健康診断の読解マニュアル② ~ γ‐GTP~
今回は、肝臓の話題の時に出てくる検査、γ(ガンマ)-GTPのおはなし。
「ガンマの数値がさ〜」という会話が、
お酒を飲む人のなかで出てくるが、
この「ガンマ」とは何だろう。なんか、響きはかっこいいけど。
1. γーGTPとは
正常値 男性が 50 IU/l以下
女性が 30 IU/l以下
γ-GTP (ガンマ-グランタミルトランスペプチダーゼ)といい、
肝臓の中に存在する消化酵素の中の一つ。
と、簡単に言ってみたものの・・・
肝臓の中に消化酵素が存在する??
肝臓で何か消化するの?
その辺を調べていこう。
2. 肝臓の働き
肝臓の仕事は主に3つに分類できる
1、タンパクの合成・貯蔵
2、有害物の解毒・分解
3、食べ物の消化に必要な胆汁の合成・分泌
肝臓には、いろいろな分解するための材料が備わっており、
タンパク質と結びついて化学変化を起こし、
体内に吸収するもの、排出するものとに分解し、無毒化するのだ。
腎臓は細かいフィルターを通して濾過するシステムだが、
肝臓は数多くの酵素を内包し、それを触媒として化学変化を駆使し
いろいろなものを分解をする臓器なのだ。
その酵素は、基本的に肝臓内で作用するためのものだが、ごく少量血液中に漏れ出している。
その漏れ出した酵素の数値を計っておいて、
通常より多い場合、
肝臓の機能に障害が発生して多くの酵素が溢れ出たと考えて
機能障害を予想するというものがγ-GTPだ。
だから、次の回で出てくる「AST」や「ALT」なんてのも同じように、酵素の名前である。
他にも肝臓の処理として、古い血液を破壊して新しい血液を作る、
という仕事がある。
この血液を破壊したときにでる成分をビリルビンといい、
この量を測る検査もある。
ビリルビンは黄色だから増えると黄疸がでる。
顔や手足が黄色っぽくなるのだ。
どんだけ仕事してるんだ、肝臓!といった感じ。
どれも、肝臓が機能障害になると増える酵素だから、状況は似てると思うが
3. 酒飲みはガンマをアピールする?!
なんでガンマが人気なんだろうか。
名前がかっこいいからもあるだろうけど。
γ(ガンマ)!!GTP
調べてみても、明確な理由を書いているサイトはなかなかない。
アルコールとの関連が深い酵素というのが、ことさらガンマをピックアップする理由のようだ。
お酒を飲みすぎていると、ガンマの値が増えるが
禁酒すると、どんどん下がっていく。
こうなると、障害というより、
γーGTPが直接アルコールに作用しているのではないかと思ってしまうが、
そうではないらしい。
γ-GTPはアルコールのに反応して、肝機能障害がなくても上昇する。
だから、しばらくアルコールをやめて数値が下がっていけば
アルコールによる数値の上昇であることが分かる
さがらなければ、肝臓・すい臓・胆のうなどの障害が疑われる
また、肝臓は復活する臓器なので(1/3になっても、元に戻るらしい)
たとえ、肝炎になっていても、治療していくと
ガンマの値が下がっていくので、肝臓の復活具合が分かるというわけだ。
4. まとめ
肝臓の障害が進んでいくと、肝繊維症・肝硬変・肝癌といった悪名高い病名がついていく訳だが
なんだろう、
肝臓は復活すると認知されて入れいるせいか
自覚症状がないせいか、
肝臓がやばいってなっても
医師の指導を煙たがるが多い気がする。
結局 γ-GTP はどうとらえるか
γ-GTPがお酒と関連してるのは間違いないので
まず、ガンマの数値で、
自分の肝臓がどの程度お酒に痛めつけられいるか認識する。
そして、お酒を控えてみたときに数値が下がるかどうかを
意識して確認してみる。
そんなところではないだろうか。
5. おまけ
正直、自分が知りたいのは、γ-GTPが規定値内であることが、
自分のアルコールの分解能力かどうかを示す指標となるか、
ということ。
たしかに、お酒は飲み続けると、強くなる気がする。
でも、γ-GTP の値が正常内であることがアルコールの容量であるならば
飲みすぎてγ-GTPの値が正常範囲を超えるのであれば、肝臓の処理能力オーバーだと明確に規定されるのであれば、
はっきりとお酒を断る理由にもなるし
自分の限界を1つ、数値で知ることができる。
この辺は、どうなんでしょうかね。
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