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ガタン…ゴトン… っ… 目を覚ますと、私はまた列車の中にいた。 窓から差し込む光が眩しい。 隣を見ると…ヨルが窓の外をじっと眺めている。 ここ、どこ…? 「これから種まきの場所に行く」 種まき。 そうだ、種まきに行くんだ。 あ、鞄置いてきちゃった。 「種と地図ならここに」 ヨルが、ここ、と自分の座席の隣を指差した。 「持ってきてくれたの?」 「一緒に移動したからある。自分の手で持ってたでしょ?」 それで持ってきたんだ。でも、どうやってここに? ヨルは、ち
ガタン・・・ガタゴト・・・ガタッ ん、 …っ 気付いた時には、私は列車の中にいた。 だいぶ長い間寝ていたようで、首が少し痛い。 窓からきらきらと朝日が差し込んでいて眩しい。 あれ、私…さっきまでどこに行ってたんだっけ。 横には大きな鞄。どこか旅行にでも行ってた? ああ、そういえば行きたいところあったなあ。お休みの日にでも行こうかな。 休み…? あ。 列車は、私の家があるいつもの駅に停まった。 学校のこと、忘れてた… 列車のドアが開く。 早朝だからか、降りる人は私
「こんばんは。『星の館』へようこそ。寒かったでしょう?さあ中へどうぞ。」 出てきた女の人は、全身がきらきらと発光していた。 透明なカーディガンに、チェック柄のワンピースの服装をしている。 優しく穏やかそうな雰囲気の人だ。 びっくりしながらも、その人に付いて行く。その人の雰囲気は、どこか安心感があった。 こちらへ、と言われ階段を上がる。 わくわくする。 「さあ、入って入って」 女の人は微笑みながらすっと部屋の扉を開けた。 すると… わあ…!と声が出る。 部屋の天井
『天井にはきらめく宝石。 月の光を得て、静かに館は動き出す。』 夜。 いつもの風景。 あくびをしながら家に着く。 ポストを開けると一通の封筒。中には謎のメモと地図。 —―何だろう、これ。 お気に入りのかばんに荷物を詰めて家を出た。 もう心は決まってる。 明日の授業は… ずる休み。 地図を片手に汽車に乗り込む。 わくわく。どきどき。 興奮でそわそわ落ち着かない。幼い子どもに戻ったみたいだ。 一体誰が私のポストに地図を…? これからどんなものに出会えるのかな…