論文の書き方も二派に分かれるのも面白いですね。