20230919 実験的文章 サンプルB-4
ちょうど信号が赤になったのでブレーキペダルをゆっくりと踏み込んでいく。完全に停車すると、一定のエンジンの振動が足元から全身へと伝わってきた。もしかしたら自分の勘違いかもしれない。でも確かにそう言ったはず。
「え。」
「何を考えながらいつも走っているの。」
「走るってあの"走る"話ですよね。」
「うん、それ以外何があるっていうの。」
無言。遠くの方で救急車だろうかサイレンのような音が聞こえる。信号が青に変わったので、素早くアクセルペダルに右足を置きかえ、ゆっくりと踏み込んでいく。
「つまり、走る時に何を考えているのかってことですよね。」
「そう。」
つづく
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