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#1 きっかけ
「なに、この状況?」
「何かしたかな?」
どれだけ考えてみても心当たりがない。
人生という物語の配役が他者の手によって勝手に変更されたようだ。
穏やかな日々は突如終わり、望まない刺激的な日々が始まった。
あ、私の知らないところで何か起こっているな…。
そう気付いた時には時すでに遅し。
私は、厄介な人物が思い描く自分勝手な物語に巻き込まれていた。
私の挨拶が聞こえないのか、その存在すら軽くスルーする目の前の人物。
いつも笑顔を絶やさない、とても気が利くコミュニティの中心人物Nさん。
Nさんと出会ったのは地域のコミュニティ。
子供の学年は違うが学区の関係で何かと顔を合わせるようになった。
Nさんは、初対面からとても友好的で距離を詰めるのがうまい。
私自身フレンドリーな方なので会話を合わせるのは簡単だった。けど…。
いつも人に囲まれているし、きっと良い人なんだろうなと思うものの、何か違和感が…。同時に、親近感とも懐かしさともいえるようなものを感じた。
直感で感じるネガティブな違和感と、例えようのないポジティブ(?)な感情は、真逆であるはずなのに不思議と一体感を持っていた。
頭は混乱、心はかき乱される。
それなのに、友好的なNさんを前にすると、違和感を感じる自分の方が嫌な奴なのではないのかと思うこともあった。
Nさんと関わると、接触時間に関わらず帰宅後モヤモヤした気分になる。
言語化が苦手な自分にも腹がたつ。
嫌な気分になるくらいなら、なるべく関わらなければいい。
ただ、それだけ。
ただ、それだけの事なのに難しい。
今後の事も考えて良い距離感でいたい私とは反対に、Nさんは私たちの関係性を考えると不自然なお土産やちょっとしたものをよく渡してきた。
私が自分で人に聞けることでも勝手に間に入って伝言役になったり、なんというか親切を通り越したお節介(干渉)もあり、モヤモヤがイライラに。
そして、これだけしてあげたんだよ「私たち友達だよね」感を武器(?)に
私の家族や友人関係について、かなり細かく聞き出そうとしてきた。
最初の違和感は間違っていなかった。 もう、普通に怖い。
離れろ!と本能で感じる危機感。
けど、大人として最低限のマナーは守らねば。
どこかで会えば明るく挨拶をし、会釈して通り過ぎる。
コミュニティの関係で関わるときは関わるけど深入りはしない。
なるべく周囲の人たちと同じように接して、軽く雑談してさよなら。
「今までこんなタイプの人いたかな?」
過去に記憶をはせても、なかなか思いつかない。
そうこうしている間にも、Nさん周辺の人たちの態度もおかしくなる。
その人たちは、すれ違いざま挨拶したかな? くらいの関係なのだが、ある日を境に挨拶無視や睨まれるようになる。 ゾクッとする冷たさ。
それを遠目で見ているNさんの嬉しそうな表情 ????!。
そもそも、私たちは子育ての目的で関わっている。
無邪気に遊ぶ子供たちと、般若の形相が同居するシュールな光景。
これ以降、Nさんは私に対してはっきり二面性をみせるようになった。
周囲の目があるときは明るく社交的なNさん。
そして、私だけにみせる★超極秘のスペシャルモラハラ対応。
挨拶無視なんて当たり前。挨拶すると能面のような顔でスルー。
あなた以外はみんなOK。あなただけは何をしてもだめ。
酷い事されたなど、被害者の立場で悪評を流し孤立させようとする。
人間関係に入り込み対人操作を行う。
その結果よく知らない第三者から身に覚えのない敵意を向けられる。
ネタや粗探しのため、離れた場所からジーっと凝視(監視)してくる。
無言で睨みつける。
人の物を盗む。言葉やアイディアなども盗む。
平気で嘘をつく。自分達に都合の悪いことの記憶を書き換える。
嘘がバレたり分が悪くなると支離滅裂な事を叫びながら激しく怒りだす。
事実を前に、言い訳すらできなくなると、無言、無反応で激しく落ち込む。
どれも気味悪いし腹立つことばかりだけど、何よりも厄介だったのは距離をとっても執着してくること。気に入らないなら離れればいいものを、何が何でも関わりたいらしい。 暇なん??
更に悪いことは重なって、Nさんの夫も同じタイプ。
夫婦そろって目立つタイプで顔も広い。特に影響力のある人と仲がいい。
社交的で良い人、さらにボランティア活動にも積極的に参加している。
何より、Nさんたちの善い行いや立派な言動は多くの人に認知される場所で発揮される。言い換えれば、認知されない評価されない事は何もしないという事。任意組織の上意下達の長は遠慮されがちなので、立候補してくれるのは有難い事でもある。悪いことを言う人なんて滅多にいないだろうと、当時は思っていた。
決まりだから守らなきゃ。(自分に都合よく変える)
みんなで一つの○○でしょ。
みんな、仲良くしなきゃね。
お互い助け合ってやっていかないとね。
コミュニケーションは大事だと思うよ。(不愉快な距離感の飲み会等)
上記は、誰がどういう意図で、どんなシチュエーションで言うのかによっても違うだろうけど。Nさんたちが言うと気持ちの悪い同調圧力を感じた。
隠している本来の目的を道徳的で綺麗な言葉を使い包み込んでいるようだ。
知れば知るほど、Nさんたちの一挙手一投足が不気味に思えた。
尊厳を蹂躙されるような怒りと不愉快さ。
自分が積み上げてきたコミュニティ内での信頼関係を壊される理不尽さ。
反撃したら、子供にも何か仕掛けてくるのではないかと心配になる。
そもそも何故、理不尽な相手にこちらが気を使わなくちゃいけないんだ。
一人耐え続けると疑心暗鬼に陥り周囲に対して壁を作り出してしまった。
これが虐めというものなのね。
まさかこんな年になって経験するとは。
大人でも平常心を失いそうになる。
子供だったらとんでもなく辛いだろうな。不登校にもなるだろうね。
そして、Nさんたちはこんな事をしている自覚はあるのだろうか。
自分の子供に何を教えているのか気になる。
あぁ、面倒だ。日々の生活と子育てで手一杯なのに。
これ以上ややこしくなる前に何とかしたい。行動を起こさねば。
Nさんたちは良い人だと思われているから、私が嫌がらせされてるなんて言っても誰も信じないだろうな。そう思っていた。
人に信じてもらえないことは何よりも辛い。
Nさんは手練れだ。裏の顔をバラされないための下地作りは完璧だった。
私が相談しそうな人達には予め私のことを褒めたり好意的に伝えて、私に対して好意的な印象を持たせている。
私が打ち明けたところで相手の反応は、良くて「あんないい人が本当にそんなことするの? あなた何かしたんじゃない?」「火のないところに煙は立たないよ」で両成敗。または、悪口言う人扱い。
最悪なのは人を陥れる嘘つきにされてしまう事。
黙っていてもイライラ。誰かに話すこともリスクがある。
私の選択はコミュニティ以外の友人に話を聞いてもらう事。
愚痴を聞いてもらうだけでも少しは楽になる。
その友人と話す中で気付いたことがある。
そういえば、母親になってから人間関係上手くいってないな…。
まてよ、もしかしたら、もっと前から上手くいってなかったんじゃないの?
目の前の問題を無視し続けてきた結果が今なのでは…。
そう思う心当たりが、私にはあった。
ひたすら押さえつけ、気付かないふりをしてきた自分の感情。
Nさんたちの言動を通して自分の問題に向き合うことの重要性に気付いた。
ある意味、Nさん達に感謝。
#2に続く
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