「遊んでいるのに、学んでいた?」子どもにとってゲームはよくないもの?
またゲームばかりして!」そんな声かけをしたことのあるママ・パパは多いのではないでしょうか?
「そんなのしょっちゅうだよ!だって勉強しないで家にこもってゲームばっかりだもん!」
「家でゲームばかりしてないで、少しは体を動かしてほしい!」
そのお気持ち痛いほどわかります。
僕もちょっと前までは自分の子どもに、そのように言っていました。
しかし、あるものを子どもに見せてもらってからは、少し考えが変わりました。
今回はそのことについてお話ししてみようと思います。
関心した子どもたちの世界(ワールド)に
学校が終わり帰宅した息子は、宿題も早々に、いつものようにゲームの準備を始める。
ちゃんと宿題やったのか?と心配しつつも声かけはせずにいると、今日は友達と4人でゲームをするという。
待ち合わせの時刻になると、一人また一人と友達が集まってきた。
うちの子は一人でゲームすることもあれば、複数人で集まってすることもあり、ここ数か月は2~4人で集まってゲームをする光景を目にしていた。
キャッキャッ言いながら何をそんなに盛り上がっているんだろうと思っていた。
そんなことを思いつつも、数時間が経ち、一通り遊び終えた息子の友達は帰って行った。
息子と二人になったタイミングで、どんなゲームで盛り上がっていたのか知りたくなり、声をかけてみた。
「さっき凄く盛り上がってたけど、どんなゲームやってたの?」
「ん?マイクラだよ。」
「マイクラでそんなに盛り上がるんだ?」
「うん。」
マイクラは5才の時にWiiU版を購入。僕も一緒にやってみたが、やり方が解らず、面白さを知らないまま終了。
そのあと、小学校3年生の時にiPad版を購入しボチボチやっていて、小学校4年生の時にSwitch版がほしいとのことで購入。
息子曰く、このSwitch版でようやく面白さが解ったらしい。
「4人同時プレイできるんだ?」
「うん。」
「みんなで何作っていたの?」
「街だよ。」
画面に目をやるとそこには、一大都市が築かれていた。
「これ、みんなで作ったの?」
「うん。そうだよ。」
すると息子はこの世界(ワールド)の説明をしてくれた。
ホテル、温泉、お化け屋敷、東京タワー、遊園地、露天風呂からは花火が望めるということで自慢げに花火を打ち上げて見せてくれた。
他にも色々な建物があった。
「いっぱい作りすぎて、もうこのワールドじゃ土地がなくなってきちゃった。」
と笑顔で話す息子。
「へぇ~。凄いね!こりゃ大したもんだ!」
この出来事により、僕はゲームを見る目が変わりました。
マイクラで培われる能力
それから息子にマイクラについて色々聞いてみた。
「はじめはマイクラのやり方が解らず、つまらないって言ってたけど、なんで今は面白くなったの?」
「ん~自分で思ったものが作れるから。」
「そうなんだ~この世界(ワールド)はみんなが好き勝手に作ってるの?」
「違うよ。僕がこういう風に作ってて皆に言って作ってもらってる。」
「え?!それって設計士であり現場監督じゃん!」
「頭の中にある事をどうやって皆に伝えてるの?」
「ん~よくわかないけど、話しをして伝えてる。」
これって「論理的思考」と「コミュニケーション力」がないと成立しないよね?
マイクラで他にも培われる能力があるか、ググってみたのが以下のものです。
◎論理的思考
直感的・感覚的に物事を決めるのではなく、論理で物事を理解する考え方です。
物事を「結論」と「根拠」に分けて、どのようにつながるのか、あるいはつながらないのかを筋道を立てて考えることです。
おいしいラーメンを作るには?
適当にやっても完成しない。
全て計算し完成を予測して作らないとおいしいラーメンはできない。
◎創造性
すでにある知識や経験を統合し、新しく価値あるものを創り出す能力。
新しく価値あるものを作り出すとは、新しい考え方や物を創り出すことに加え、新しい自分を発見することを含む。
◎主体性
周りの意見や第3者からの指示などに頼らず、自らの判断・考えにもとづいて行動する性質のこと。
◎コミュニケーション力
伝える力
相手に分かりやすく、自分の言いたいことを正確に伝える力のこと。
言葉選び、組み立てなども含めて、伝える力と言えるでしょう。
聴く力
相手の伝えたいことを受け取り理解する力。
相手の言葉だけで理解しきれない場合は、適宜質問や「このような理解で、あってますか?」「あなたが言いたいことは〇〇ということですか?」などと確認、質問をして情報を補完する態度も「聴く力」と捉えられます。
おそらく他にもあるのでしょうが、僕が息子の話しを聞いて実感したのが上記の能力です。
これならゲームをすることを、そこまで否定することもないなと思った瞬間です。
他にもコマンドというものもあって、コードを入力すると一気に建物を作れたり、コーディングするかのようにマイクラを楽しむ方法もあるのですが、ここでは割愛します。
またうちの子を見ていて、解らないとこは自分のiPadを片手に調べながら、ゲームをプレイしていました。
まさしく現在の学校で導入されているアクティブラーニングを実践しプログラミングしている姿でした。
次世代に必要とされるスキルを着々と見つけています。
教育版マイクラ「Minecraft Education」
それからマイクラが子どもの能力開発にどのように繋がるのか、気になって調べてみると「Minecraft Education」という教育版のマイクラがあることを知りました。
教育版マイクラの代表的な特徴としては、 子どもを管理するための機能や通常版には存在しないブロック・アイテムなどが追加されていて、 元素ブロックを組み合わせて化合物を作成したり、アイテムを元素ブロックに分解したりすることも可能のようです。
近年では教育版マイクラを導入する学校も増えていて、実際の授業に使われいるようです。
歴史的建造物をチームで作ってみたり、修学旅行で訪れる予定の場所を事前に調査しマイクラで再現。更に実際に行ってみて実物とマイクラの世界を比較してみるなど、子どもにとって楽しく学べる授業が行われています。
また「子のどもの能力が伸びるマイインクラフトの使い方」という書籍の著者であり、教育の現場でマイクラを普及させようと活動されている「タツナミ シュウイチ 氏」という方を発見。
マイクラ好きが講じ一ユーザーから、「マイクロソフト認定教育イノベーター(MIEE)」に認定され、現在は大学の研究所で、マイクラの教育教材制作や特別支援教育での活用研究に従事されているそうです。
タツナミ氏曰く、マイクラはサンドボックスで、好きに作っては壊すことができる砂場と同じである。
マイクラと同じようなもので、レゴブロックがあるが、レゴには形や色、場所の制限があるが、マイクラにはない。費用の制限もない。
海外との接点を持つのであれば必然的に語学力が必要だし、ビジネスに発展させたければ、サーバーの知識やプログラミング言語を学ぶ必要があります。マイクラにはチャレンジできる場が広がっていると言えます。
またマイクラの大会でアンケート調査を行った結果、参加者全体の変化では、姿勢として、好奇心、発信、スキルでは、化学数学的リテラシー、表現力、論理的思考の成長度が向上したという結果が出ました。
子どものサードプレイス(第三の居場所)
また前回の記事で取り上げた子どものサードプレイス(第三の居場所)として、僕はマイクラを楽しめる場所の可能性にも注目しています。
うちの子のようにリアルの場で集まって複数人でプレイするのもいいし、ウェブ上で集まってプレイするのでも良いので、このような場所の設立の可能性についてとても興味を持っています。
ちなみに同時プレイの人数は任天堂Switch版だと8人。
教育版マイクラだと40人。
圧倒的に教育版マイクラの方が上でこれは日本の学校の1クラス分の人数を想定した数のようです。
また任天堂Switch版、教育版マイクラ共に、知らない人が入れないようになっているので、子どもにとっても安心な場所でもあると思います。
いずれにしろ子どものサードプレイスについては引き続き情報取集や様々なシュミレーションが必要でしょう。
まとめ
子どもにとってゲームは良くないものなのか?
その答えは・・・
「ゲームによるし、大人が制限を設けて子どもを守る必要がある。」
これが僕の答えです。
結局、今回「マイクラ」しか見ておらず、マイクラは子どもの能力開発に繋がる事は理解できたので否定をするのは止めようと思います。
ただ無条件でOKということでもなく、時間を守ってプレイするように、うちの子には呼び掛けたいと思います。
またオンラインゲームでのトラブルも耳にしたことがあります。
友達同士でオンライン上でのバトルの末、ボコボコにされたのを逆恨みし、翌日、学校に登校した時に暴力をふるった。いじめに発展した。などの話しを聞いたことがあります。
他には悪意のある大人がオンラインゲームの中に潜んでいるかもしれないし、そこは大人が制限を設けて子どもを守る必要もあるでしょう。
あとはオンラインゲームの課金で多額のお金を使ってしまった子どもの話しも聞きます。
まだまだゲームに関してのマイナスイメージもたくさんありますね。
令和の現在、私たちを取り巻く環境はたかが数十年前であっても、まるで変わってしまっています。
文科省のGIGAスクール構想により、一人1台の端末が生き渡った2024年現在。
学校現場では様々なICT機器が子どもたちの教育の場を変えています。
授業では、まるでゲームのようなツールを使ったり、「教育版 マイクラ」や「教育版 桃鉄」のようにゲームそのものが授業で使われるようになっています。
デジタルネイティブと呼ばれる今の子どもたちは、私たちの時代とはまるで違っていますので、そのあたりの親の理解も必要です。
初代Iphoneの発売が2007年ですから、その年に生まれた子は現在17歳です・・・
良いものは取り入れ、危険が潜んでいそうな所は、制限をかけ子どもを守り、遊ばせる。
親のバランス感覚も問われる時代になっていますね。