立花隆『ぼくはこんな本を読んできた』について考える 3.知的欲求のファンクション
「こんな本を読んだ」の番外篇として、立花隆の『ぼくはこんな本を読んできた』からいくつかのテーマを選び、それらについて考えています。
この本を選んだ理由は、「知の巨人」と呼ばれた立花隆が。「知」をどうとらえていたかを明らかにしたかったからです。
今回は、「知的欲求のファンクション」
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2.知的欲求のファンクション
【結論】「知的好奇心」は人間を発展させたが、マイナス面もある
*今回は、文春文庫 1999年3月10日第1刷 23~24ページです
前回からの続きです。第1章の『知的好奇心のすすめ』では、「(知的欲求は)最も根源的な欲望として、すべての人が持っている」としたあとで、「知的欲求のファンクション」ということを語っています。
ファンクションとは、機能とか役割といった意味。立花さんは次のように述べます。
知的好奇心が人間の発展に役割をはたしたかかという点について、科学的(定量的)な研究はみあたりません。わずかに心理学者や認知科学者が言及しているのをみつけられる程度です。まあ、実験するのもむずかしいでしょうしね。
にもかかわらず、多くの人は立花さんがいうところのファンクションを否定はしないと思う。私もそうなんだろうなとは思う。
ここからは私の意見です。
知的好奇心が人間の社会の発展に寄与したことは疑いない。
しかし、「発展」とはなんだろうか。たしかにひとびとの生活は便利になり、知識(情報)はひやく的に増えている、
だが、「発展」は、いっぽうでは、核兵器を代表とする武器の高度化や、金もうけの手法の高度化による格差や貧困を生みだしている。
知的好奇心から生み出されるマイナス面を人間はコントロールできていないのではないか。そう思うのです。
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