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星の館

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世界を旅する少女の物語
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【星の館】#4 ♈始まりの大地 アーネリア

ガタン…ゴトン… っ… 目を覚ますと、私はまた列車の中にいた。 窓から差し込む光が眩しい。 隣を見ると…ヨルが窓の外をじっと眺めている。 ここ、どこ…? 「これから種まきの場所に行く」 種まき。 そうだ、種まきに行くんだ。 あ、鞄置いてきちゃった。 「種と地図ならここに」 ヨルが、ここ、と自分の座席の隣を指差した。 「持ってきてくれたの?」 「一緒に移動したからある。自分の手で持ってたでしょ?」 それで持ってきたんだ。でも、どうやってここに? ヨルは、ち

【星の館】#3 新しい世界へ

ガタン・・・ガタゴト・・・ガタッ ん、 …っ 気付いた時には、私は列車の中にいた。 だいぶ長い間寝ていたようで、首が少し痛い。 窓からきらきらと朝日が差し込んでいて眩しい。 あれ、私…さっきまでどこに行ってたんだっけ。 横には大きな鞄。どこか旅行にでも行ってた? ああ、そういえば行きたいところあったなあ。お休みの日にでも行こうかな。 休み…? あ。 列車は、私の家があるいつもの駅に停まった。 学校のこと、忘れてた… 列車のドアが開く。 早朝だからか、降りる人は私

【星の館】#2 やりたいことは

「こんばんは。『星の館』へようこそ。寒かったでしょう?さあ中へどうぞ。」 出てきた女の人は、全身がきらきらと発光していた。 透明なカーディガンに、チェック柄のワンピースの服装をしている。 優しく穏やかそうな雰囲気の人だ。 びっくりしながらも、その人に付いて行く。その人の雰囲気は、どこか安心感があった。 こちらへ、と言われ階段を上がる。 わくわくする。 「さあ、入って入って」 女の人は微笑みながらすっと部屋の扉を開けた。 すると… わあ…!と声が出る。 部屋の天井

【星の館】#1

『天井にはきらめく宝石。 月の光を得て、静かに館は動き出す。』 夜。 いつもの風景。 あくびをしながら家に着く。 ポストを開けると一通の封筒。中には謎のメモと地図。 —―何だろう、これ。 お気に入りのかばんに荷物を詰めて家を出た。 もう心は決まってる。 明日の授業は… ずる休み。 地図を片手に汽車に乗り込む。 わくわく。どきどき。 興奮でそわそわ落ち着かない。幼い子どもに戻ったみたいだ。 一体誰が私のポストに地図を…? これからどんなものに出会えるのかな…