第3回|答案の組み立て方①|理由付け・体験|中学受験作文の対策方法
はじめに
こんにちは、ハリー・サポーターです。この『中学受験作文の対策方法』は、全5回で、受験作文の対策方法について、ご案内するものです。
また、『中学受験作文の基礎知識』というコンテンツのご用意もあります。ぜひ合わせてごらんくださいませ。
今回は、理由付け・体験の組み立て方について、ご案内致します。それでは、内容に入っていきましょう。
作文における理由付け・体験の役割
『入試作文』における『理由付け・体験』は、『似たような体験を上手に作文すれば良い』ものではありません。
『体験』は、自分の『主張』を裏付ける『証拠』です。「私はこう思う、なぜならこういう体験があったからだ」という形で、採点担当者の説得を試みるのです。
『理由付け・体験』が適切であればあるほど、『主張』の説得力が高まります。具体的に見てみましょう。
作文における適切な『理由付け』
例をあげます。
「今はまだ晴れているけれども、もうすぐ雨が降りそうだ」という主張をしたとしましょう。どういう理由付けなら、説得しやすいでしょうか。
今は梅雨だから
天気予報で言っていたから
急に冷たい風が吹いてきたから
「今は梅雨だから」という理由付けはどうでしょうか。「いやいや、今日は晴れ予報だよ」という日だってあるでしょう。『晴れている状況』では、説得力は高くありません。
「天気予報で言っていたから」という理由付けはどうでしょうか。こういう説得方法は『伝聞』と言われます。伝聞は、自分の意見ではありませんから、説得材料としては不適切です。同じように、『先生が言っていた』『そう教えられてきた』といった内容は、作文答案では不適切です。
「急に冷たい風が吹いてきたから」という理由付けはどうでしょうか。これは実際に、『ゲリラ豪雨』が降るかもしれない状況ですね。『先生が言っていた』・『そう教えられてきた』とは異なり、経験則なので、説得材料として十分です。
作文における適切な『体験』
『急に冷たい風が吹いてきたから』という理由付けが適切だと判断しました。次に考えなければならないのは『体験』です。
例えば、『ゲリラ豪雨で酷い目にあった体験』はズレています。似たような体験を書くのであれば、『ゲリラ豪雨が来るかもしれないと思ったが、言い出せずにいたら振り出して、困った体験』です。
『天気予報に裏切られて、運動会などの大事なイベントが中止になった体験』も、『天気予報』に関する部分がズレています。似たような体験を書くのであれば、『楽しいイベントが、同じような状況で急に振り出して、中止になってしまった体験』です。
このように、『適切な体験』と『不適切な体験』は、ちょっとの書き方の差で発生します。
『まとめ』との関連性も重要
なお、『体験』の説得力は、自分の『主張』との有効性・関連性だけを評価すれば良いものではありません。『まとめ』と関連性があることも重要です。
だからこそ、答案作成の前には、『答案構成』できちんと有効性・関連性を確認しておかなければなりません。
それではまた。
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