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こんな本を読んだ 番外 私が「本」で知る理由
【結論】本は時間を食う。しかし、返してくれるものは大きい。
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前回の番外(⇒こちら)で、「私にとって本を読むことは、こころの安定に役立っている」と書きました。そして、「なんで本じゃないといけないの」と。
今回は、私が何かを知ろうとするとき、「本」でなくてはならない理由を、メディア別に考えてみます。
1.人・社会
人に会わないことにはわからないことがあります。また、現実の社会に出ていかないと見えない真実もあります。
しかし、コロナ禍のなか人ごみにでるのには勇気がいるし、親の介護で時間が取れなかったり、歩行に少しく問題があったり、かつ元来ひとづきあいのわるい私には、なかなか積極的にはえらびにくい手段です。
2.新聞・雑誌
新聞や雑誌には、できごとや情勢に時間的に近い情報源であるという強みがあります。また、中立的な立場で書かれている記事は、事実を知る手段として貴重なものです。
しかし、たてまえとしては中立であっても、少なからずスポンサーや為政者に対してそんたくがあるのも常識で、そこを頭においておかなくてはなりません。
3.テレビ・ラジオ
新聞・雑誌よりも速報性が高いテレビ・ラジオは、よりリアルに近い情報源といえます。しかし、スポンサーや為政者の介入も、よく耳にするメディアではあります。情報操作がしやすいことは、他国の例を見てもあきらかです。
また、放送は基本的にはそのばかぎりのものであり、アーカイブできるとしても対象となる番組は恣意的に選ばれる可能性があるといわざるをえません。
4.インターネット
インターネットが普及しはじめてからまだ20年ほどしかたっていないのに、現在のように情報へのアクセスが容易かつ広汎になったのはおどろくべきことです。
しかし、インターネット上には誤情報・誹謗中傷・犯罪があふれています。また、検索結果・広告等では、AIによって企業の利益を最大化するよう個人情報が利用され、誘導がおこなわれています。さらには為政者によって情報操作がおこなわれやすいことも周知の事実です。使いかたによってはきわめて危険な面をもつのがインターネットです。
5.本
報道や番組では単一の情報が一方的にとどけられるのに対して、本は、ことなった著者のものを読みくらべることができることが強みです。誤った情報や内容のうすいものは自然にとうたされます。
速報性は低いものの、情報量は多く、はるか古代からの蓄積にかなうものはほかにありません。
以上、おもに情報の取得という面において、代表的なメディアをくらべてみました。各メディアの特性をふまえながら、「知る」ことに利用しなければなりません。
「楽しみ」という面においては、新聞・雑誌の文化・科学記事、テレビ・ラジオの旅番組や音楽番組など、私も好きです。特に、映像にはつよい説得力を感じます。
しかし、「本」には、いきつもどりつしながら読む、その場かぎりではない時間性があります。また、ひつようであれば、何冊もの本を読みくらべられるという複眼性があります。そこには、ほかのものにはない豊かな時間があります。
すなわち、本は、私の「時間」を使って積極的にはたらきかけることにより、他人のものではない豊かな結果を返してくれる。私にとって、本とはそのようなものです。
【結論】
本は時間を食う。しかし、返してくれるものは大きい。
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