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【企業経営理論#16】企業理念とビジョン


企業理念とビジョン

今回は、” 企業理念とビジョン ”についてです。

企業理念(経営理念)と経営ビジョンは、企業の進むべき方向性を示す羅針盤のようなものです。

どちらも、企業が目指す未来や価値観を表現したものですが、それぞれ異なる役割と特徴を持っています。





企業理念(経営理念)

企業理念は、企業の存在意義価値観行動指針を明確に示したもので、企業活動の根幹をなすもので、長期にわたって不変であることが一般的です。

簡単に言うと、

  • 「なぜ、この会社は存在するのか?」

  • 「何を大切にして、どんな事業をするのか?」

  • 「社会に対して、どんな役割を果たしたいのか?」

といった問いに答えるもの。


企業理念は、以下の2つの要素から構成されます。

  1. 社是:企業の目指す姿や大切にしている価値観を簡潔に表現したもの。
    モットーやスローガンとも言えます。

    • 例:「誠実」「創造」「挑戦」など

  2. 社訓:従業員が日々の業務や行動の中で、遵守すべき心構えや、心がけるべき行動規範を定めたもの。

    • 例:「礼節を重んじる」「チャレンジ精神」「報告・連絡・相談を徹底する」など

企業理念





企業理念の役割

  • 従業員の意識統一:全社員が共通の価値観を理解し、共有することで、組織の一体感を醸成し、求心力を高める。

  • 意思決定の基準:企業活動における様々な意思決定の際に、判断基準や行動指針として機能する。

  • 企業の魅力向上:求職者や顧客、取引先など、外部のステークホルダーに対して、企業の魅力や信頼性をアピールする役割を果たす。

  • 社会への貢献:企業が社会に対してどのような役割を果たすべきかを明確にし、社会との良好な関係を築くための指針となる。

など。





経営ビジョン

経営ビジョンは、企業が将来、どのような状態になりたいのか、どのような目標を達成したいのかを示したものです。

企業理念が不変的なものであるのに対し、経営ビジョンは変化していく可能性があります。

外部環境や内部環境の変化に応じて、経営ビジョンを見直し、修正していくことが重要になります。





経営ビジョンの役割

  • 目標達成意欲の向上:従業員に将来像を共有し、モチベーションを高めることで、目標達成に向けた意欲を高める。

  • 戦略策定の指針:企業戦略を策定する際の指針となり、具体的な目標設定や行動計画の立案を促進。

  • 変化への対応:外部環境の変化を予測し、将来を見据えたビジョンを設定することで、変化への対応力を高める。

  • 成長の促進:企業の成長を促進し、競争力を強化するための原動力となる。





企業理念と経営ビジョンの関係性

企業理念と経営ビジョンは、どちらも企業の目指す方向性を示す重要な要素ですが、それぞれ異なる役割を担っています。

そして、互いに密接に関連しあい、企業の成長と発展を支える両輪のような関係にあります。


企業理念は、経営ビジョンを達成するための基盤となり、経営ビジョンは、企業理念を実現するための道標となります。





MVV

近年では、企業理念、ビジョン、バリューをまとめて MVV と呼ぶことがあります。

  • Mission(ミッション(企業理念)):企業の使命や存在意義

  • Vision(ビジョン):企業の将来像や目標

  • Values(バリュー):企業が大切にする価値観や行動指針

MVV

MVVを明確にすることで、企業はより一層、その存在意義や目指す方向性を明確に示すことができます。

上記でも述べたように、
企業理念と経営ビジョンは、企業の成長と発展に不可欠な要素です。

企業は、自社の現状や将来展望を踏まえ、明確な企業理念と経営ビジョンを策定し、共有することで、持続的な成長を遂げることができます。





まとめ

今回は、企業理念とビジョンについてまとめました。
次回は経営戦略についてです。





復習問題

問題1:穴埋め問題

  1. 企業理念と経営ビジョンは、企業の進むべき方向性を示す( ① )のようなもの。

  2. 企業理念は、企業の( ② )、( ③ )、( ④ )を明確に示したもの。

  3. 企業理念は、長期にわたって( ⑤ )であることが一般的。

  4. 経営ビジョンは、企業が( ⑥ )、どのような状態になりたいのか、どのような( ⑦ )を達成したいのかを示したもの。

  5. 企業理念が不変的なものであるのに対し、経営ビジョンは( ⑧ )していく可能性がある。

  6. MVVとは、企業理念、( ⑨ )、( ⑩ )をまとめて呼ぶものです。

問題2:正誤問題

  1. 企業理念は、企業活動の根幹をなすものである。( ○ / × )

  2. 企業理念は、変化していくものである。( ○ / × )

  3. 経営ビジョンは、不変的なものである。( ○ / × )

  4. 企業理念と経営ビジョンは、同じものである。( ○ / × )

  5. MVVを明確にすることで、企業は存在意義や目指す方向性を明確に示すことができる。( ○ / × )

問題3:組み合わせ問題

次の用語と説明を正しく結び付けてください。

問題4:記述問題

  1. 企業理念を構成する2つの要素を挙げ、それぞれ説明してください。

  2. 企業理念の役割を3つ挙げてください。

  3. 経営ビジョンの役割を3つ挙げてください。

  4. 企業理念と経営ビジョンの関係性について説明してください。

問題5:多肢選択問題

以下のうち、企業理念の役割として適切なものをすべて選びなさい。

a. 従業員の意識統一 b. 利益の最大化 c. 意思決定の基準 d. 企業の魅力向上 e. 社会への貢献

問題6:多肢選択問題

以下のうち、経営ビジョンの役割として適切なものをすべて選びなさい。

a. 目標達成意欲の向上 b. コスト削減 c. 戦略策定の指針 d. 変化への対応 e. 成長の促進

問題7:記述問題

ある企業が、新たに企業理念を策定する際に、どのような点に注意すべきでしょうか? 具体的な例を挙げて説明してください。

問題8:記述問題

ある企業が、経営ビジョンを策定する際に、どのような点に注意すべきでしょうか? 具体的な例を挙げて説明してください。





解答

問題1

  1. ① 羅針盤

  2. ② 存在意義 ③ 価値観 ④ 行動指針

  3. ⑤ 不変

  4. ⑥ 将来 ⑦ 目標

  5. ⑧ 変化

  6. ⑨ ビジョン ⑩ バリュー

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