睡眠改善_3章
3章 起床時間一定のメリット
先輩 ここからは起床時間一定のメリットを話すよ。
後輩 お願いします!
先輩 起床時間一定のメリットは大きく分けて3つ
1 感情面での良い影響
2 寝起きが良くなる
3 寝つきが良くなる
後輩 なるほど、意外と少なく感じますけど。
先輩 各効果は絶大で多くの人にとって実践したらやめられなくなるほどのメリットだ。私も早く実践していれば良かったという思いが今でも非常に強い。寝つけないというストレスが体や精神に対して大きな悪影響を及ぼしていたんだなと実感するよ。汚い部屋、相性の合わない上司・部下と仕事をすると気づかないうちにエネルギーを奪われているが、部屋が綺麗になったり、相性の良い上司になったりすると、一気に物事がスムーズに進むような感じだね。人間は悪い状態が普通になると、その感覚に気づけなくなるんだ。
後輩 確かに汚い部屋をきれいにすると、一気に脳みそのリソースが空く感じがしますよね。
先輩 うん、そうでしょ!まずは感情面の良い影響から話していこう。
1 感情面での良い影響
先輩 感情面の良い影響は2つだ。
①朝、起きた時点で成功
②漠然とした安心感
とりあえず、朝、起きた時点で成功からいこうか。
後輩 はい、お願いします。
①朝、起きた時点で成功
先輩 感情面の良い点は朝起きた時点で成功という点だね。1日の始まりで自分が決めた時間に起きるという予定をこなす。朝の時点でその日、1日の最初のスタートが成功になると気持ちが上がるよね。
後輩 確かに朝起きた時から1つ成功があるというのは、気分がいいものになりそうですね。
先輩 うん。朝一番から、成功があるというのは非常に気持ちがいいよ。今の起床はミーティング30分前だっけ?
後輩 そうですね、朝一番のミーティングの時間の30分前に起きることが多いです。10時からミーティングはある場合は9時半に起きて、11時半からのミーティングは11時に起きる感じになっています。顔出しでないミーティングの場合は、もちろん服装はパジャマのままミーティングに出たりしています。
先輩 30分前に起きた状態でミーティングに出ると、頭も回らないし、体調もきついでしょ?
後輩 はい、ぼ~っとする状態が多いですね。
先輩 ちなみにどんな睡眠スケジュールなの?
後輩 平日は朝のミーティング時間に合わせて起きることが多いですね。そのため、起床時間はバラバラです。休日は目が覚めるまで起きないです。休日は早ければ11時に起床して遅い時は13時ぐらいです。夜もだらだら YouTube を見たり、 TikTok を見たりで朝は嫌悪感とともに起きることが多いんですよね。ああ、あと30分でミーティングが開始される。とか昨日の夜もなんか意味のない時間を過ごして、YouTube ・TikTok ずっと見ていたなーとか。こんな毎日、続けてもしょうがないなと思っています。しかも、なかなか寝つけないので、睡眠時間が6時間とか短いときは5時間とかそれぐらいになるんですよね。睡眠不足ですと、頭がぼーっとしますし。
先輩 あー、その状態はつらいよね。朝からその状態だときついね。
後輩 先輩とは逆で、朝起きた時点である意味失敗というか、、、昨日も無駄な夜の時間を過ごしたなと思いながら目を覚ますことが多いですね。今日は早く寝たいなと思っても寝つけないんです。朝起きたときからなんか嫌な気分で、割としんどい連鎖になりますね。
先輩 なるほどよくわかるよ。寝られなければ寝られないほど、もういいや!と思い翌日には内容を覚えてない、YouTube、TikTok、変なサイトをずっと見ていたりするよね。
後輩 その通りです。夜だらだらしている時間をできるだけ減らして、・副業・筋トレ・自炊・部屋を綺麗に保つ・趣味の絵を書いたり、ゆっくりしたいのですが、なかなかできないんですよね。
先輩 なるほどね、生産的な活動をしたいなら、起床時間一定はまさにぴったりだと言える。そもそも、気分がいい時と気分が悪い時だと、どちらの方が自分にとって、目先の楽しいことでなく、長期的に必要なことを考えて行動できると思う?長期的に必要というのは、副業、筋トレ、健康、資格試験、部屋をきれいに保つなどだね。
後輩 それは当然、気分が良い方ですね。
先輩 だよね。人間というのはいい気分であれば長期的に考え、自分にとって必要なこと良いことをしようというモチベーションが湧く。そして、朝に決めたこと、毎日一定の時間に起きるということは、起きた時点で1つ成功を積み上げるので、それだけで気分が良いんだ。すると、1日の開始時点で気分が良いので、自分にとって必要なことをやる確率が上がる。読書・資格試験の学習・運動・筋トレ・副業などを行う、前向き建設的な行動を実践することで良い気分を引き出し、寝るまで充実した生活という好循環を引き出してくれる。
後輩 朝起きるだけで漠然とした成功だと気分が良いので、次々と自分に必要なことを実践して、さらにそれで気持ちが良くなるという好循環が発生するんですね。でも、そんなに色々とうまくいきますかね?
先輩 例えば、月々使えるお金が3万円増えたとしよう。
後輩 3万円ですか、大きな金額ですね。
先輩 3万円増えれば家電や家具、美味しいご飯や旅行など、今までできなかったことが体験できる・買えるようになるよね。お金が増えるのと同じように時間が増えるんだ。使えるお金が増えるように、スムーズな入眠・適切な睡眠を取ることで、活動できる時間も増えるし、起きている時間の質も上がる。
起床時間を一定にし、人類の歴史で最適化された体内時計を手に入れれば、時間、体力、やる気も増えてきて、色々なこと、建設的なことをやろうかなと言う気分になる。いままで、やる気がわかなかったことにも挑戦しようかなという気持ちになってくるよ。今の段階でそこは全く気にしなくていい。起床が整えば、入眠時間も整ってきて、眠るまでの時間が短くなり、必ず今より体力と気力が増えてくる。
後輩 そんなものなんですか。まぁ、お金の例えでなんとなくわかりましたが。
先輩 少なくとも、睡眠リズムが整い、適切にコルチゾール、セロトニン、メラトニンが出てくるようになると、そういった本当に自分に必要でない行為。自分が心の底では、そんなにやりたいと考えていないのにダラダラ時間を消費しているような行為も自然と減っていくさ。
後輩 今の段階ではよくわかりませんが、確かに朝から気分良ければ、そんなものかもしれませんね。
先輩 今までの人生で、今日この日はすごく生産的だった。いろんな良いことをできたという日を振り返ると、その時は何か1つ最初の一歩となるような良い行動を行っている。その結果、好循環の歯車が周りだし、自分がやりたいこと・良いことをドンドンと実行するようになるだろう。
後輩 確かに生産的な日は色々と重なっていることが多いですね。例えば、部屋の片付けや、普段やりたくても出来ていない自炊などをやれることが多いですね。
先輩 うん。起床時間一定というのは、予定していた起床時間に起きるというだけで、成功という自分が気持ちよく、心地よいんだ。それに、コルチゾール、メラトニン、セロトニンなどの体内のホルモンが必要な時に適切に出るようになる。起床時間を一定にするということは、人類が500万年の歴史で培ってきた最適なホルモンバランスをそのまま利用するっていうことなんだ。この人類の仕組みを利用すれば少なくとも今の生活より充実した物になるのは当然だろう。
そもそも、人類はずっと同じような時間に起きてきた。現代人も当然、同じ時間に起きることで最適になるように設計されている。電球の発明は我々の体には予定外の出来事なんだ。起床時間がバラバラでも最適に生活できるようになるには、早くてもあと数千年、数百世代の時間がかかるだろうね。
後輩 気分だけじゃなくて体内のホルモンバランスも関連しているんですね。正直、今の僕の状態だとそんなにうまく次々と行くのか疑問ではあります。でも、朝起きた時に漠然と気持ちが良い、成功したという気分だと色々と何か行動的になりそうということはわかります。
先輩 そうだね。朝起きた時点で嫌悪感とか昨日の夜、意味のないことをやってしまったなと思いながら起きている今の状態だと色々、活動的になったりすることが信じられないかもしれない。でも、朝一番の気分が気持ちよければ必ず人生は好転する。その結果、間違いなく行動量が増える。そして行動量が増えれば必ず。良い結果は出てくる。そうすると、好循環になるんだ。
行動する→良い結果が出る→また行動したくなるというふうにね。
何より人類の歴史で最適化された生活リズム、体内時計も手に入れることができるんだから、今よりよくならないわけがない。先ほど言ったように坂道を歩いて登る感覚が、エスカレーターで坂道を登る感覚・平らな道を歩くような感覚にはなるだろうね。少なくとも今のバラバラの起床時間に比べ、よくなるのは当然なんだ。今のバラバラの起床時間は、手や足に重りをつけて行動しているようなものだ。当然、重りを取り除けば体が軽くなるだろう。
後輩 確かに重りを取り除けば、全身が軽くなり行動量も増していきそうですね。
②漠然とした安心感
先輩 さて、次は漠然とした安心感についてだ。起床時間一定を実践して驚いたんだが、漠然とした安心感・幸福感が出てくるんだ
後輩 何ですか?それちょっとやばくないですか?
先輩 いや、別にやばくはない。これが人間本来のリズムに沿った生活をするということの効果なんだ。起床時間の安定により、セロトニンなどの神経伝達物質が安定するようになることが大きいんだろう。セロトニンは基本的に我々の安心感といえばいいかな。
後輩 それが事実なら、結構嬉しいですね。なんか漠然とした不安がたまに襲いかかってくるんですよね。
先輩 ちなみにセロトニンが低下すると、肉体的・精神的な不調が起こりやすい。例えば、すぐに不安になったりすることが知られている。起床時間一定にすることで、ストレスが軽減され、セロトニンが増えるとされている。先程、軽く話したが、太陽光を浴びるなどで生成されたセロトニンは夜に向かって体内で睡眠を促すメラトニンに変化する。
後輩 今の生活では太陽光を浴びるということはないですね。
先輩 今の睡眠リズムなら難しそうだよね。私も別に起床リズムを一定にすることで全てが解決するなんてことは思っていない。でも、現代人にとって睡眠不足・悩みは流行病と Who が宣言しているぐらいだ。睡眠時間が足りなかったり、起床時間が一定でなかったり、当たり前だけど、人類の進化の歴史で最適化された生活リズムと全く異なることをやっている。そんなことを続けていたら、体・精神に不調が出るのも当たり前だ。昼に活動する生物が、夜に活動する時間を増やしたらいろいろな面で不調になるのも当然だろう。
後輩 確かに、眠気を遠ざける電球の発明が150年前と考えると納得できますね。我々の睡眠時間はどんどん後ろにズレ、起床時間もバラバラになっていることを考えると、体に不調が出るのは当然なことに思えますね。
先輩 もちろん科学による恩恵はありがたいんだけれど、ただ需要するだけじゃなくて、人類の進化の歴史を考えて、自分の生活にうまく取り入れるということが大切だよね。悪いところを捨て、良いとこだけ取り入れるということだね。
2 寝起きが良くなる コルチゾールの無駄遣いをしない
先輩 さて、次は起床時間一定の効果として寝起きが良くなる現象についてだ。これは毎日、同じ時間に起きることで、人間本来の体内時計が正常に動作するようになることが大きい。ここでは、コルチゾールというホルモンに注目してみたいと思う。このコルチゾールは起きる時に必要なホルモンであり、ストレスがかかった時にストレスに対して適切に対応するための物質でもある。
後輩 はい。起床にも必要なものでしたね。
先輩 一般的にはコルチゾールっていうと、ストレスが増えたときに出る嫌なホルモンであると認識されていることが多い。しかし、ストレスがかかった状況で適切に対応するために必要なものなんだ。確かにストレスでコルチゾールが出っぱなしの状況は減らした方がいい。心身に不調をきたすことになるから。でも、コルチゾール自体は消して悪いものじゃない。そして、朝の起床時間を一定にすることで、朝に出すコルチゾールを節約することができるんだ。
毎日、同じ時間に起きていると、体内時計がコルチゾールをどのタイミングで出せば良いということを把握する。すると、自然と起床時間に合わせて、目覚ましやスマートウォッチのアラームのなる前に起きるようになる。現に起床時間を一定にしている、今の私はかなりの確率で目覚ましが鳴る少し前に起きるようになっている。ちなみにこれは多くの人に確認されている現象だ。
後輩 あっ!それわかります!昔、客先で働いていた時に同じ時間に出社していました。当然、同じような時間に起きていたので、アラームが鳴る5分前や2分前に起きることがありましたね。ちなみに最近は全然ないですね。
先輩 うん。毎日同じような時間に起きているときはアラームが鳴る前に起床するという経験をしたことがある人は多いと思う。毎日、同じ時間に起きることで、体内時計が正確に動作している状態だね。体がそろそろ起きる時間なので、体内のコルチゾール濃度上げときますねっ!ていう影響で目が覚める感じかな。当然、アラームで起きるより、目覚めも良い。実際アラームが鳴る前に目が覚めた時は寝起きも良かったでしょ?
後輩 はい、確かに自然と目が覚めたので、目覚ましに無理やり叩き起こされている感覚もなく、気づいたら目覚ましを止めていたということもありませんでしたね。そういえば、昔は結構爽快に起きられていました。
先輩 うん、大丈夫。起床時間を一定にすれば、必ずその感覚は取り戻せる。
後輩 ちなみに起きられないときは、目覚まし時計で起きているんですか?
先輩 いや、目覚まし時計で起きることはしていない。今はスマートウォッチのバイブ機能で起きているよ。
後輩 スマートウォッチにしている理由はあるんですか?
先輩 う~ん。まぁスマートウォッチで睡眠を計測しているというのもあるね。後、目覚まし時計に関しては、睡眠の専門家が警告を促している。
後輩 えっ、警告ってなんですか?
先輩 目覚まし時計というのは、めちゃくちゃ心臓に悪いんじゃないかっていう風に言われている。
後輩 目覚まし時計が心臓に悪い?
先輩 言ってみたら目覚まし時計というのは完全に寝ている中、大きな音を立てて起こすということなんだよね。ちなみに私はスマートウォッチのバイブ機能で起床する方がマシと体感している。そのためスマートウォッチのバイブ機能で起床している。
後輩 たしかに目覚まし時計は睡眠の中にいる状態から大きな音を立てて、強制的に起こすということですね。
先輩 これを人類進化の歴史に遡って考えると、めちゃくちゃ危険な状態なんだよね。
後輩 ちょっと、よくわからないのですが?どういう風に危ないのですか?
先輩 例えば、洞窟で暮らしていた時代に遡って考えてみよう。私たちが洞窟に寝ていて、めちゃくちゃ大きな音がして起きるといった瞬間を考えてみよう。この、寝ている中、動物が大きな音を立てて、襲ってきたということに近いよね。
後輩 あー、確かに完全に寝ている中、大きな音がするっていうのは捕食される瞬間というか、危険な状態の可能性は高そうですね。
先輩 うん、そうなんだ。現代ではかなり多くの人がこれをスヌーズ機能などで、何回も繰り返している。普通に考えて、あまり良い状態ではないよね?これらのことから、心臓へのダメージが懸念されているんだ。
後輩 なるほど。僕は毎日5分間隔でセットしたスヌーズ機能を6回程度使っていますけど、確かにドキッとする感覚というのは分かります。完全に寝落ちしているところを叩き起こされる感じというか。
先輩 実際、計測データでもそうなっているんだ。
後輩 えっ、そうなんですか。。。
先輩 目覚まし時計で起きる時には血圧が急上昇し、脈拍も上がる。コルチゾールやアドレナリンを一気に上げた状態だ。言ってみれば、自分に危害が加えられる瞬間の防衛反応だね。この反応は、闘争逃走反応と言う。人類が動物と退治した時に闘うか逃げるかの為に備わった緊急事態対応の機能だね。目覚ましで起床するたびに、人類の緊急事態対応の仕組みを使っているといえばわかりやすいかな。
後輩 つまり、トラが眼の前にいるために想定されている機能を使っていると。確かにこのような状態を繰り返しているとしたら恐ろしいですね。
先輩 さらに、スヌーズ機能が良くないのが、これを1日で何回も繰り返すということだ。朝目覚めるたびに動物の襲撃があるということを考えたら、心臓・血圧など体への悪影響は想像できるよね。そして、スムーズ機能で何回も起きることで起床に必要なコルチゾールを無駄遣いする。起床以外のコルチゾールの役割は覚えている?
後輩 え~っと、ストレスに対抗することですよね。
先輩 そう、朝一番に何回もスヌーズ機能を使い起きることで、ストレスがかかった状態でうまく対応するために使用できるコルチゾールがドンドン減ってしまう。コルチゾールに長時間さらされると、ウツになる、記憶などへの悪影響が出る。
さらに、何度も寝たり起きたりを繰り返すため体内時計が狂い、どのタイミングでコルチゾールを上げて、起床を促せば良いのかわからなくなる。これらのことから、スヌーズ機能を使って何回も起きるというのは、起床に必要なコルチゾールを出すタイミングを体内にわからなくしてしまう。
この悪影響は大きい。何度も起床することでコルチゾールを無駄遣いし、日中のストレスにうまく対応できなくなる。さらに毎朝、何回も生物としての奥の手、闘争逃走反応を使うことで心臓、血管にダメージを与えてしまうことになる。
後輩 う~ん。目覚ましや、スヌーズ機能で何回も起きることが、そんなに体に悪影響を与えていると思いませんでした。毎朝、自分の心臓や血管、体にそんな負担をかけているというのは知りませんでした。その点、起床時間を一定にすれば、ある程度マイルドに起きられるようになるということですか?
先輩 うん、そうだね。起床時間を一定にすることで、体内時計が整い、同じタイミングにコルチゾールが出るようになる。そうすると、同じような時間に自然と目が覚めるようになる。アラーム機能を使って起きるにしても、ある程度体内のコルチゾール濃度が上がっているので、遥かに起床が良くなるだろう。
後輩 アラーム機能を使って起きるということも少しずつ減るので、心臓への悪い影響が除かれ、良い影響が出るのは間違いないね。
先輩 心臓へのダメージと聞くと、確かに怖いですね。今までの説明で、何回もスムーズ機能を使って起きることの良い影響はなさそうだなっていうのは分かりました。
3 寝つきが良くなる メラトニンをうまく使えるようになる
先輩 次のメリットは起床時間一定をすることで私が感じる最大のメリットである、寝つきが良くなるということについてだね。ここでは以前、話したものも含まれるが復習として聞いてくれ。
後輩 忘れている部分もあるので助かります。
先輩 ここまで散々言ってきたけど、毎日、同じ時間に起きると、人体に備わっている体内時計が整う。毎日、同じような時間に睡眠を促すメラトニンが出るようになり、自然と入眠を促してくれるようになるんだ。
後輩 起床時のコルチゾールが同じタイミングに出るのと同様ですね。確かに起床時間を一定にしたら、体内時計の関係で眠くなる時間も大体、同じになりそうですよね。
先輩 うん。メラトニンは起床の約14~16時間前後に濃度が上がり出すようにできている。例えば朝8時に起きたら、当日の22時前後から濃度が徐々に上がっていき、体が睡眠の準備をしだすと言われている。メラトニンは外に出て日の光を浴びることでも生成される。正確には陽の光を浴びる→セロトニンが生成される→就寝前にセロトニンがメラトニンに変化し寝つきを促す。
後輩 セロトニンはどんな作用でしたっけ?
先輩 セロトニンは精神を安定させる、幸福感を感じるホルモンだ。そのため、太陽の光を浴びることは精神の安定と寝つきの良さを改善するのに良い行動なんだ。太陽光を浴びるのは、めちゃくちゃオトクなことと考えてくれ。
後輩 確かに効果的ですね。メンタルを安定させる方法的な記事を読むと、陽の光を浴びることが重要と書かれているのは、このあたりが理由なんですね。ちなみに直射日光でなければいけないのですか?
先輩 いや、明るい日陰で全然OKだよ。ちなみに夜にイライラしやすい現象はこのセロトニンが、メラトニンに変化していることでセロトニン不足が原因の一つと言われている。
後輩 ああ、確かに夜のほうがイライラすることは多いですね。
先輩 どんな曇りや雨の日でも外に出ることで、睡眠を促すメラトニンという自然の睡眠導入剤が出てくれるというわけだね。起床時間を一定にすることで、このメラトニンが同じ時間に生成される。メラトニンは睡眠を促すサプリとしても販売されているものだ。私の寝つきが良くなったきっかけとなったサプリだ。この物質が体内で同じ時間に出れば当然、寝つきも良くなるよね。
後輩 たしかにそうですね。
先輩 毎日、同じ時間に起きていれば、同じ時間にメラトニンが出て、同じ時間に眠くなる。寝るタイミングを一定にするのが難しい人にとっては起床時間を一定にすることで、眠くなるタイミングも徐々に同じ時間になってくるんだ。当然、寝つきもスムーズになる。30年以上、寝つきが悪い中で、起床時間を一定にすることで、このような効果があるとは実践するまで思ってもいなかった。
後輩 たしかに、睡眠薬を飲んでも3時間寝られなかったという話を聞いたりすると、まさか起床時間一定で睡眠薬を上回る効果があるとは思いませんね。やはり、睡眠の改善で唯一取り入れられるとしたら、オススメされている方法なだけありますね。
先輩 自分の体験から言っても、寝つきが悪い人ほど、起床時間もバラバラが多い。仕事がある平日はまだしも、休日は確実に起床時間がずれているだろう。
後輩 最初に聞いたときより、バラバラの起床時間が自分に与える悪影響が恐ろしくなってきました。
先輩 良い傾向だね。体内時計が後ろにずれることの悪影響をまとめてみよう。ここでは、とりあえず休日の寝溜めで狂うリズムについて書いてみよう。
【起床時間がバラバラであることの起床への悪影響】
休日の寝溜めで起きる時間がずれる→体内時計が後ろにずれる→起床に必要なコルチゾールの出るタイミングが後ろにずれる→自然と目が覚めるのではなく、強制的に起きるしんどい起床になる。→スムーズに起きられず二度寝をすることでコルチゾールの出るタイミングがずれ、コルチゾールの無駄遣いをする。
【起床時間がバラバラであることの入眠の悪影響】
休日の寝溜めで起きる時間がずれる→体内時計が後ろにずれる→睡眠を促すメラトニンが出るタイミングが後ろにずれる→眠くなるタイミングずれる→いつもと同じ時間に寝つけない→自分は寝つきが悪いんだという思い込みが発生する→寝られないのでスマホや、ゲームをする→より覚醒し更に寝られなくなる。
先輩 実体験からもまずいと感じるのは、自分は寝つきが悪いんだという思い込みを強化してしまうことだね。
後輩 本当は起床時間をずらしているだけなので、起床時間をずらした当日の夜はいつもより眠くなるタイミングが遅くなるのは当然ですよね。
先輩 うん。そして、思い込みを強化した状態で寝られないんだったらと YouTube、 TikTok、ゲームをするなどでより覚醒が強くなってしまう。つまり、思い込みが現実になってしまうことだ。
後輩 う~ん。睡眠不足について、 Who が流行病と宣言したのがよくわかりますね。
先輩 約150年前に電球が発明され、最近ではスマートフォンが発明されたことにより、人間の睡眠リズムはますます、質量共に悪くなっている。満足できない睡眠は精神疾患やあらゆる不調のトリガーとなってしまう。
後輩 確かにそうですね。人間の睡眠が良くなる兆しはありませんね。
先輩 うん、現代では普通に生きていると、普通に睡眠不足になるんだ。
後輩 寝つきが悪くなり、朝はスヌーズの連続で体にダメージを与える。多かれ少なかれこんな感じですよね。
先輩 起床時間一定は不自然なことではない。例えば、睡眠の影響がビジネスマンよりも直ぐに結果に反映されるスポーツ選手など多くのアスリートが実践している。例えば、大谷翔平選手も起床時間一定を実践していると聞いたことがある。ちなみに国内で時差があるアメリカを移動する、メジャーリーガーなどは時差ボケ調整のためメラトニンサプリを積極的に使っているよ。
後輩 確かに現代は普通に生活していたら、睡眠が崩れるということがわかってきました。睡眠を整えるために起床時間一定などの意識的な行動やメリットが大きいことがわかりました。
先輩 では、寝つきが良くなることの具体的なメリットを話そうか。
後輩 お願いします。
先輩 すぐさま効果を実感するものとしては2つだね。
ⅰ睡眠時間が長くなる
ⅱ寝つきが早くなることで不安なことを考えない・ストレスが軽減される
ⅰ睡眠時間が長くなる
先輩 この睡眠時間が長くなるというのは、もう直感的にわかるよね。
後輩 はい、単純に寝つくまでの時間が早ければ、その分睡眠に当てられるということですもんね。
先輩 うん、その通り。これが非常に大きな効果を及ぼす。人間は睡眠時間が7時間を下回る状態が長く続くと、免疫機能が衰え、ガンのリスクが2倍にもなる。また、心血管病や脳卒中、鬱血性心不全などを発症するリスクが高まる。
後輩 えっ、7時間を下回るということは6時間台の睡眠でも不足しているのですか。。。
先輩 うん、7時間を下回ると睡眠不足と考えられているね。もちろん適切な睡眠時間に個人差はあるけど。まだまだ、あるよ。集中力をシンプルなテストで測定した実験がある。 光るボタンや画面に反応して、素早くボタンを押すテストだ。光はランダムに点灯する。結果として、10日間続けて毎晩6時間しか寝ないと、一日中寝ないで起きている人と同じくらいのスコアになることがわかった。
後輩 えっ、6時間睡眠の人は割と多いと思うのですが。6時間睡眠を10日続けると徹夜明けの人と同じになるのですか。6時間睡眠でも、そこまで睡眠不足を感じないのですが。
先輩 うん。更に恐ろしいのは6時間睡眠だと自分の睡眠不足を認識できない点だね。酔っ払っている人が酔っていないよ!というのと同じやつだね。
後輩 6時間睡眠で睡眠不足を感じないというのは、まさに僕の状態ですね。睡眠不足は感じられないんですか?しかも、酔っぱらい状態と一緒なんだ。怖いですね。。。
先輩 あと、睡眠不足は本当に人が亡くなるんだ。
後輩 まだ、あるんですか。。
先輩 まだあるよ。日本では馴染みがないが、一部の国では夏時間と冬時間というものがある。この、夏時間というのは冬時間に比べ、1時間時計を早めるんだ。そうすると、冬時間から夏時間の切り替えの日は、同じ時間に寝ておきると、1時間睡眠が削られることになるよね。
後輩 はい。そうですね。
先輩 冬時間から夏時間に切り替わり1時間睡眠が不足する日は心臓発作が激増する。そして、夏日から冬日に切り替わり睡眠時間が1時間増える日は心臓発作が減るんだ。
後輩 たった1時間睡眠が増えたり減ったりすることで、心臓発作の発生数、人が亡くなるかどうかが変わってくるんですね。睡眠時間の重要性が伝わりますね。
先輩 当然、小さな不調は心臓発作の何十倍、何百倍と発生している。
後輩 ですよね。たった1時間の睡眠時間により、亡くなる人が増減するんですもんね。体の不調は遥かに多いに決まっていますよね。
先輩 うん。睡眠不足ということは我々が考えているものよりはるかに大きいダメージを体・脳みそに及ぼしている事がわかってきている。そもそも、全ての生物には睡眠がある。睡眠という捕食される確率が上がる状態のものが、進化の歴史で淘汰されずに残っていることからも睡眠の重要性はとてつもなく大きい事がわかる。
後輩 たしかにそうですよね。僕も睡眠不足だと、明らかにイライラしやすくなったりしますし。
先輩 寝つきが良くなることで、睡眠時間が長くなることの恩恵は計り知れないということがわかるよね。
後輩 はい、確かに。寝つくまでに1時間かかっている僕が10分、20分で寝られるようになったら、40分~50分睡眠時間が増えるので、とてつもなく大きいプラスの影響を受けることがわかりました。
ⅱ寝つきが早くなることで不安なことを考えない・ストレスが軽減される
先輩 ベッドに入った後、寝られないときは何を考えている?
後輩 いきなりなんですか?だいたい仕事、お金、今後の人生、健康とかですかね?
先輩 寝られない時に考えることは不安なことが多くない?
後輩 あー、確かに!なかなか寝られない時に考えることは今後のことや不安なことですね。この先、仕事は?人間関係は?お金は大丈夫かな?とか健康のこととか、ぐるぐる考えてしまいますね。
先輩 寝つきが早くなると夜、不安なことを考える時間がそもそもなくなる。寝つきが悪い人は、すぐに寝られないということがストレスになっている人も多い。そして、寝られないときには不安なことを考えている時間が増えてくる。
後輩 確かに、寝られない時に出てくるのは不安なことですね。
先輩 そうだろうね。人間の仕組みを考えれば当然だ。人間が生物として優れているのは視覚だよね。犬だったら嗅覚が優れているという感じだ。
後輩 そうですね。確かに人間は視覚に秀でていると思います。
先輩 人間の視覚の優位性が下がる時は夜なんだ。単純に暗くなるとモノが見えなくなる。
後輩 そうですね。暗いと見えませんね。
先輩 視覚が機能しなくなるということだね。
後輩 はい、そうですが何が言いたいんですか?
先輩 現代でなければ、視覚が機能しないということは捕食される確率が高いって考えて良いよね。そうすると、夜に不安になりがち、夜はより不安を強くするタイプの方が生き残りやすい。
後輩 たしかにそうですね。人類の歴史でいえば夜不安にならずに色々出歩くタイプの方が捕食されそうですね。
先輩 だよね。他にも視界が悪い中、出歩くと枝などに足を取られ転んだ先に動物の死骸があった。傷口が動物の死骸に触れてしまい、化膿し、それが原因で命を落とすことだってあっただろう。
例えば、人間の不安アラームはどちらが優れているかな?
1
間違って鳴ることはないが、緊急事態においても警報がならなかったアラーム。
2
100回アラームが鳴った結果、1回だけは緊急事態だったが99回は誤作動のアラーム。
後輩 うーん。明らかに2ですね。1ではたった1回の緊急事態で逃げ遅れて死ぬことになりそうです。
先輩 だよね。だから人間は不安になりがちだけども、誤作動だらけのアラームを備えている。誤作動というよりも必要以上に感度が高くすぐに警報を鳴らすシステムだね。ある意味、我々は不安エリートの子孫なんだ。
そして我々、不安エリートの子孫達は夜により不安になるように作られている。これは夜に向かうにつれ、精神安定ホルモンのセロトニンが睡眠準備のためメラトニンに変化することからもわかるだろう。精神を安定させるホルモン、幸福感を感じるホルモンが夜に減っているわけだから。
後輩 なるほど、だから夜ベッドに入った後になかなか寝つけないと、仕事のこと、将来のこと、お金のこと、健康のこと、漠然とした不安な出来事が出てくるんですね。
先輩 その通り。で、寝つきが良くなれば、そういったことを考える時間もなく寝られるようになる。
後輩 たしかにそれは嬉しいですね。不安な時間はシンプルに嫌ですから。
先輩 だよね。しかも寝つけない時に恐ろしいのは、寝つけない→不安なことを考える→ストレスを感じる→起床時に必要なコルチゾールが分泌する→覚醒する→寝つけないという無限ループが始まってしまうことなんだ。これは私の実体験からも言える。
後輩 確かに先輩が言うと、説得力が違いますね。
先輩 私は声を大にしていたいのが、睡眠というのはテクニックなんだ。先ほどの夏におけるエアコンをかけた際は長袖、長ズボンで布団をかけて秋のイメージで寝ると、朝だるい感じがなくなるということと一緒だね。
後輩 その話を聞くと睡眠はテクニックなんだなと思いますね。
先輩 そう、ただの知識だしテクニックなんだ。夏場はエアコンを付けて長袖、長ズボンを履く、布団をかけるだけで、起床時のダルさがなくなり、夏場の睡眠は一気に快適になる。
ここまで散々、起床時間を一定にすることにより、起床時に出るコルチゾールの出るタイミングが一定になることで、すんなり起きられるようになる。寝るタイミングでメラトニンが分泌され、自然と眠くなるようにということを何回も話してきたことで、なんとなく理解してきたでしょう。
後輩 これだけ繰り返し話をされることで、なんとなく理解してきましたね。
先輩 寝つきが悪くなる、起床が悪くなることの恐ろしい点は、一旦その傾向が出ると、どんどん自己強化をしてしまう点なんだ。まぁこれは何事もそうかも知れない。
後輩 うーん。寝つけないことが、こんなにストレスになっているとは思っていませんでした。確かに寝つきが悪い、今の状態は自分が思っている以上に体に良くない影響を及ぼしているんですね。
先輩 そうだね。ただ、その状態は絶対に改善できる。次からは私の実際の睡眠改善のデータを見てみよう。
後輩 おお、実際に改善したデータが見られるんですね。楽しみです。