#98 出雲蒸され旅(3) ドーミーインも国宝に
オースターはリヴァイアサンくらいまでは読んだが、内容は覚えていない。死去の報に接した際も、ニューヨーク三部作を読んでいたころの鬱々とした気分ばかりがよみがえった。オースターはないけどエリクソンはまだ書架に残っています。
寿司で腹を満たし、国宝になった松江城に向かう。駐車場はいっぱいで、しばし待つ。渋い、いいお城です。特に石垣がいい感じです。裏金問題により此度の解散総選挙で涙をのんだ、元文部科学大臣の手による国宝指定書が、天守に飾られていた。むしろこの歴史的建築物より雄弁に、栄枯盛衰というものを物語っていた。松にうたうは、ただ嵐。
JR松江駅でレンタカーを乗り捨て、駅のドトールでしばし休憩。出雲市駅までわずかな区間だったが、アメトーーク!の鉄道ファンクラブで紹介されていた、特急やくもに乗った。かっこいい。噂には聞いていたが、こんなに揺れるのね。これでもだいぶマシになったんですよ、と鉄道好きの同僚は言っていたけれど。
JR出雲市駅で降り、サウナでもそれ以外でも有名なドーミーインにチェックイン。素晴らしいサウナ、素晴らしい水風呂、素晴らしいととのいスペース。人気の宿であるのも納得です。細い雨が降り始めていたが、いつの間にか見事な夕焼けに。雲間から差す光が神々しい。さすがに八百万の神々が集う地であるなあ、と深い感銘を受けたのでありました。完全にととのいました。
この日の晩ごはんも、宿近くの居酒屋。平日夕方からどこもお客が入っているようで、1軒目は入店を断られ、入れてもらえた2軒目もかなり賑わっていました。魚がおいしいです。普段はビール1杯程度しか飲みませんが、サウナ上がりでおいしかったので2杯飲んでしまい、結構酔いました。
休み明け、出勤前のリビングでこの文章を書いています。行きたくねえな。次回、出雲旅の最終回。百鬼堂先生の作品が読めるのはnoteだけ!