日本政策金融公庫に借入れ申込をしてみた話
前回の記事で予告しましたとおり、「日本政策金融公庫に借入れ申込をしてみた話」と題して記事を書きます。
起業を志す方、フリーランスで奮闘されている方等の参考になれば幸いです。
借金怖いから嫌です!!
はい。怖いです。
私、15年程、地方の零細貸金業者(ウ〇ジマクンじゃない正規登録業者)の跡取り婿をやってましたので、『借金の怖さを貸す側の立ち場で』いやーーーーーーーーっと言うほど(おや?言わせていたのはオレか??)体験しました。
一番遠くて、沖縄まで債権回収に出向きました。
行方不明の債務者の住民票を追いかけて、いわゆる「ゲストハウス」で寝泊まりする(家賃払えなくて追い出されたそうです)債務者を見つけ面談(という名のお説教)をしたこともありました。
ドラスティックに、給与や不動産の差押え等、法的回収もヤリまくっていました。(卑猥だと感じたあなた、中2病)
今の本業は長年サイドビジネスだったこともあり、なるべく借金せずに、何か資金が必要な際は、自身の預金を会社に突っ込んで、沢山売上があった時に返してもらう形で経営をしていました。
まあ、そもそもシステム開発って「何かを仕入れて売る」とかではないので、仕入れのお金がかからないため、あんまり現金が必要ではなかったことも理由です。
~汗と涙と睡眠時間は、プライスレス~ by meitarou
なぜ借入れ申込しようと思い立ったのか???
理由は3つあります。
1つ目は、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」という融資制度が2021年の年末まで延長されたとの話を経営者仲間から聞いたからです。
借入れをする気が無かったので、そもそもそんな融資制度があることすら知らなかったのですが、経営者仲間が、「最近、メインバンクから借りてくれと何度も言われている。先3年間、実質無利息になるらしい。」なんて言うので、なんとなく気になって調べました。また、別の経営者の先輩は、「今コロナ対策で融資が通りやすいから、今のうちに借りれるだけ資金を引っ張ってやるぜ!」と。
この方は、「借入額3000万円を超えた辺りから事業資金の借り入れが全く怖くなくなった。1千万借りるのも、1憶借りるのも一緒だよ。それに、お金が無い時に借りても貸してくれないから。」と教えてくれました。
2つ目は、大きなお金を調達する場合、初めてだと審査に時間がかかったり、少額しか借りられなかったりするからです。
「取引実績」を重ねていくことで、追加の融資の際は提出書類が少なくなったり、審査時間が短縮されたり、業績が良いと増額融資を受けられたりします。
まあ、初対面の相手に数百万円、数千万円を貸すって、「はいどうぞ!」というわけにはいきません。
今後の展望を見据え、取引実績を作っていこうと考えました。
そして3つ目は、人を雇用することを意識し始めたからです。
行きつけのBarで知り合った若者(♂)が、「家賃を払えなくてどうしよう。早くバイトを見つけないと。」というので、ちょっと雑用を任せてみたのですが、これがまた、なかなか優秀ではありませんか。
今年の3月に大学を卒業したのですが、就職が決まらず(決められず?)フリーターに。大学を卒業したので親御さんからの仕送りが止まったそうです。
自分が社会に通用するのか不安で、自分が何をやりたいかも朧げで、就職活動をやり切れなかったと。
優秀なことに越したことはないのですが、一番のポイントは、『素直』なところでした。
面倒なことを任せても、「これが仕事ってやつですね!新鮮です!ありがたいです!!お金とか二の次でいいので、どんどん面倒なこと振って下さい!!!」と、グイグイ来る。
変な先入観が無い分、伸び代ですね。
3カ月程、月々7~10万円の報酬で雑用を頼んでいたのですが、次第にこの若者を雇用して育てる方法は無いものかと考えるようになりました。
本音を言うと、即戦力が欲しい!!!!!!
システム設計ができて、プログラミングができて、金融業に精通していて、多少ハッタリが効いた交渉ができて、執念深くて、責任感があって、、、etc
ですが、そんな即戦力に対価を払えるほど儲けてはいないのが現実です。
ならば、育てるしかない。
雇用し、育成するとなると、彼が収益を生み出す人材になるまでの間は、私の売上の中から彼の給与を捻出する必要があります。
その給与を捻出するために、いまの段階で更に仕事を引き受けてしまうと、私が過労死してしまうでしょう。
彼が戦力になるまでの間、それまでの人件費を借入金で賄うことにしました。
来年にはこの会社無くなってるかもしれないよ
本音を言いますと、先行きは不安です。
ですが、彼を雇用することを決めた時に、1つ大切なことを思い出しました。
売上が増えてから人を増やすのではなくて、人を増やすから売り上げもそれに比例して増えていく。(要旨)
私の尊敬する、noteで出会った先輩経営者の言葉です。
確かtwitterでの発信で、そのtweetや、明確な言葉を思い出すことはできないのですが、「売り上げを伸ばす根本的な方法は、人材育成である。」との意味だと私は受け止めました。
やっぱり、現実から逃げず、戦っている男ってカッコイイですね。
挑戦を自ら放棄した時点で、経営者として終わる。
若者1人を雇って育てるという、小さな小さな挑戦ではありますが、小さな小さな我が社にとって、とても大きな挑戦です。
失敗したらどうしようか。給料払えなくなったら申し訳ない。
色々考え、悩みましたが、考え方を変えることにしました。
もしうちで雇えなくなったとしても、余所で通用する技術を身につけさせることができればいいじゃないか。
若い彼にはどうか、これからの時代に通用するIT技術と、予測不能な社会でサバイブできる力を身につけてもらいたいと思います。
そのための取り組みとして、数カ月プログラミングスクールに通わせることにしました。
次回は、「厚生労働省の人材開発支援助成金を申請してみた」とのタイトルで記事を書こうと思います。
余談ですが、政策金融公庫の借り入れは無事に審査が通りまして、600万円の資金調達ができました。ざっくりですが、手順は下記のとおりです。
1.6月上旬に政策金融公庫のWEB申込フォームから申込
2.概ね1週間後に担当者から電話があり、面談の予約。併せて、先方より追加で必要な帳票や書類についての説明がある。
3.面談当日。事業内容や取引先について、コロナ禍の影響など聞かれた。話が盛り上がり過ぎてしまい、1時間の予定のところ2時間くらい話し込んでしまった。(担当者さんその節はすんません。。。)
4.6月末に審査が通った連絡と、本契約の書類一式が郵送で届く。代表者印と実印を押印、それぞれ印鑑証明を添付して返送。団信保険の申込書や返済口座の口座振替依頼書等も記入、押印して同封。
5.7月上旬、晴れて入金あり。
起業を志す方、フリーランスで奮闘されていらっしゃる方々の参考になれば幸いです。
※2021年7月現在、多忙につき『書き専アカウント』状態です。
『スキ』や『フォロー』、『コメント』のお返し等ができておりませんので、申し訳ございません。