Fitbit Versa 4 に買い替えてみた
昨年の秋頃, Fitbit 製品の故障と別機種への交換を経験しました (詳細は別記事にて). 本記事では, 買い替えた Fitbit Versa 4 を 1 年近く使用する中で感じたことをご紹介します.
Fitbit Versa 4 とは
まずは基本的な情報と機能から.
上記の内容をご覧になり, 昨今のスマートウォッチの代表格である Apple Watch や Pixel Watch と比較して, 不足した機能が多々あるではないかと思われる方も多いでしょう.
確かにそうなのですが, 自分が求めている機能 (睡眠プロファイリング, 運動の記録, メール等の通知, より長いバッテリーライフ) は満たしており, なおかつ価格も安い. この機能と価格のバランスに魅力を感じています.
とはいえ”スマートウォッチ”という単語に対する世間の認識とのズレが大きいと思われるので, 大画面のフィットネストラッカーとして売るほうが良いのではないかと思ったりはしますが…
こうして気に入っている Versa 4 ですが, Fitbit の親会社である Google がスマートウォッチ製品を Google Pixel のみとする戦略を取り, 後継機種が出なくなるというシナリオもあり得そうです.
それを阻止するにはユーザー数の増加が必要だろうということで, 本記事でその魅力を紹介できればと筆を執った次第です.
良かった点
1. 思ったほど重く感じない
製品スペック上では Charge 5 と Versa 4 では 1.5 倍ほど重量差があるため, つけ心地は懸念点のひとつでした. 結果として, 初めて装着した時から約 1 年が経過した今まで, 重さを理由に外したいと感じたことはありません.
高さも 11.2 mm と, Apple Watch SE2 の 10.7 mm より 0.5 mm ほどの差となっており, 特段ぶつけやすい, ひっかかりやすいと感じた場面もありませんでした.
2. 大きくて明るい画面は正義
買い替え前後でディスプレイサイズを比較すると,
と 1.5 倍ほど大型に. 時間やメールプレビュー, 心拍数グラフ等の確認も見やすいですが, その恩恵を最大限に感じられたのは運動中でした.
例えば夜にジョギングをするような場面. 以前使用していた Charge シリーズでは, 運動中に揺れている面の表示を視認するのは困難でしたが, 大型ディスプレイでは文字フォントも大きく, 画面も明るいので遥かに見やすいです.
下の写真のような夜の街灯の下だけでなく, 日中の直射日光下でも見づらいと感じることはないほどの輝度は備えています.
3. バッテリー持ちは余裕で約 6 日以上
購入後 1 ヶ月ほど経ってから, バッテリーの減り方を記録してみました.
その際の本体設定・使用条件は下記になります.
公称 6 日以上に対し, 残り 10 % を下回るまでに 8 日かかる, という結果に.
Day 1 夜から明けて Day 2 朝までの 約 30 %, Day 6 夜から明けて Day 7 朝にかけての約 10 % 減少の原因は不明ですが, 2.5 時間ほどジョギングをした Day 2 から Day 3 間のみ約 14 %, 以降は 1 日で 5 ~ 10 % の減少幅でした.
やはり GPS を使用する時間が長いとバッテリー消費量が増える, と言えそうです.
4. 自動運動検出機能が便利
さぁ運動するぞ!と Versa 4 を操作しての運動の記録も可能ですが, ジョギング, ウォーキング, サイクリングなどは開始してから数分で自動検出する機能があります. 距離測定の精度は正直良くないですが(後述), 運動した/してない, その時間を自動的にデータとして残してくれるのは便利です.
定期的に振り返ると, どれほど運動していないかがよくわかります…
5. タイマー機能が地味に便利
Charge 5 ではほとんど使用していなかったのですが, タイマー機能を活用するようになりました.
セットした時間になると音や振動で知らせるという役割そのものは, もちろん目覚まし時計でもキッチンタイマーでも可能です. ですが, 音や振動に気付けるよう機器を手元に置いておく, その場から離れないようにする必要はあります...
一方 Versa 4 のようなウェアラブル端末でタイマー機能を使用すれば, 上述のような制約から開放されます. イヤホンで音楽を聴いていようが, ちょっとトイレへ行こうが, オフィスのような音を立てられない場であろうが, タイマー機能を活用することが可能になるわけです.
おかげでオフィスでのポモドーロテクニック活用や, 家事をする際に役立っています.
6. メッセージのプレビュー機能はざっくりとした内容把握用
メールやメッセージの通知とプレビューは, どのようなメールが来たのかをざっくり把握するためのものと割り切った仕様になっています.
例えば下記のような複数行に渡るメールの場合, スクロールしても最後まで表示できない場合があります. ニュース速報メール程度は内容を把握できますが, メールマガジン等を読み切るのは困難, といった具合です.
Apple Watch や Pixel Watch のような返信を入力する機能などは不要派な自分にとっては必要十分でした.
気になった点
以上良かった点をまず挙げましたが, 当然気になる点も散見されます.
1. GPSの距離測定はちょっと水増し気味?
長きに渡る運動不足状態に終止符を打つのため, 重い腰をあげて定期的なジョギングを習慣化を試みています. 実施状況を振り返ることができるよう, Fitbit 製品に加えて Under Armour のラインニングシューズ, HOVR Sonic 5 + MayMyRun というサービスを活用しています.
MapMyRun はスマートフォンの GPS に加え, Under Armour の対応シューズに埋め込まれたセンサーにより計測された歩数, 歩幅, 回転数も記録, 走り方の分析とアドバイスまでしてくれるというスグレモノ.
Versa 4 と MapMyRun で記録されたジョギング時の走行距離を比較してみました.
距離が 5 ~ 10 km 程度のケース #2, #3 では, Versa 4 と MapMyRun の差も 500 m 以内に収まっていますが, 20 km を超えたケース #1 では差分が 1 km に迫ろうかという勢いです.
自分はそこまでの厳密性を必要としていませんが, マラソンのトレーニングなどでより高い精度をお求めの場合は不十分かもしれません.
2. 充電速度遅め
Versa 4 のユーザーマニュアルでは PC, もしくは低出力の充電器での充電を推奨しているため, PC の USB ポートに専用の充電ケーブルを繋いで充電しました.
https://storage.googleapis.com/support-kms-prod/aMr9HIIq7XWrbNCLHQyr9sA3nP2Y6JUWITsK
バッテリー残量 25 % 程度から充電を開始し, 100% 近くに到達するまでに 1 時間以上かかっています.
仮に入浴時の 30 分程度で満充電状態にするには, バッテリー残量が 50% を切るあたりで充電するのが望ましいと言えそうです.
3. タイマーの登録枠の自由度が低い
上述のタイマー機能ですが, 変更不可のプリセット枠が 5 分, 10 分と, ユーザー定義の時間枠, という 3 つしかありません. なのでカップラーメン用の 3 分, ポモドーロテクニック用の 25 分, ゆで卵用の 8 分など, 繰り返し使用したいタイマー時間を複数用意しておくということができないのです.
1 度ユーザーアンケートで本件について書いたことはありますが, 機能の強化等には至っていません… ほとんど使われていない機能なのでしょうか…
どんな人におすすめ?
以上より, Fitbit Versa 4 が合っている方は
と考えます. ここまで読んでいただいた方の参考になれば幸いです.
この記事は Keyball39 で書きました.