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「全員参加型の人材育成」、どう人材育成を実行するかよりも、人材育成についてより多くのメンバーが参加するためにはどうすればいいか 【Humanize Voice ~ よしつぐの独り言…】

 年末が近づくこの時期になると、次年度の計画も含め、企業の経営者や人事担当の方々から人材育成に関する相談を受けることが増えてきます(いつもありがとうございます)。

 いつの時代でも人材育成に関して様々な悩みを聞きますが、相談を受ける際に、個人的に大切にしていることは次の二つです(あくまでも個人的な考えですが…)。

 一つは「育てる→育つ」。
 もう一つは「全体→個」という点です。

 一つ目の「育てる→育つ」は、相談される場面の多くは、「育てるためにどうしようか」という視点で考えられていますが、「育つためにどうしたらよいか」という視点を加えていただくようにしています。
 経営者や人事担当者が主役となって育てるのではなく、個々のメンバーが主役になって育つことがより大事だと考えています。

 もう一つの「全体→個」は、人材という大きな括りで考えるだけでなく、単純ですが“個”に焦点を当て、具体策を考えることを薦めています。
 例えば「わが社の中堅社員をどう育成するか」を考えることも必要ですが、「現在入社××年目の○○部門の中堅社員であるAさんがより成長・成熟するために何が必要か?」を考える方が、具体的なアイデアが生まれてきます。
 そうすれば、人材育成=研修ではなく、より多くの仕事を担当させる、より難易度が高い仕事を担当させるなど、様々な機会(環境)を提供できます。

 働く人々の価値観が多様化し、“働くことに対するやる気”の源泉も多様化する中で、育てる方法論だけでなく、個々のメンバーに適した育つ環境づくりを考えることは重要です。
 経営者や人事責任者だけが人材育成を考えるのではでなく、現場のあらゆる人々が参加して“一人ひとり、○○さんの成長・成熟”について智恵を出し合うことが求められているのではないでしょうか。

 長年、人材開発・組織開発に携わる中で、人材育成を誰かが業務の一つとして考える会社(組織)よりも、人材育成について考えている(興味・関心を持っている)ヒトが多い会社(組織)が、人材育成力が高い会社(組織)になると実感しています。

 経営者や人事責任者が考えるのは、「どう人材育成を実行するか」よりも、「人材育成についてより多くのメンバーが参加するためにはどうすればいいか」なのかもしれません。
 全員参加型の人材育成を増やしていきたいですね。

<ヒューマナイズ通信 2022.12.07掲載 一部修正>
 https://humanize.co.jp/

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