「役立たず」として | 15分で考える音楽以前のこと(21)
敵わない、歯が立たない、足元にもおよばない。初め方がわからない、終わらせ方がわからない。わからないことがわからない。わからないことがわからないことがわからない。
昔は自分がスタメンとして戦える勝負しかしてこなかった。最近は取っ掛かりのないツルッツルな、想像もしてこなかった戦場に駆り出されることが多い。周囲にはその道でそれなりに長くやってきた連中がいる。勘所が違う、力の抜きどころが違う、アウトプットイメージが違う。敵わない、歯が立たない、足元にも及ばない。「役立たず」である。無力無善男である。
そんなとき、かつては「無力なり!!!!」と叫んで仰向けにバタンと倒れたり、所構わず噛みつきまくって取っ掛かりを作ろうとしていた。しかし最近は、そういう状況で「すんませんね」とニタリと笑い、掃除をしてみたり、加湿器の水を足したり、オンラインミーティングのURLを発行したりしている。
そうしているうちに、ごくたまに自分にできることが見つかったりする。が、多くの場合は、ない。掃除と加湿器の手入れは続く。
だが、「役立たず」が「役立たず」のまま、うまいこと組織にハマっている状態には大いなる価値がある。「先ず隗より始めよ」である。電気グルーヴにおけるピエール瀧である。ハッピーマンデーズにおけるベズである。「スチャダラパー / ヒマの過ごし方」である。
これからも色んな場所に、状況に飛び込むために、この「役立たず」力を磨いて行かねばならないと思った。役に立ってたまるか。
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