【書評】”最高の体調”を理系大学院生が読んで感じたこと。【鈴木祐】
みなさん、こんばんは。
今回は前回に引き続き、鈴木祐さんの著書を紹介しようと思う。今回紹介したい本はタイトルにある通り”最高の体調”だ。
私がこの本に興味を持ったきっかけは、より体調を良くしたいと思ったのが最初だ。元から体調が悪くなることはほぼないが、自分が知らないだけで体に炎症が起きている可能性もあると思ったため購入した。しかし、即効性のある食べ物や行動の話も記述されているが、人間のストレス、死、遊び等の内容が盛り込まれており、とても満足した一冊となっていた。
私が感銘を受けた内容は次の2つである。
1. 現代の不安は”未来の遠さ”
一つ目は、「不安」の話である。人類に備わっている機能のひとつ、「不安」はあくまで目の前に迫った危険への対策をうながすためのシステムにすぎない。つまり、現代の人が抱えがちな”未来への不安”を対処するプログラムが元から人間にはないということ。また、ケニア出身の牧師によると”アフリカ人には未来という感覚がない”ということだ。アフリカ人によると時間は長い「過去」と「現在」しかないと思っているみたいだ。
たしかに、狩猟採集民が未来を感じないのは想像できる。来年、食料があるかどうかを不安になる必要はなく、今日、生きるために一生懸命である必要がある。これは現代の人にも必須なスキルだと感じる。最近、不安を感じてるとふと気づいた時は、たいてい未来のことを想像している時である。その時は毎度、その瞬間にフォーカスを戻す意識をしている。
2. ぼんやりした不安を解消するたった1つの方法
上記の「不安」を解消するたった1つの方法として、「未来を今に近づける」ことである。心理学で「自己連続性」といわれるが、この自己連続性が低いほど、未来が想像のできない遠い存在になってしまうということ。しかし、ここで注意したいのは、自己連続性とは未来を具体的に想像できるか否かの話ではない点である。例えば、「運命の人と結婚してマイホームを建て、大きな庭を手入れする」と想像したとしても、恋人のいない人にとっては、現在の自分との連続性がなく、不安が生まれてしまう。そのような未来を想像をするのではなく、現在の決定が未来におよぼす影響を実感できるようになることが重要である。つまり、未来のメリットを我が事として捉えれるように努力することが重要だ。
上記した、「未来のメリットを我が事ととらえる」というのが大事であると心から思う。未来を我が事として捉えることができないと、日々の習慣のモチベーションも下がってしまう。例えば、英語を毎日勉強することは、未来に英語の読み書きができる自分を想像できていれば、努力も苦しいものではなくなる。
今回は、鈴木祐さんの”最高の体調”を読んで感じたことを述べてみた。鈴木祐さんの著書の良いところは、全て論文や実験で科学的に証明されていることを教えてくれている点だ。しかし、だからと言って全てを鵜呑みすべきとは思わないが、そのような傾向があるんだなと理解する分にはとても良い一冊となっていると思う。
これからも紹介したい本が出てきたら、随時noteに投稿しようと思う。