モーツァルトの忌日にちなんで
今日はフンメルの師匠、モーツァルトの命日ですね。世界各国でレクイエムが演奏される日です。
個人的にレクイエムの今現在での一番は、リリング指揮の1991年録音のレヴィン版の方。
レクィエム(レヴィン版)、キリエ リリング&シュトゥットガルト・バッハ合奏団
キリエ ニ短調 K.341がついているけど、両曲ともオーソドックスな中庸なテンポ、演奏。
ただし、レヴィン版のラクリモーザとアーメンフーガの作り方が、モーンダー版よりジュスマイヤーの作った部分を利用している点で安心感がある。
リリングには、1979年のジュスマイヤー版もあるけど、これも中庸な演奏だった。
ジュスマイヤー版では、デイヴィスのロンドン交響楽団は激しさが好きだったが、1991年の重厚なバイエルン響との演奏の方がすきかな? 廃盤らしいけど。
レクィエム C.デイヴィス&バイエルン放送交響楽団、アヴェ・ヴェルム・コルプス、他 テルツ少年合唱団
であればドレスデン・シュタッツカーペレとの演奏がYouTubeにあります。
さて、フンメルの師匠はたくさんいます。一番最初は父親。二人目がモーツァルト。ただし2年間住み込みで生活をともにし、モーツァルトの代わりにオペラのリハーサルの伴奏を務めたり助手的な役割もしていました。
その後には、クレメンティ、サリエリ、ハイドン、アルブレヒツベルガー... 当時の一流どころに学んでます。
作風は、ハイドンに近い教会音楽を別にすると、一番の影響力はやはりモーツァルトとなります。
ロマン派に影響与えるメランコリックでドラマチックが楽曲も作っていますが、根本は死ぬまで職業作曲家で古典派に属していると言えます。よくロマン派の作曲家として紹介している書物や記事を見かけますが、断じて言えます、彼は古典派です。まぁロマン派自体が古典派の形式の上に成り立っているので、厳密に区別する必要はないんですが....
さて、古典派のモーツァルトと同時代の音楽も沢山聴ける時代になりました。一聴するとモーツァルトと言われても解らないか曲もありますが、いろいろ聞いた中ではやはりフンメルが一番近い雰囲気を継承しています。
今日はそんな彼の初期の作品を
ヴァイオリンとピアノの為の協奏曲ト長調,Op.17を聴いてみてください。今やいくつもの演奏で聞くことができるヴァイオリンとピアノと管弦楽のための二重協奏曲です。それと未出版の初期のピアノ協奏曲イ長調。
これらの協奏曲はモーツァルトの作風に似た作品が多いフンメルの中でも最もモーツァルトの香りがする曲です。
聞いているとモーツァルトのピアノ協奏曲K.453やK.415、K.451のフレーズのコダマが聞こえてきます。後期のフンメルの作品のような装飾にとんだ華麗なピアノテクニックというよりも、自然な旋律の流れと抑制されたハーモニーでしっかりと構成されています。
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