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藤井システムに惚れてしまった

2024年5月23日。麻雀漬けの毎日を変えたくなって、将棋を始めた。
麻雀って、どんなに努力しても運でひっくり返ることがあるし、そういう展開が大一番の勝負で来ると本当に苦しかった。
自分なりの楽しみ方は見つけていたから、そういう感情になることは人より少ないと思うが…まあ麻雀の話は置いといて。
とにかく運要素が威張るゲームから離れたい気分で、将棋をやってみることにした。
将棋はやはり実力のゲーム。先手後手はあれど、麻雀とは比べ物にならないほど実力が物を言うゲームのはず。
早速YouTubeで動画を漁った。

…将棋放浪記は、完全な初心者の私にはまだ難しかった。ありがたかったのは山口恵梨子女流三段の初心者講座。そのチャンネルでまず原始棒銀を覚えた。
しかしその後すぐ四間飛車の解説動画を見て、原始棒銀時代終了。今となっては何故棒銀をやめたのか覚えていないが、王様のガッチリ具合や四間飛車動画の潤沢さなどが理由だった気がする。もしかしたらただの気分だったかもしれない。

それからは毎日四間飛車に関する動画を眺める日々。知れば知るほど四間飛車のことが好きになり、この戦法を極めたいという気持ちが強くなっていた。
あと、私の好きな合気道になんとなく似ている感じがして、そこも好きだった。

数日後。
山口恵梨子ちゃんねるで、「居飛車穴熊への最終兵器 藤井システム」という動画を見つける。とりあえず見てみる。
再生中、終始私の頭にハテナマークが浮かんでいた。居飛車穴熊の存在自体よく知らなかったし、駒組も難しい。ただ、相手の銀がエスカレーターのように移動していたことだけ印象に残っている。(加えて、麻雀で「土田システム」という戦法が大好きだったので、通ずるものがあった。)

さらにまた数日後。今度は藤井猛九段本人が藤井システムを解説している動画に出会った。やはり終始ハテナマークが浮かんでいたが、4六歩と突いた形がなんとも美しく、気づいた頃には藤井システムを極めたい気持ちが芽生えていたのだ。

居飛車穴熊も脅威も、藤井システムの強さも、本当に何もわからない。でも使いたい。
そう思ってからは、四間飛車というより藤井システムの勉強に励んだ。四間飛車同様、知れば知るほど好きになっていく。というより、藤井システムの凄さに気づいていく。居飛車穴熊を阻止するために、ノーガードで攻めていく姿勢が本当にカッコよかった。
覚えたての知識でCPUと戦い、相手が急戦で来る度に「俺の藤井システムにビビって逃げやがった!」と調子に乗っていた。

…と、楽しい面もありながら、苦しいことも多かった。
まず、あまりにも初心者向けじゃなさすぎる。相手の行動全てにちゃんと対応しないと囲われて失敗だし、攻めが決まってもこちらの玉が薄くて全く気が抜けない。
さらに、残念ながら藤井システム(四間飛車)は弱いという情報も見かけるようになった。

私は今までのゲームで、弱い武器やキャラばかり使っていた。あえて弱いものを選んでいたわけではない。知らぬ間に弱いものへと導かれていたのだ。だから、将棋だけは強い戦法で勝ちまくりたい気持ちがあった。

「今から四間飛車をやめて居飛車に変えようか」と、本気で悩んだ。今変える分には大きなダメージもなく変えられる。藤井システムは本当に難しいし、勉強しても指しこなせるかわからない…。






でも藤井システムを指したい!!
形の美しさ、思想のカッコよさ、決まった時の爽快さ。もう藤井システムの全てに惚れてしまっていた。システムの本だって買っちゃってたし。

勉強が苦しくなっても、藤井猛九段のシステム解説を見るとまたやる気がわいてくる。そんな魅力が藤井システムと藤井猛九段にはあった。

そういえば、四間飛車を指しこなす本1の最初に、「四間飛車は相手の力を使って投げる」と書かれていた。
…まさに合気道ではないか。

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