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広告漫画家がサイトをリニューアルした理由
昨年末から2ヶ月、仕事の合間にコツコツ作業を続け今月リニューアルしたお仕事用サイト。
こちらについて、リニューアルの目的や見せ方をどう変えたかなどを記録しておきます。
リニューアルは「数年経ったからそろそろ」「デザイン変えたくなってきた」などの理由でなんとなくするものではなく、なぜ・何のために行うのか目的を明確にしないと意味がないと考えているので、その辺りの話など。
これまでのサイトへの評価
まず前回このサイトをリニューアルしたのが2020年8月、約4年半前です。信頼できるビジネスパートナーに依頼し、制作してもらいました。
といってもお任せではなく、サイト内に掲載される文章、イラスト、漫画は全て私自身で用意しており、自分の全てを注ぎ込むつもりで取り組みました。
パートナーはそれらを理解した上で、適切に気持ちよくサイトを見てもらう方法や、どうデザインに落とし込むかをプロとして担ってくれた感じです。
そのようにして完成したサイトは私の分身そのもの。百漫画唯一の営業として、自動的かつ安定して私に仕事を運んできてくれました。
ありがたいことに、集客効果という意味ではリニューアルの必要はなかったくらいです。
今回のサイトはどう変わったか
そんな旧サイトをなぜリニューアルしたかという理由の前に、先に全体的に何をしてどう変わったかをまとめます。
・業者などに頼まず、Wordpressテーマを購入し自分で作成した
・サイトの動線は旧サイト制作の際に見たプロの考え方を参考に調整
・TOP画像の差し替えと新規漫画コンテンツの追加は行ったが、それ以外の素材は調整のみでほぼ再利用
・サイト内の文章は過去実績など含め全て見直しリライト
・無料でDLできる漫画テンプレートを設置
正直自分でやったことで、見た目のクオリティは下がりました。悔しい。
旧サイトはデザインも「こうしたい」って言ったことはほとんどやってもらったし、ちょっとしたアニメーションとかもカッコよくて、自慢のサイトでしたから。
ただ、そこは本質的にはあまり問題ではないと思っていて。
私のサイトは常に「新規で漫画を検討するお客さん」の為のサイトであり、旧サイトと今のサイトを見比べられるわけでもなし、今のサイトで結果が出ればいいんです。
それに必要ならあとで内容そのままにデザインだけもうちょっと何とかしてくれ!と頼むことはできますしね。
それよりも内容を私が望む形にアップグレードすることを優先しました。
リニューアルの目的① 再定義した業界における立ち位置を示す
私自身がやってること、やれることはあんまり変わってないんですが、何年も経つと周りが変わってますよね。
具体的には、広告漫画家を名乗って仕事をする人が増え続けているということ。私がこの仕事を始めた当時から考えると、体感的には10倍以上になっています。
その中で選ばれるには、どうすればいいか。
答えはいろいろあるでしょうが、1番わかりやすいのは「差別化」ですね。
実は前回のリニューアル時もそこの見直しがまずあって。
広告漫画業界の中で、自分はお客さんにどう見られたいかを徹底的に考え、それを元にコピーや内容を決めていきました。
で、その時に決めたことが「企画から考えて描く漫画を中心に請け負う」ということです。
イラストのみの案件、ネームやシナリオのある案件は基本的には受けず、提案から考えて欲しいお客さんだけをターゲットにしたのです。
それから4年半。
改めて周りを見渡してみると、広告漫画家はさらに増え、SNSを見ていても実績を積んで提案からできる人も随分増えました。
ということはここから先もっと増えるだろうから、またここで一旦業界における自分の立ち位置を見直し、彼らと土俵を「ずらす」方がお互いの為になるだろうなと考えた次第です。
企画からやるのは私自身が最もやりたいことでもあるのでそこは変えません。
ではそれ以外で他の漫画家さんと自分の最も明確な違いは何かといえば、やはりデザインや印刷までセットにして売れるということかなと。
というわけで、今回のリニューアルでは「全部任せるなら百漫画がコスパ最強」という方向を押し出すことにしました。
広告漫画もデザインも一定の水準に達しており、大手に比べれば安価で、全ての権限と責任を持ったディレクター(私)を窓口に話が全て進む、という状況は、今のところ他の広告漫画家さんとかぶっていないかなと思います。
また「ずらす」という点で、今回のリニューアルで料金の改定も行いました。
一言でいうと値上げですが、上記の特徴を打ち出すにあたり他漫画家さんと同じ価格帯でやるのはバランスが悪いと考えた次第です。
…というのはウソではないですが、値上げしても同じように仕事が来るなら私はより働かずに済みますもんね。
リニューアルの目的② サイトに流れる血を新しくする
表現が生々しくてちょっと気持ち悪いですが、前半でも言ったようにサイトは自分の心血を注いだ分身なわけで。
やれること、やりたいことの根本は変わっていなくても、私自身ちょっとずつ成長しているので、4年半前の自分はすでに昔の自分だと感じるわけです。
掲載する実績などは、私が内心古いと感じていても参照する情報としてお客さんの役に立つことは大いにあるので、あまり気にせず残しておけばいいと思います。
けれどその実績の説明文含め、私自身の言葉としてサイトのあちこちにばら撒かれている文章は今の私と微妙にずれているところがあるので、一旦見直してリライトする必要がありました。
サイト全体の文章を手直しするとなると、制作会社が作ってくれたサイトですので私だけではどうすることもできない箇所が結構出てきます。
それで今回は自力で1からサイトを作りながら書き換えていこうと思った次第です。
今はChatGPTのような生成AIが優秀なので、命令ひとつで自分が作るよりよっぽどよくできたものが一瞬でできたりします。
けれど結局、文章でも絵でも「自分の血を通わせる」という作業は自分にしかできなくて、それが1番大事なんですよね。
百漫画はブランディング的に組織のように思われることもありますが、結局どこまでいっても私でしかありません。
だからサイトを見た時と実際私に会った時に全く同じ印象である必要があります。サイトを見て「お願いしたい」と思ったお客さんが、実際話して「ちょっと違うかも」と思うようなことはあってはならないのです。
その為にはサイトを見直し、リライトする必要がありました。
まとめ
以上が今回のサイトリニューアルの経緯です。
ここからアクセスなどを見ながら細かい調整はしていきますが、とりあえず私自身はリニューアルできてスッキリしました。
おまけの話①お金のこと
ちなみに前回リニューアル時の依頼料は50万円。十分な働きをしてくれたし安い買い物だったと思っていますが、今回は
・有料テーマ(Emanon Business)/¥12,800
・WordPress引っ越し作業諸々/¥25,000
でトータル¥37,800で済んでおります。
リニューアルサイトはサブドメイン下で作って完成させたのですが、それをメインサイトと入れ替える際に自力ではうまくいかず。
ココナラでプロの方に相談して、引越し作業と、その他ディレクトリの整理など気になっていたことをまとめてお願いしました。
おまけの話② 漫画という単語のめんどくささ
リニューアルついでにSEO周りも見直してるんですが、毎度思うわけですよ。
漫画を示す単語って、漢字(漫画)もひらがな(まんが)もカタカナ(マンガ)もカタカナ英語(コミック)も一般的に使われるんですよね。
どれで検索されるかわからない。
かといってSEO対策のつもりで本文にそれらを混合させたら読みづらいったらありゃしないし、そこは一貫性を持たせるべきです。
うちは屋号がもう「百漫画」なので漢字(漫画)一択なんですけど、そのせいで取りこぼしてるお客さんとかいるのかちょっと気になります。