
モチベーショングラフ見てって話 番外編 〜インタビュー受けてみた〜
自分の人生を振り返ってみたことはありますか?
「振り返るのはかなり苦しい。でも過去を消化できた気がする」
そう語るのはこのシリーズを書き上げた百かさん。2023年8月15日からおよそ2週間、6篇にわたってひっそりと連載された『モチベーショングラフ見てって話』。連載を終えた今の心境を伺いました。
<プロフィール>
百か
2023年2月より、3年間放置し続けたnoteアカウントにて日記の投稿を開始。毎日投稿を始めてから54日が経過(2023年9月18日現在)。日記ストになるのが夢。

「自慢したい」 不純な動機から始まった作品
ーまずはシリーズ完走、おめでとうございます。
ありがとうございます!
もう半月経ってしまったので、達成感も薄れちゃったんですけどね(笑)。まとめ書く書く詐欺してすみませんでした。
ーいえいえ、お忙しいとはお聞きしていました。では早速、質問に入らせていただきます。はじめに、書き終えたときの感情について教えてください。
やはり達成感はありましたね。26年間とはいえ、自分の人生を振り返るのはかなり大変な作業だったので。
あとは恥ずかしさも。楽しい思い出だけでなく、辛い記憶も書き出さないといけない。もちろん隠すこともできるのですが、それでは意味がない気がして全部出し切りました。特に「社会人篇」はどんなコメントが来るか、不安で仕方なかったです。
ー「スクランブル交差点のど真ん中で全裸仁王立ちをかますくらい恥ずかしい」という記述もありましたね。それほどの気持ちがありながら、なぜ公開しようと思われたのですか?
率直に言うと、自慢したかったから、ですね。私を見て!みたいな(笑)。
とあるプログラムで、自分の人生を振り返る機会があって。そこで「自分の人生、意外と面白くない?」「世に知らしめたいんだけど!」という謎の思考が生まれちゃったんですよ。不純な動機がきっかけです。
ー(笑)。きっかけはさておき、書いていくうちに気持ちに変化が生じたということですね。
「見てほしい!ワクワク!」の状態は続いていたんですけどね。ただ、これ書いたら嫌われちゃうかも、というマイナスの感情も生まれていました。こいつに邪魔されて、なかなか筆が進まない時期もありましたね。
ーそれでも書き続けたのは?
最初の投稿しちゃったのでもう後戻りできなくて(笑)。あと、書くことで、今までの人生を消化できているような感覚になれたんですよね。
ここ最近、停滞しているような、もやもやした感情が付き纏っていたんです。ずっと見て見ぬふりしていたのですが、過去を通じて自分と向き合うことで、軽くなるかもしれないという希望を持っていたのも理由の一つです。
あ、もちろん、読んでくださる方からのコメントがあったのも大きいですよ。
ー取ってつけたかのような一言ですね。
人聞きの悪い(笑)。
でも本心ですよ。何の反応もなかったら、途中でやめていたと思います。スキもコメントも、本当に嬉しかったです。心の支えでした。
ー実際に気分は軽くなりましたか?
はい。思い出す作業は苦しかったですが、書いていくうちに整理されるのか、過去を客観的に見ることができるようになりました。思い出にどっぷり浸かりすぎることも減りましたね。適度な距離感で接することができるようになったのか、過去が原因で発生していたもやもやも軽くなったような気がしています。
急上昇、そして急下降。まるで「感情ジェットコースター」
ーモチベーショングラフの内容についてお伺いします。百かさんのグラフ、全体的に上下が激しいですよね。
まるでジェットコースターですね。こんな激しいの乗りたくないですけど。
ー思い切りのいい数字の付け方をされているなと感じました。当時の感情を強く覚えていらっしゃるのでしょうか。
覚えている方だとは思います。その時の光景を鮮明に思い出すこともできます。
ただ、数値は感覚的につけたので説明が難しいですね。なんでその数値?と言われても、そう感じるだけなので…としか答えられないです。超楽しい!=100、まじしんどい!=-100、といった感じでしょうか。前後の記憶と比べてあの時よりは楽しかった、で数値を高く付けているところもあります。
ー14歳後半から15歳、21歳前半から後半にかけて、数値が-100から100へと変化していますよね。どん底からてっぺんまで変化していますが、その理由は何だと思いますか?
うーん。単純に、環境が変わってもやもやの原因から離れることができたからですかね。中学を卒業して新しい学校に入ったことで嫌いな人たちと離れられたり。内定もらって就職への不安がなくなったり。
ー24歳から25歳の部分も気になります。三度ある「-100」の中でも、この部分は回復率が低いですよね。ほかと比べて違いがあるのでしょうか。
最近の記憶ということで、24歳のときの感情がほかよりも強いという理由もあると思います。ただただ毎日辛かったんですよね。仕事の忙しさや自分の無力さからどんどん余裕がなくなってしまって。じたばたもがくけれど何も変わらない、みたいな。
14歳のときも、21歳のときも、とにかく動いたら好転していたんですよ。でも、24歳のときは動いても動いても変わらなかった。なんとか部署異動はできたけど、成果を出さなければまた元通りになるかもというプレッシャーもありましたし。職場を変えるとか、環境そのものの変化がなかったことも大きいかもしれません。
ーその後、25歳で失恋を経験されていますよね。かなり大きなダメージを受けそうですが、それでも24歳より気持ちが上向きになっていたのでしょうか?
失恋自体は本当に辛かったですよ。なんだかんだ付き合いも長かったですし。彼が私の一部になっているというか、ただ生活しているだけなのに彼の姿がちらつくんですよね。茄子嫌いだったなとか、この曲一緒に聴いたなとか、この服着てたなとか、鬱陶しいくらい浮かんできていましたね。
ただ、心に余裕が生まれたのも事実なんです。合間を縫って会ったり電話したり、そういう無理していた部分がなくなって気持ちが軽くなったところもありました。正直なところ、辛さよりも解放されたスッキリ感の方が大きかったかもしれません(笑)。気持ちを切り替えるためにそう思い込んでいるだけかもしれないですが。
ーしばらく恋愛は御免といった感じでしょうか?
いやいや!常にしたいと思っていますよ(笑)。
「毎日つまらない」わけがない
ー百かさんは毎日noteで日記を書かれていますよね。始めたきっかけをお伺いしてもよろしいでしょうか。
ブログを読むのが好きで、私もいつか書いてみたいな〜とぼんやり思っていたんです。でも何を書けばいいのか分からなくて。悩んだ末、元々つけていた日記をそのまま投稿してみるか!と考え、それからちまちま投稿するようになりました。
ー「〜〜って話」というタイトルの付け方や、食事のサムネイルも面白いですよね。随所にこだわりを感じます。
ありがとうございます。
そんなに深い意味はないんですけどね。他にも日記を書かれている方はたくさんいるので、何かしら差別化しないとなと思ってこの形を取りました。
ただ、タイトルの付け方や写真の撮り方は適当です(笑)。もっとちゃんと考えた方がいいのかな〜。
ー別で手書き日記もつけられているそうですが、内容はやはり違いますか?
全然違いますよ!noteに書いているのは日常のほんの一部です。表面をなぞっただけ。
手書きはもっとドロドロしていますね。その時の感情や思考がつらつら書き連ねてあります。やばすぎて誰にも見せられない(笑)。
ーそれを毎日続けるのは大変じゃないでしょうか。継続する秘訣はありますか?そこまでできる魅力が日記にはあるのでしょうか?
継続できているのは、noteの連続投稿記録を伸ばしたいという気持ちがあるからです(笑)。あとは習慣化されてしまっているので、書かないと気持ち悪いところもありますね。
日記の魅力ですか…。日常で見落としがちな小さなことに気づくことができる点でしょうか。
「毎日つまらない」「何も変わりない」って言う人多いじゃないですか。でもそんなことないと思うんですよね。人生に同じ日なんて、絶対に存在しないので。日記は、そんな生活の面白さに気づくための一手段になりうると考えています。あとは単純に起きた出来事を集めていくのが楽しいっていうところもありますね。
悩みは尽きない。でも今は「淡々と」
ー「将来に悩む」という言葉がありましたが、今後どうしていきたいなどの想いはありますか?
あるにはあります。それに向かって動き出してもいます。
ですが、悩みゼロの状態ではないですね。仕事はいいとして、私生活どうしていくの?とか。悩みが尽きないお年頃なんですよ(笑)。
とりあえず、今はできることを淡々とやろうと考えています。グラフ見ても分かるように、沈んでもどこかで上向きになるタイミングが来るはずなので。
ー具体的にどんなことをされるのか伺ってもよろしいですか?
嫌です(笑)。私が何をしているのかは日記でだいたい分かると思うので、そちらでお願いします。
ーあら、分かりました。noteは日常を記す場、でしたもんね。何はともあれ、応援しております。
あ、いつか書いた日記を集めて本にしたいという野望はあります。これは宣言しておこう(笑)。
質問コーナー
ー最後に、寄せられた質問に答えていただいてもよろしいでしょうか。
はい。なんでもどうぞ。
ーアカウント名の由来は?
「ももか」で認識していただいてると思うのですが、実は「ひゃっか」なんですよね。
小学生の時に習った漢字しか使っちゃいけないと思って、自分の名前を「百か」って書いていたんです。そうしたら「ひゃっか」ってあだ名をつけられちゃって。気に入ってたので使ってみたんですが、意外と読めちゃうものなんですね。まあこんな由来はありますが、好きに呼んでいただければと思います。
ー好きな食べ物は何ですか?
豚汁。干し芋。野菜なら茄子ですね。
ー好きなお酒は?
お酒を飲む理由が「酔いたいから」なので、これ!っていうのは特にないんですよね。焼酎以外なら何でも飲みます。味の違いは分からないほうなのですが、日本酒なら「羽根屋」が好きかな。
ー好きな音楽は?
この質問をしてくるのはあの方しかいませんね(笑)。うわ〜難しい!そうですね…よく聴くのはロックですが、ほかのジャンルでも好きなのはあるし…。今は小山田壮平のライブに行きたいと思っています。プレイリスト作ったのでよろしければ覗いてみてください。
ーなぜ大先生呼び?
これも個人的な質問すぎる(笑)。
そうですね、小学校の時の先生に似ている感じがするというのと、なんか貫禄があるから、ですかね。背中で語りつつも、優しく見守ってくれそう!と思いそう呼ばせていただいております。
ー遠距離だった元彼とバンドが組めている理由は?
彼が就職時に私の住む地域に引っ越してきたことがきっかけで組めるようになりました。まあ、せっかく来てくれたのに、私の転職でまたもや距離が離れてしまったんですけどね…。電車で移動できる距離なので今も続けられているという感じです。
ー好きなタイプは?
え〜。タイプになるか分かりませんが、ギャップのある人に弱い気はします。私にはその面も見せてくれるのね!みたいな。嬉しくなりますね。先日あげた「海・山・川が似合う云々」で言えば、下の写真みたいな人に出会いたいな〜。

ー最近集めているものはありますか?
シンメトリーの名字。
ー次にシリーズを書くとしたら?
学生の頃行ったヨーロッパ旅行の記録を発見したので、それを綺麗にまとめてみたいな〜とは考えています。
結局、みなさんのおかげ
ー最後に、読者のみなさんに伝えたいことはありますか?
まずは、いつも読んでくださりありがとうございます、という感謝を。
読んでくださる方がいるから書き続けることができています。本当に頭が上がらないです。
私は面白いと思って書いていますが、他の人がそう思うかは分からないじゃないですか。これ公開する意味あるかな?って考える時も多々あります。そういう時に反応をいただけると本当に嬉しいんです。まさにみなぎるぜ!という感じです。いつも力をいただいております。
文章について感想をいただけたことも、本当にありがたかったです。
確かに書くことへの抵抗はなかったのですが、自分の文体というか、独自の表現力があるとは思っていませんでした。「神輿のような文章」を筆頭に、素敵な言葉をたくさんいただけたことで、自分が綴った言葉を好きになることができたと思います。重ねてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
これからもゆるゆると書いていきますので、あたたかく見守っていただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
ー素敵なお話をありがとうございました!みなさまもぜひ、ご自身の人生を振り返ってみてください。そしてどんなことを感じたか、こっそり教えていただけると嬉しいです。
インタビュアー:リトル百か
※サムネはトーキョーのビル。
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