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健康診断の読解マニュアル①~血圧編~

まず、第一弾として血圧を取り上げた。

【血圧】

正常範囲 収縮期血圧140mmHgより低い
     拡張期血圧 90mmHgより低い

厳密には定義されていないが、一般的に収縮期血圧が100mHgだと低血圧症の可能性がある。しかし高血圧の時と比べて明確な指標がない。

血圧は我々に非常になじみが深く、みんな年を取ると血圧が高くなる、怒ると血圧が上がる、女性は朝は低血圧だったりしてボーっとしてるetc.

こんなに検査数値の中でなじみが深いのは、血圧を測る機械が普及していることが大きいと思う。

温泉や旅館に設置されている血圧計。
みんな、あれで測ったことがあるのではないだろうか。
身近でエビデンスに基づく検査数値である。


1. 血圧とは

もう少し、詳しく調べてみよう。

読んで字のごとく、血管にかかる圧力のことで、
体全体に血液や栄養を運ぶ血管と、それを送り出すポンプの役割の「心臓」をひっくるめて「循環器」と呼ぶ。(細かくはリンパなども入る)

いろいろな健診会社や高血圧学会などのHPを見ると、
血圧の上は値は(収縮期)
血圧の下の値は(拡張期)
と呼ぶ、みたいなことが書いてあるが、

循環器全体で考えると分かりやすい。

ポンプ(心臓)がギュッと縮んで、全身に血液を送り出すタイミング
これは強い圧力が血管にかかっていることは想像がつく。

つまり、心臓が「収縮」しているタイミング「期」だから
血圧の一番かかった値が「収縮期」

逆は心臓が広がって血が戻ってくるタイミングで
「拡張期」となるわけだ。

血圧を機械で計測するのではなく、
医師が帯(空気を入れるやつ)を腕に巻いて、聴診器をそこに差し込んで血圧を測って記憶がある人もいるだろう。

あれは、実は
「音」
を拾っているのだ。

まあ、聴診器を当ててるから当たり前なんだけど、
血圧って、水銀計で正確な圧力を測れる機械で
まず、一番きつい状態まで空気をいれる。

そうすると、帯が閉まって血が流れなくなるから
聴診器から、血液の音が「消える」

そこから、空気を緩めていき
音が聞こえ始める圧力が「上」「収縮期」


もっと緩めて
音が聞こえなくなる圧力が「下」「拡張期」

と計測してるのだ。

それだと先生の聴力が影響するんじゃない?なんて思うけど。
実際はそんなもの。

機械でも原理は同じで、
「音」センサーなのだ。

2. 血圧の正常範囲内とはどういう意味か

心臓と血管の役割として
全身の血液を絶えず循環させる任務を負っている。

全身に血液が生きわたるほどの相当な圧力で血液を送り出す心臓の働きを受け、それに対応する血管は、すさまじく丈夫でしなやかある必要がある。

洗車場の高圧洗浄機を使ったことがあるだろうか。
ものすごい圧力に耐えるには、ものすごく硬く頑丈なホースがついていて
非常に取り回ししづらい。

しかし人間は、そんな圧力がかかりながらも、
血管が動きの邪魔をすることもなく、柔軟に体が動く。

その血管が耐えられる圧力は、ある程度の数値内で平均化されている。

それが、基準値といわれるものだ。

しかし、当然個人差があって、普段血圧を測ると平均値の上のほうが出る人もいれば平均値より下の数値がいつも出る人もいる。

運動しているときには、全身にたくさん酸素や栄養を送らなければならず、
鼓動は早くなり、心臓は強く打ち、血管にかかっている圧力は高くなる。

また塩分の多いものを食べたると、体内の塩分濃度が上がる。
血液の塩分濃度を下げるために水分がほしくなり水分をいっぱいとると、
血液量が増えて血圧が上がる。

人間は、血圧を状況によって変化させ全身の血液を状況に応じて送り届けるのだ。

「正常範囲内」というのはそういった変化のない「安静時」範囲ということだ。

3. 高血圧がいけないのか、低血圧は大丈夫なのか

高血圧とは血圧が高い状態が一定以上続く、つまり、安静にしても血圧が下がらない状況が続くことだ。
状態としては、ホースに規定以上の圧力がかかり続けている状態。

この状態は、血管にとってはきつい。
薬を使ってでも圧力を下げるたほうがいい、ということになる。

血圧の高い原因が病気でも、加齢などの要因であっても、
とにかく、いまのホースがパンパンな状態をなんとかしておいたほうがいい

健康診断で
一生懸命、血圧を下げようと、血圧測定前にずーっと瞑想をしていたり
「いつもはこんなに血圧は高くない!!」
と、健康診断の検査員にクレームを付けたりする人がたまにいるが、

自分のことだ。

血圧を測っている検査員だって文句言われたくないから、
「正常範囲内の数値が出てくれ!」
と心で思っているのだ。

納得いかないなら、何度も測ればいいし
他の病院などで測りなおしてもらえばいい。

でも、高い状態が変わらなければ、高い圧力が血管にかかり続けているのだからなにか対応しないと
脳の奥の、手術もできない箇所の血管が

「ブチッ」

といく可能性がある。
参考までに、高血圧が関連しているという病気は
・高血圧症
・脳梗塞
・脳卒中
・クモ膜下出血
・心筋梗塞
・狭心症
・慢性腎臓病

ヤバそうな病名のオンパレードだ。

一方、血圧が低すぎること自体は、すぐに問題ではないらしいが
それによって引き起こされる症状があったり(めまいなど)ほかに病気が隠れている可能性がある。

4. まとめ

若いうち(30才前)までは、健常者であれば血管はしなやかで、血圧の上昇下降も激しく、・動悸が収まらない・血圧が全然下がらないみたいな自覚症状がない限りは過度に心配する必要はないが、30代に入って、酒、ラーメン、唐揚げ、焼き肉が大好きでヘビーローテーションしてる人40代に入ったら、それはもう血管も加齢が進んでいえると自覚して、そろそろ、自分の血圧数値を追ってみてはどうだろうか。

やばい数値になる前に、「血圧」は生活を改善することで、自力で調整することが可能なのだ。

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内山 聡
H&Uメディカルインフォメーション ソフト販売 セミナー実施 医療コンサルティング