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【CTOに聞く】フツパーの創業秘話

弓場 一輝 / CTO 兼 研究開発本部長
広島県出身。広島大学大学院先端物質科学研究科卒業。研究テーマはゲノム編集。バイオ技術を主体とした専門分野の研究を行う中で、機械学習及び深層学習周辺の技術を習得。学生時代に複数のAIモデル構築を経験し、新卒で共同創業。NVIDIA「GTC 2020」登壇実績あり。

記事作成日:2022/05/23 ※こちらの記事は過去インタビュー記事のリバイバル掲載です 

弓場さんは新卒でフツパーを創業されたということですが、大学院ではどういう研究をされていたんですか?

僕は生物工学を専門としていて、大学院では「麹菌」についての研究をしていました。

化粧品等に含まれる美白成分の中に「麹酸」というものがあって、麹酸は「麹菌」という菌によって作られます。麹酸は化学合成が難しいので麹菌から生成していく必要があるのですが、僕がやっていた研究は、より多くの量の麹酸を生成できるように、麹酸を作るのに関わっている遺伝子の解析・編集を行うことで、産業利用可能な麹菌株の生成を行うというものでした。

AIに関係ない分野のようですが、どういった経緯でフツパーの創業に関わることになったのでしょうか?

大西、黒瀬の2人からAIのベンチャーを一緒にやらないかと誘われたのが最初のきっかけでした。

その時、一応就活は終えていて、実は内定も貰っていました。
でも、大西と黒瀬の2人からの誘いを受けることを決めて、内定を辞退したんです。大学院卒業後、大西の家に集まって3人で創業手続きの書類を書いて、フツパーを共同創業しました。

なぜ内定を辞退してまで、フツパーを創業しようと決めたんですか?

2人から誘いを受けた時、シンプルに「面白そうやないか!」と思ったからです。僕は昔から新しいものが好きなので、AIという最先端技術に関われることにすごくワクワクしました!

大学の時にやっていた研究も、生物工学という分野の中ではめちゃくちゃ新しい技術だったんですよ。


新卒で起業するのって、不安ではなかったですか?

不安は全くなかったですよ!
大西と黒瀬の2人は僕の大学時代の先輩で、昔から頼りになる先輩だったので、2人と一緒に起業するのは心強かったです。

あと、僕はいつも「人生は一回しかないんだし、それなら荒波の方がおもろいやん?」と思っているので、迷いもありませんでした。

CEO大西のインタビュー記事 

COO黒瀬のインタビュー記事


創業時を思い返してみて、特に心に残っているエピソードはありますか?


創業メンバーの3人しか社員がいなかった頃は、3人ともとにかく必死で、色んなことを試行錯誤しながらもそれぞれの役割をこなして、まさに三位一体で仕事をしていました。
そんな毎日を続けて半年くらい経った頃、初めて大きな売上が立った瞬間は本当に嬉しかったですよ。

黒瀬が取ってきた案件、大西が取って来た案件ではなく「3人で力を合わせて取った案件」って感じがして、感慨深かったです。


これまで弓場さんが関わった案件は、どのようなものでしたか?

僕は特殊なカメラや照明を使う案件とか、ベルトコンベアを一から作るような案件とか、少し変わった案件を扱うことが多いです。

21年度末時点でエンジニアは7名になり、お客様の現場に赴いてAIを構築する「AIエンジニアリング部」と、新規のサービスやプロダクトを開発する「プロダクト開発部」の2つの部署に分かれて仕事をしています。
僕はその2つの部署を統括する立場にあるのですが、メンバーのマネジメントだけでなく、現場に足を運んで案件がうまく軌道に乗るようにサポートすることもあります。

「AIエンジニアリング部」では、具体的にどのような業務を行っていますか?


まず、営業がお客様から課題をヒアリングした後、お客様がAIで検査したい製品が本当に検査できるかどうかを検証するのが最初の業務です。
製品の画像を撮影してみて、どんな撮影の仕方なら検品で見たい箇所がはっきり撮れそうか、カメラ、レンズ、照明などのハードウェアは何を使うべきか、どんなAIモデルを使うのが良いか等について判断していきます。

お客様の課題を解決する道筋が立ったら、営業とすり合わせを行い、営業がお客様に課題解決の提案をします。そして無事に契約が締結された後は、まずエンジニア側で必要なハードウェアを準備し、お客様の現場に各種機材を設置します。そして実際の現場環境で撮影を行い、AIが学習しやすい質の高い画像データが撮影できるかどうかを確認します。画像データが揃ったら、それを使ってAIのアルゴリズムを構築します。

その後はお客様との打ち合わせを重ね、要望に合わせて都度修正を加えたり、追加のデータ収集などを行ったりしながら、お客様にとってより価値のあるAIを作っていきます。

「プロダクト開発部」はどのような部署で、どんなエンジニアの方が在籍されていますか?


プロダクト開発部は既存サービスの改善(メンテナンス)も担当しますが、メインの仕事はよりよいサービスをお客様にお届けするための新規サービスを開発する部署です。

プロダクト開発部のメンバーには、いろんな技術や特色を持ったメンバーがいますよ。例えば海外の論文を読んでAIのアルゴリズムを理解し、それを実際のプログラミングのコードまで落とし込めるようなスペシャリストもいますし、フロントエンド側に強いエンジニア、ネットワークに詳しいエンジニアなど専門分野もそれぞれ持っています。一方でオールマイティに色んな言語が書けて幅広い分野に精通しているようなエンジニアもいて、全員がうまく補い合っています。

フツパーには、異なる領域で尖った技術をもつエンジニアが揃っているので、その中で自分自身の専門領域をどんどん深めていくも良し、周りのエンジニアから知識を得て新しい分野に挑戦してみるもよし、いろんな成長の仕方ができる環境だと思っています。

フツパーの魅力についても教えてください!

弓場さんがやりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?

ありきたりですけど、自分の作ったものに対して、お客様に「これ、いいですね!」って仰っていただけた時はやっぱり嬉しいです。
あとは、作業していく中で出てきたトラブルを上手に解決できた時は「やったぜ!」って思いますね。

フツパーでエンジニアとして働く魅力とは?

フツパーは業務内容が幅広いですし、自分のやりたいことに挑戦できる環境だというところはベンチャーならではの魅力なんじゃないかと思っています。僕個人としても、新しく入社した人が何かやりたいことを持っていれば、それを手助けできるような会社の組織作りをしていきたいと思っています。


弓場さんから見て、フツパーで働く人に共通している点は?

みんな勉強熱心だな、と思います。新しいことを学ぶことに対して非常に意欲的な人が多いので、僕自身も日々刺激を受けています。

エンジニアの採用も担当されているそうですが、採用に関わる時はどんなところに注目されていますか。

まずはスキル面を見ます。あと見ているのは現場経験ですかね。現場で何かしらのプロジェクトに関わった経験のある人だったら嬉しいです。

それから、コミュニケーション能力があるかどうかも見ています。フツパーではエンジニアも現場に足を運んで、お客様とコミュニケーションを取りながら仕事を進めていくので、コミュニケーション能力を重視しています。
ただ、会社全体でフォローしていくので、そこは最初からできる必要はなく、そういうこともやってみたいという前向きな姿勢が大事だと思っています。インターン生を採用するときも同様に、分からないことを素直に質問できるかどうか等、コミュニケーションを見て選考しています。

スキルだけではないんですね!

やっぱり大手と比べると裁量が大きくて、自分のやりたいことにどんどん挑戦できますし、スキルアップもしやすい環境なので、そういうことをやりたい人がマッチしますね。

フツパーのここが好き!


やっぱり「人」ですかね。

メンバー全員が同じ方向をしっかり向けていて、一人一人が会社のことを真剣に考えてくれているなと感じます。「自分がこうすることで、会社としてこういう価値が生まれる」という風に考えながら動いてくれているメンバーばかりで、非常に助かっています。

創業した最初のうちって、そういうメンバーを集めることがすごく大切だと思っていて。例えば、ものすごく高いスキルを持っているけどフツパーのカルチャーに合っていないエンジニアを採用したとして、そういう人は会社の状況が変わったり、他でいい条件を提示されたりすると、すぐに離れていってしまいます。だから、フツパーという会社に愛着を持って、当事者意識を高く持って仕事してくれるメンバーを今の段階でこれだけ集められたことは、本当に奇跡だと思っています!

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