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部屋の電気が切れた住人

あーどうしよう。部屋の電気が切れている。

怪しい感じは前々から出ていたんだ。ちょっと前より暗くなってきて。
それなのに俺は仕事で疲れていることを理由にしてちゃんと見ようとしなかった。
先週の自分に怒りさえ覚えてくる。

あーどうしよう。めんどくさい。
次にでてきた言葉がめんどくさい。
ごめん。どんなに好きだったものでも、ついめんどくさいって言ってしまうんだ。
でも、その感情が事態を悪化させていることも知っている。
寝て何事もなく過ごして、朝が来ればなんの問題もないんだ。
それを良いことに何度も寝て過ごした。

でも、解決しなければいけないときが来た。
彼女がくるんだ。
彼女は昔、「メイクしたいから電気つけたい」と朝日じゃ足りないと光を求めた。
もし、このまま彼女が来れば、なにこれ?どういうこと?って、怒るだろう。

なので、Amazonで新しいものを購入しようと、カバーを外し、型を調べようと試みた。

…‥

外せない。
わかってる。ここでの生活が長かったもんな。
LED電球になってから、みんな自分の居場所に愛着をもち初めてるんだよな。長くなるのも困りもんだ。
ごめん。もっと早く解放してあげればよかった。

なんとか無理やり、外した。
気づけば汗か涙かわからないほど、顔が水分を覆っていた。

そして私は新しいものを購入した。

その後の取り付け作業も大変なことになるとも気づかずに、スッキリした気持ちで眠りについた。

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huna
お金?大好きに決まってるじゃないですか! 私の酒代にさせていただきます。 よろしくおねがいします。