#147 もう一つのレバレッジ「営業レバレッジ」とは
レバレッジって”てこ”のこと。
借入を使った投資レバレッジは知っていると思います。
財務レバレッジが大きいと、リターンが伸びれば利益もグーンと増えることになり、売上が落ちれば損失もガーンと落ちます。
全体のリターンが大きくなれば自己資金や株主資本のリターンが大きくなります。逆に全体のリターンが落ちれば自己資金や株主資本のリターンもガーンと落ちます。借入金利より小さいときを逆レバレッジと言います。リスクも大きくなっているわけです。
私の説明では、”歯磨きのチューブを絞る”ことでリターンを大きくする図を見せることがあります。
レバレッジは、いってみれば倍率効果のことです。
財務ではもう一つ重要だけどあまり有名じゃない「営業レバレッジ」もあります。
売上の変化が利益に影響する度合です。
こちらは借入金のように自ら操作するのではなく、事業の内容やモデルで決まってくるものです。
式は、
= 限界利益/営業利益
=(売上高-変動費)/(売上高-変動費-固定費)
です。
この数字が大きいと、売上が伸びれば利益もグーンと増えることになり、売上が落ちれば損失もガーンと落ちます。この数字が小さければその効果は小さくなります。
費用を固定費と変動に分ける必要があります。ここで、実際に計算するときの留意点を書くと、
固定費:売上原価の中にもあります
変動費:販管費の中にもあります
固変分解には、勘定科目法、個別費用法、最小二乗法があります。
売上原価明細書、製造原価明細書は単体財務諸表のみの場合が多い
最小二乗法では固定費がマイナス値になってしまうことがある
限界利益:売上高-変動費
貢献利益:部門ごとの限界利益から部門の固定費を引いたもの