キャリア「伏線回収」から考えるの面白いなという話
こんにちは!「ゆっくり、いそげ」をコンセプトとしたお仕事応援プロジェクト「sloth」のプロデューサーのワープくんです!
『訂正する力』というめちゃくちゃ面白い本があるんですが、読んでいてキャリアとか色んな仕事について考えるきっかけになったので、今回考えたことをまとめてみたいと思います!
『訂正する力』で書かれていたことは?
最初に『訂正する力』に書かれていた要旨を軽く紹介します。
本書において『訂正する力』というのは、過去にあった出来事を「じつは…だった」という形でこれまでの経験を再解釈することで、自分自身の行動や思想を少し訂正していくことです。
現代の日本において「一貫していること」が高く評価されやすい傾向にあります。しかし、外部環境が変わっていく以上、本来は環境に合わせて多くの変化をしていく方が世の中に適応することが出来ます。
かといって、環境に合わせるために、これまでの経験や文脈を全て破壊してリセットしてしまうのは大きな反発も生み出してしまうため、周囲に受け入れられない可能性が高いです。
そこで、「じつは…だった」という形での訂正と再解釈こそが有用だと伝えているのが本書です。重要なのは、決して「過去の経験を捏造する」というわけではなく、「再解釈をする」ということです。
例えば、過去に飲食業で働いていた方が、当時は「お客さんと接する時間が楽しい」と思って働いていたが、本当は「飲食を提供するまでの最適なオペレーションを構築することが楽しい」と気が付いてコンサルタントに転職する、みたいなのは「訂正する力」を発揮しているといえます。
実は、新R25チャンネルの西野亮廣さん、けんすうさん、渡辺将基さんの講演動画に似たような話をされていました。
詳しくは動画を是非見ていただきたいのですが、動画内で西野さんは「仕事の動機もガチャしまくって脈があるところに後付けで動機をでっちあげる」とお話されています。
これも「過去の経験から再解釈して動機を訂正する力」と言えるなと思います。
「伏線回収」ってどういうこと?
ちょっと話はズレるのですが、マンガ、小説、映画等々の作品でよく「伏線回収」という言葉を聞くと思います。これは簡単に言うと「後の展開のために、関連した事柄をほのめかしておくこと」です。
ミステリー作品などでは間違いなく出てきますし、『進撃の巨人』や『ワンピース』などの超人気作品でも多くの伏線が回収されていく過程は読んでいてめちゃくちゃ楽しいですよね。
この「伏線」ですが、本来は「事前に仕込んでおいて回収するもの」であるはずです。実際に超有名作品の多くは「1話の時点でこんな伏線が?!」みたいな伏線を意図的に仕込んでいます。しかし、伏線には別の仕込み方があります。それは「後から特定の描写を伏線にしてしまう」ことです。
つまり、「描写した当時は伏線と思っていなかったが、今振り返ってみるとこの描写を伏線としてこんな展開に出来るな」みたいな形で無理矢理伏線を作ってしまう、ということです。これは冒頭に紹介した「訂正する力」と近い概念になります。
そしてこれはキャリアにおいてかなり有用な使い方が出来ます。というのも、これまでの経験を「伏線」とすれば、色んなキャリアに発展することが出来るのです。前述したような「飲食業界→コンサル業界」みたいな転職だとしても、飲食業界の経験を「伏線」にすることができればキャリアをつながった物語として捉えることが出来ます。
ここでのポイントは、伏線とは「事前に仕込んでおくもの」ではなく、「事後的に再解釈する」ものだということです。未来のことを精度高く人というのはほとんどいないと思います。なので、事前に考えていたことが変わることは往々にしてありまくります。だからこそ、「過去の経験を再解釈して今に有用にしよう」とする方が有益です。
また、伏線を「事後的に再解釈する」ものだとしたら、伏線回収をするために必要なことは経験の質よりも多様性なので、多くの経験をしてみる方が伏線回収しやすいかもしれません。多くの経験を経ておくと、自分が本当にやりたいと思えることに出会えた時にこれまでの経験を一気に「伏線」として回収できます。
まとめ
キャリアのことを考える時にどうしても「専門性」とか「誰にも負けない強み」みたいなものを考えてしまいやすいので、一つの物事に集中する方向に向かいがちですが、色んな経験をしてみると伏線が仕込みやすいよ、という話をしてみました。
いろんな経験を伏線として再解釈するのであれば、早い段階で多様な経験があった方がやりやすいので、若手の方は自分の興味よりも周囲に喜ばれて多様な経験をできる環境にいくと面白いかもしれないですね。
また、自分自身の経験の再解釈を面白い形でできればどんな経験をしていても良いと思うので、今やりたいことがある方は「これまでの経験を再解釈することでやりたいことに近づける方法はあるかな?」と考えてみてはいかがでしょうか!