Keyball39 を CherryMX 互換キースイッチのままロープロ風にしてみた
写真の Keyball39 は右手側と左手側で何かが違うことにお気づきだろうか…
Keyball39 を使い始めて 1 ヶ月ほど経ち, 操作に習熟して余裕が出て来た頃. 自作キーボードの醍醐味であるキーキャップとキースイッチ交換に意識が向き, 特に気になっていたのがロープロ化でした.
Keyball39 のロープロ化を試みたのでご紹介します.
【2024/12/21 追記】
キーキャップは別の商品へ乗り換えました.
キースイッチとキーキャップの大海原へ
時代はロープロ?
使い始めのころは何も思いませんでしたが, 手が少し反る感覚が気になり始めました. それによって直接的に身体に悪影響が出たというわけではありませんが, 1 度気になってしまうと改善したくなってくるもので…
Keyball39 購入前に使用していた logicool MX Keys mini ではそのように感じたことはなかったため, Keyball も同じくロープロファイルにしてみようと思い立ちました.
Keyball39 では, 左右の親指用キー計 5 個のみロープロファイルキースイッチを実装可能となっていますが, その他のキーも全てロープロファイル化を可能にするキットが販売されています.
単にロープロファイル化しているだけでなく, キースイッチの配置間隔を狭ピッチにすることでコンパクト化まで実現しているというスグレモノ.
Twitter で Keyball 関連の投稿を眺めていると, このキットか自作でロープロファイル化されている例がいくつも見つかります. 世はまさにロープロファイル時代!なのか…? とキットの購入を検討しましたが,
希望者が一定数に達してから基板発注のため時間がかかる可能性あり
本家を購入してから日も浅いのに新しいものを買うのは気が引ける…
という葛藤の果てに, まずは手元にある本家でロープロファイルに近づける手はないものかと考えるに至りました.
低みを求めてキースイッチ探し
そこで知人に教えてもらったのが Tecsee Medium Switch (以下 Tecsee Medium) です.
こちらのキースイッチ, ステムのトップ面からトップハウジング底面までの高さが 6.81 mm となっています. 以前購入した Yushakobo Fairy Silent Linear Switch (以下 Fairy Silent) の元となった Kailh Midnight Silent V2 Switch / Linear では 10.25 mm なので, 3 mm 以上も低いことになります.
これは期待できそうです.
個人的にクリック感よりも静音性重視のため, Linear 版を購入しました.
キーキャップ変更でさらなる低みへ
以前購入した DSA プロファイルのキーキャップのままでもよいかと思ったのですが, やるなら低みを目指してみたいというのと, 押し下げ時の干渉の恐れが気になっていました.
(Tecsee Medium のステムトップ面からトップハウジングの高さ 6.81 mm に対し, 手持ちの DSA キャップの全高約 7.5 mm)
そんな折, 同じく知人に教えてもらったのが XVX プロファイルのキーキャップでした.
XVX / Womier は 2020 年設立と比較的新しく, キーキャップとキーボードを販売しています. 目を引くのはその薄さで, 下記の比較例ではロープロファイルキースイッチ用の CFX や MBK に近い印象を受けます.
迷っているうちに先行して購入していた知人に実物を触らせてもらう機会があり, その低さもさることながら肌触りの良さも好印象でした. というわけでこちらもポチっと.
いざ実装!
まずはキースイッチ
比較のため隣同士に並べてみました. ぱっと見でもステムトップの高さが数 mm 単位で異なることが見て取れます. この時点で既に完成形への期待がグランドライン突入.
DSA キーキャップを取り付けてキー押し下げ時の高さも比較.
このままでもキー入力は正しく認識されましたが, キースイッチとキャップが干渉しているようなしていないような… このあたりは XVX キーキャップを取り付けて比較しましょう.
片手側を全て Tecsee Medium に変えるとその差が更によくわかります.
続いてキーキャップ
今回購入した XVX のキーキャップは, 全高約 5.5 ~ 6.0 mm (キャップの傘部分 約 4.5 mm + ステム受け部分のはみ出し 約 1 ~ 1.5 mm) でした.
DSA と XVX のキーキャップを Tecsee Medium と Fairy Silent それぞれに装着して並べた図がこちら. 1 番左が旅の始まり時点, 1 番右が今回の旅の終着点になります. ここがラフテルか…
それぞれキーを押し下げてみた様子はこちら.
Fairy Silent と Tecsee Medium で押し下げ時のキーキャップ間の高低差はほとんど同程度に見えるため, DSA キーキャップでもギリギリ干渉していなかったようです. 低さは XVX キーキャップに軍配が上がります.
キースイッチとキーキャップを交換した後の見た目はこちら.
ほんの数ミリ単位の変化にも関わらず, かなりすっきりして見えます.
なお, 左手側・右手側ともに, 外側 1 番下のキーのみ Fairy Silent + XVX キーキャップとしました. それぞれにウインドウスクロール用の Layer(3) や Ctrl というホールドする使い方が多いキーを割り当てるため, 小指だけでなく手のひらで押しやすいようにすることで小指の消耗低減を狙っています.
当初の目的であった手の反り感は, 思った以上にはっきりと軽減でき大満足. 使用中だけでなく, 低くなったことで収納ケースの膨らみが抑えられたのも地味に嬉しいポイントでした.
正直キースイッチとキーキャップの沼にハマって難航することを予想していましたが, これほどあっさりと答えにたどり着くことができるとは… と知人に感謝しきりです.
ちなみに打鍵感は…
打鍵感に関しては, スイッチ全体の低さ = ストロークの短さにより軽めに押したつもりでも底打ち感が顔を出すことはあるものの, 個人的には気にならない範囲, むしろ気持ち良さすら感じます. 静音性と押し下げ圧の軽さは Fairy Silent には劣る感じがするものの, 気になるほどではありませんでした.
ルブをすることも考えましたが, 上述のショップに記載された説明によれば, ルブによって動きが良くなるどころか悪化するとのこと.
さすがに悪化は怖いのでこのまま使い続けます.
本来の目的とは無関係ですが, 表面加工なのか PBT 材質のおかげなのか, キーキャップ表面がさらさらとなめらかな触り心地で気持ちがいいのも気に入っています. これまで使っていた DSA キーキャップはシボ加工のようなざらざら感だったため, 落差で余計にそう感じているのかもしれませんが.
触り心地など今まで気にも留めたことはなかったのですが, 自らの意思で交換するとなると細かなところにも意識が向くこと, 肌触りが心地よいとますますキーボードを触っていたくなるなど, 思わぬ気付きももたらしてくれたキースイッチ・キーキャップ探しの旅となりました.
どんな人におすすめ?
以上のことから, Tecsee Medium Switch と XVX プロファイルキーキャップをおすすめの方は
この記事がロープロ化が気になる方の参考になれば幸いです.
この記事は Keyball39 で書きました.