感染症とアルツハイマー病
生き物は生活していく中で、必ず感染症にかかるものです。
そのほとんどは軽度ですが、まれに重篤な症状を引き起こし、生命に危険を及ぼすような感染症もあります。
新型コロナウイルスはまさに。また、アルツハイマー病も感染症と関係している可能性があるという研究報告もあります。
今回は、感染症とアルツハイマー病についてまとめてみました。
感染症とアルツハイマー病の研究
1991年にマンチェスター大学らの研究によって、アルツハイマー病と単純ヘルペスウイルス1型(HSV1)の関係が初めて明らかにされました。1)
この研究では、アルツハイマー病の剖検脳8例と、正常な方の剖検脳6例においてHSV1のマーカーであるチロシンキナーゼ遺伝子が検出されたことを報告。高齢者の脳内にHSV1が潜伏感染し、ストレスや免疫系の低下によってHSV1が増殖を開始することで、アルツハイマー病の要因となることが提示されました。
2016年には、エディンバーグ大学を中心とした33名の国際的なアルツハイマー病研究者によって、HSV1に加えてクラミジアとスピロヘータの2種類の細菌が脳内に潜伏感染し、免疫系の低下によりそれらが活性化し、脳炎症を惹起することでアルツハイマー病を引き起こる要因となることが報告されています。2)
また真菌細胞や真菌系がアルツハイマー病患者の脳組織で検出されています。これは獲得免疫(病原体や毒素などの異物と接することで獲得する免疫機構)が弱いことが真菌に感染した一因であると示唆されています。3)
ウイルスや細菌、真菌による影響は「感染症仮説」と言われ、アルツハイマー病になる要因の1つではないかと言われています。
1)Jamiesson GA,et al. J Med Virol. 1991;33:224-227.
2)Itzhaki RF,et al. J Alzheimers Dis.2016;51:979-984.
3)Alonso R,et al. J Alzheimers Dis.2014;41:301-311.
ウイルスと細菌、真菌の違いについては大幸薬品のまとめたものが分かりやすいので、気になる方は見てみてください。
これらの研究結果から共通している言えることは、
①免疫力を高めること。
②衛生管理を行うこと。
この2つです。
運動、食事、睡眠をしっかりとる。
手洗い、うがいを行う。
それ以外で室内のカビ予防のための衛生管理方法についてまとめてみました。
浴室のカビ予防
(1)風呂上りは壁にシャワーで熱めのお湯をかける:カビは熱に弱いため、温度は45度以上で行う。すでにはえているカビは、カビ取り剤で除去。
(2)風呂上りに壁の水滴を乾拭きする:水滴を乾いたタオルで取り除くことが大事。天井を拭くと尚良い。
(3)シャンプーボトルは浮かしておく:水に濡れる所を減らす。シャンプーや石鹸を栄養にするカビが多いため洗って乾燥させる。壁掛けもオススメ。
(4)足ふきマットはこまめに洗濯&乾燥:爪白癬は、白癬菌が爪の中に巣を作り、放置すると歩行障害の原因にもなる。爪からカビの毒素が体に回るので危険。
台所のカビ予防
(5)シンク下の棚をこまめに換気:シンクの下は湿気が多く、カビが生えやすい場所ため喚気する。カビ臭がする場合は対策をする。
(6)料理中以外も換気扇を使う:料理中は水をたくさん発生するので、料理中と料理後も、1時間は換気扇を回す習慣づける。油もカビのエサになるので注意。
(7)野菜は土を落として保存:野菜室は冷蔵庫の中でも温度が高いので、1番カビやすい。また土はカビが多いので、持ち込まない。
(8)氷は水道水で作る:冷凍庫や製氷機にもカビが生える。凍る前の状態でカビが生えてしまう。水道水には殺菌作用のある塩素が含まれるので、水道水で作る事。
寝室のカビ予防
(9)フローリングをこまめに拭き掃除:掃除機をかけてから拭き掃除する。
(10)エアコン設定温度を高めにする:夏で28度くらい。低い温度だと内部が結露する。かび臭い時は、窓を開け、10分間送風運転する。
(11)押し入れにすのこを敷く:布団の下にすのこを敷いて、風通しを良くする。
(12)ふすまの両端を開ける:押し入れのふすまの両端を少し開けて、風を通す。
以上の項目を意識するといいようです。カビは全てが悪い訳ではなく、味方のカビと天敵のカビがあります。詳しくはこの本に書いてあります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。