トラックボールマウスを使ってみた
ガジェット系メディアや SNS 等で度々目にするトラックボール. 興味はありつつも手を出していなかったのですが, 遂に購入したのでご紹介します.
トラックボールマウスとは?
「マウス」と聞くと, 有線か無線で PC と接続し, 本体を動かして PC 画面上のカーソルを動かす機器を思い浮かべる方がほとんどでしょう.
それに対し, トラックボールマウスは備え付けられたボールを動かすことでカーソルを動かします.
マウス自体を動かさずにボールの回転で同じ役割を果たせるというのは, 自分にとってコペルニクス的転回とも呼べるものでした.
トラックボールマウスのメリット/デメリットとして, 下記のような意見をよく目にします.
面倒くさがりのため掃除は気が重いですが, 体の負担軽減と知らない世界を覗いてみたさにとりあえず購入して使ってみることを決めました.
親指操作?人差し指・中指操作?
購入を本格的に検討するにあたりトラックボール製品を探してみると, 大きく分けて 2 種類存在することがわかります.
まずは親指操作型. こちらのタイプは目にしたことがある方も多いかもしれません. よく製品レビューを見かけるのは Logicool の Ergo シリーズですが, 新発売となったエレコムのベアリング式の操作感が気になったため, 第 1 候補はエレコム M-IT11BRBK としました. 以降 IST と呼びます.
https://www.elecom.co.jp/products/M-IT11BRBK.html
もうひとつは人差し指・中指操作型です. Youtube でトラックボールマウスのレビュー動画を観漁っていたところ, 下記の動画に出会いました.
親指だけでの操作は疲労の蓄積が早そうと想像していたので, 人差し指と中指に疲労を分散可能なのは合理的に思い, 第 2 候補を M-DPT1MRXBK としました. 以降, DEFT PRO と呼びます.
https://www.elecom.co.jp/products/M-DPT1MRXBK.html
選ばれたのは…
どちらにするか決めるべく, 公式ホームページ上の製品仕様を元に主要な要素を比較しました. 緑色のセルは魅力的に感じたポイントです.
価格差は一目瞭然, そして上述した操作方法とボール支持方式の他に, 接続方法と消費電力にも差があります. 重量はトラックボールの大きさから DEFT PRO の方が重いですが, ボール位置の関係で IST の方が幅広, DEFT PRO の方が高さがあるなど, 外形的特徴も異なります.
1 週間ほど悩んだ結果… 人差し指・中指操作型であるエレコムのDEFT PRO を購入しました. 決め手となったのは人差し指・中指操作と接続方法の豊富さです.
DEFT PRO は 1 台で有線/ 2.4 GHz無線/Bluetooth 接続が可能ですが, IST は 1 台につきひとつの接続方式しか搭載していません. Bluetooth のマルチペアリング機能についても記載が見当たりませんでした.
自分は複数台の PC を並べて操作したい場面があり, ひとつの接続方式しか持たない IST では接続し直しが都度発生します. 対して DEFT PRO は, Bluetooth を PC 1 号, 2.4GHz 無線接続を PC 2 号に割り当て, スイッチひとつで切り替えが可能になります.
公式ホームページ記載の定価は 2 万円超え, ビックカメラでも 12,000 円超えですが, Amazon で購入した際はセール価格で 6,938 円でした.
使ってみた所感
総じて買ってよかったです. 感じたことをまとめてみます.
とにかく玉がでかい
開封後の第一印象は, とにかく玉がでかいということ, そして持ち上げた時のずっしりとした重量感です. こうして書くとデメリットのように思えますが, 裏を返せばボール操作時にガタつくことなく安定感があり, 画面の端から端へカーソルを動かすためにボールを回す量は 35 mm タイプと比べて少なくて済むということです.
自分は会社に持参するのも抵抗なしですが, 手荷物のコンパクトさ・身軽さを重視される方には, このデカさと重さはマイナスポイントかもしれません.
親指でクリックとスクロールが意外といい
ゲーミングマウスを除き, 一般的なマウスでは人差し指で左クリックするのが一般的ですが, DEFT PRO のデフォルト設定では親指クリックです.
当初は違和感がありましたが, 慣れればこちらの方が楽に感じるようになりました. 特にドラッグ操作を繰り返すような場合. 人指し指よりも親指の方がホールド状態の繰り返しに耐えられます.
IST のような親指操作型トラックボールでは得られないメリットですね.
疲労具合が変わったかと言われると…
購入動機のひとつである疲労軽減ですが, 正直なところ強い実感はまだないものの, 腕を動かさずに済むのは楽だなと感じます.
そしてマウスをこすったり, 持ち上げて着地させる音が一切なくなり静かです. これは事前に想定していないメリットでした. 特に後者は個人的にタイピング音以上に気になるため, 満足感が高いです.
接続切り替えがスムーズ
狙い通りにスムーズな接続先切り替えができています. Windows と Ubuntu で使用していますが, 今のところ接続が不安定ということもありません.
ショートカットキー割当が便利! だが…
エレコム マウスアシスタントというソフトウェアを使えば, 9 つあるボタンの機能割当をカスタマイズ可能です.
https://www.elecom.co.jp/support/download/peripheral/mouse/assistant/
自分はさしあたり左/右クリック, 進む/戻る, コピー/カット/ペーストしか割り当てていませんが, 任意キー 3 つまでの組み合わせ, タスクマネージャを開くなど特定動作も割当可能です. しかもブラウザやEXCEL 等, ソフトウェアごとに異なるプロファイルの保存も可能と, 作業効率化に一役買うポテンシャルもあります.
気になったのは, 2.4 GHz 無線接続と Bluetooth 接続で別々に設定必要な点, Windows と Mac 以外はカスタマイズ内容が反映されなさそうな点です.
Windows PC で設定後, Ubuntu でもコピー/カット/ペーストを試みましたが, どれも動作しませんでした. デフォルトの左右クリックや進む/戻るは使えるので, カスタマイズ部分だけが反映されないのだと思われます.
Windows か Mac 以外でゴリゴリにカスタマイズして使いたい方はご注意を.
細かいカーソル操作には慣れが必要
操作方法がまるっと変わるため, 多少の移行期間は必要になりました. 期間にして大体 1 ~ 2 週間といったところでしょうか. 細かい操作には人差し指 1 本だけでなく, 中指も使うと良い感じがします.
ただ, 未だに苦手なのはペイント等でフリーハンドで線やマーカーを引くような場面です.
一般的なマウスでは腕で直線的な軌跡を描きやすいですが, 球体を一方向にブレなく転がすというのがとてつもなく難しく, 直線のつもりがガタガタになったり, あらぬ方向に進んでしまうことも多々…
このあたりはソフト側の使い方でなんとかなるのかもしれませんが, 今の所解決策を見つけ出せていません…
掃除はしなくても良さそうだけど, したくなってしまう
使い始めてから 1 週間ほど経ち, トラックボールを外してみることに. 特に操作感が悪くなったとは思いませんでしたが, 確かに人工ルビー周りに汚れが引っかかっていることは確認できました. トラックボールと人工ルビーが狭い面積で接するため, このような状態になるではと想像します.
その後も特に操作感の悪化は感じませんでしたが, 自分の手垢か, ホコリか, その両方か, トラックボール表面の触り心地が悪くなっている感覚が日に日に増していき, 我慢できず掃除しました. 掃除と言っても人工ルビー周りに引っかかった汚れをティッシュ等で拭き取り, トラックボールを布でひと拭きする程度です.
個人的には 1 週間も経つと掃除したくなってきます. 面倒さよりも触り心地の悪さが勝るのは自分でも意外でした.
どんな人におすすめ?
以上の所感から, まずトラックボールマウスをおすすめの方は
続いて DEFT PRO をおすすめの方は
トラックボールマウスや, DEFT PRO 導入を検討されている方の参考になれば幸いです.
この記事は Keyball39 で書きました.